2015年09月29日

絶対の逸品


読者の皆さんはビッグヴィジョンが年に1度企画する『絶対の逸品』という商品をご存知でしょうか?

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詳しくは、こちらに書かせて頂きましたが、これは当社(グループ)が総力を上げて企画した渾身の生地(を使ったスーツ)です。

ご存知の方も多いと思いますが、当社は他のオーダースーツ店と比べると、グループに@生地専門商社があるA縫製工場があるという強みがあり、コンペティター企業と比べると、『生地に対する思い入れ』と『縫製に対する思い入れ』が強いのが特徴です。

そしてこの絶対の逸品は、『生地に対する思い入れ』という点では産地まで赴き、材料を吟味していますし、『縫製に対する思い入れ』ではハンドメイドの仕立てまで提供できるという強みがあります。

そして今年取り扱う絶対の逸品は何かというと、、、

カシミヤ100%のスーツ地


えっ?カシミヤ100%の生地なんてどこでもあるじゃない?
・・・そう思う人もいるかも知れません。

そんな皆さんにお聞きしたいのは、「それはジャケット(コート)の話ではないですか?」と。

そう、確かにカシミヤのジャケットやコートはどこにでもあります。
でも、カシミヤ100%のスーツは相当のお金持ちでなければ持っていないはずです。
何故なら、殆ど流通していないから。。。

詳しく話すと長くなりますから、短く説明しますが、洋服の生地には大きく2種類(梳毛somouと紡毛boumou)あって、一般的なカシミヤのマフラーやジャケット・コートは紡毛という、毛足の短いものを使用しますが、スーツに使う梳毛は長い毛足のものを引き揃えて作るため紡毛よりはるかに高度な技術が必要で、仕上がったものは太さが均質で、滑らかで光沢感があるのが特徴です。
※:代表的な紡毛の生地はツィードですが、皆さんイメージの通りツィードはやや粗野でざっくりしたイメージがありますが、紡毛ですとそういった風合いになります。

で、今回のカシミヤ100%の生地は梳毛ですから、非常に良いものになっています。

これはメールマガジンなどにも書かなかったのですが、実はこれを作るのには本当に苦労しました。

全国あちこち飛びますからね。。。

まずは、原毛の仕入
一般に、メンズの洋服地の産地は愛知県一宮地方(尾州)ですので普通でしたらそこで入手できるのですが、、、上質なカシミヤ100%素材はそこでは入手できませんでした。

入手するために訪れたのは・・・大阪は泉州

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、泉州は深喜毛織さんやなくなった藤井毛織さんなど日本のカシミヤの一大生産地。
(でも、泉州は紡毛主体なので、梳毛織れない!)
そこで原毛を入手しました。

原毛は、カシミヤ山羊の毛を狩った状態ですからこれを今度は「糸」にしなければなりません。

これも本来でしたら尾州で出来ることなのですが、カシミヤ原毛は細く繊細なため、尾州では出来ず、なんと!鳥取県まで飛んでいきます!

聞けば最高級の原毛にするのは鳥取にある紡績屋さんに頼まないとダメだそうで、日本で一番といわれる紡績工場に依頼をして、糸にします。

それから、今度はようやく尾州に戻り、機織(はたおり)になりますが、これも高速織機で織ってしまうと風合いが飛んでしまいますから、低速のションヘル織機を、しかもションヘルでは日本で最高峰といわれる葛利毛織さんに依頼して織り上げました。

ふ〜っ、説明を書くだけでも大変ですが、それにしても全国を飛び回りました。
何もかも初挑戦です。

カシミヤ100%スーツ地は国内ではミユキ毛織さんが最高級のナポレナシリーズで製造していましたから、調べれば簡単に出来るだろう・・・と思っていたのですが、実はミユキさんは完全国内生産ではなく、一部を英国に委託するなどしており、ミユキさんのルートに乗せれば、、、と安易に考えていた当社にとっては、思惑が外れ大変でした。

こうして生まれたカシミヤ100%スーツ

私自身も1着仕立て中(もちろん仮縫つきのハンドメイド!)ですが、
是非、皆さんにも知って頂きたいと思います。

この商品は正直当社でも98,000円と高価ですから、おいそれと皆さんもお求めにはなれないと思います。

でも、お店でご覧になったり触ったりするのにはお金は掛かりません。
スーツが好きな方でしたら是非触ってみてください。

買ってくれ!とは申しません。
こんな機会はそうはありませんから、是非知って頂きたいのです。

この商品は原毛の産地(内モンゴル)を除けば全て国内で最高水準の技術者達によって作られました

その“なれそめ”を考えるだけでもスーツ好きには堪らないと思いますよ。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 15:37| Comment(0) | 仕事(仕入) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

暫くご無沙汰してしまいました。


9月は皆さんどうしてましたか?
私の方は、秋田山形の新工場絡みの仕事が忙しく、ビッグヴィジョンの社長業もヨシムラの社長業も上の空で、工場案件に掛かりっきりでした。

とはいえ、BVもヨシムラもそこそこ繁忙期に入ってきて、色々企画などがあり、その判断もあるのですが、如何せん、工場が中心の毎日です。

で、工場の方はどうなってきたか?と言いますと、
山形の工場は40名体制、秋田工場は60名体制なのですが、お陰さまで2工場合わせて日産50着前後のスーツ上下縫製が出来るようになりました。

これもひとえに、まずは工場スタッフの頑張り青森工場スタッフの協力の賜物だと思っています。

ですが、この日産50着。

会社全体で見ると実はまだまだこれからで、この生産量でしたら会社は完全に赤字の生産量です。

これが2倍の日産100着になってようやくトントンといったところですね。

読者の皆さんはピンと来ないと思いますが、縫製工場の収益構造は、売上(縫製工賃収入)−製造原価(殆どが人件費)=利益になります。
※:もちろん減価償却などもありますが、償却が進んでいる工場が多いため、敢えて無視します。


つまりは売上を伸ばすか、人件費を削るかしかない
のです。

私は、人件費は減らしたくないので、であればやることは1つ。
生産性を上げて売上を増やすしかありません

もちろん売上を増やすためには営業も必要ですが、今は、まだ100%稼動に至っていませんので、これを高めるのが先決ということです。

・・・ということで、今しばらくは、赤字経営になるのでしょうけれど、ここが踏ん張りどころと思い、工場スタッフと共に頑張っています。

機会があればHPでも秋田山形工場を紹介したいと思います。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 14:50| Comment(0) | ビッグビジョンのこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月01日

いざ、始動!

前夜、諸先輩方から激励を受け、深酒をした私でしたが、今朝は気合十分

早朝5:00起きで、今日から始まる秋田工場へ出向きました。

今日は何の日かというと、新生秋田工場が産声を挙げる日
社員にとっても、全社員が新入社員です。

そこで、柄にもなく、入社式をすることにいたしました。

実の所、入社式なんて、自分自身が前職の銀行に入社したとき以来のこと。
20ん年前のことですから忘却の彼方の出来事です。

秋田駅から工場までの電車の車中、何を話そうか色々考えました。

気の利いたことの1つや2つでも話さないとな・・・
色々、策を弄してもなかなか話すことが浮かびません。

時間もどんどん経過し、アッという間に始業時刻の8:10に。
(縫製工場は朝が早いのです!)

で、皆さんを前にしてお定まりの「入社おめでとうございます!」から始まって、いよいよ何か訓示しなければならない状況になりました。

ぎりぎりまで話す内容を悩んでいた私でしたが、2つのことだけ伝えました

1つは、『出来ない言い訳をする前に、出来る方法論を考えよう!』ということ。
どんな仕事でもそうですが、人間30歳位を過ぎればいっぱしに皆言い訳だけは出来るようJになります。
でも、言い訳を言っている人は前には進みません。
言い訳や文句を言わず、どうすれば問題が解決できるか、考えよう!という私の持論のお話をしました。

2つ目は、工賃の話をしました。
ビックリしたことですが意外なことに工場の人たちは自分達が仕立てた商品がいくらぐらいの工賃を貰っているか、知らない人が多いのです。
秋田の工場はパンツを縫う工場なのですが、例えば縫製工賃が4,000円で、1人が一日に2本縫えば売上は8,000円
これじゃ、会社は潰れます。
一人最低3本は縫わないと・・・

このことが分からないと、会社には危機感が共有できませんし、何より働いている人が自分のお給料の源泉がどうなっているか意識しなくなります。

ですから、皆で、自分の給料を稼ぐ意識を持ちましょう!という話をしました。

この工場(この場所)において、私はミシンを使うことが出来ませんから、ただのでくの坊です。
だから、私は工場の営業で頑張りたいと思います。

秋田の皆さん、そして山形の皆さん、これからどうぞよろしくお願いします。

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posted by オーダースーツのヨシムラ at 08:50| Comment(0) | 仕事(縫製工場) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする