2022年03月16日
とある若者のご注文
今日は珍しく店頭に立ちました。
...と言っても実は友人の子息が高校を卒業するにあたってスーツを作りたいという依頼を受けたので友人と会うこともあり接客に一緒に立ち会いました。
読者の皆さんも経験があると思いますが、高校を卒業すると卒業式の後に謝恩会があったり、あるいはその後に大学入学式など意外と高校生でもスーツを着る機会があります。
そしてこれは概してその子にとって生まれて初めてとなるスーツです。
さて
どんなスーツが良いでしょうか?
一般的には、謝恩会は本当はちょっとお洒落に若干派手目にしたいけど、その後、入学式で着ることやその後の大学生活での着用を考えて、、、
⇒ 無難に紺無地 か!となるのが一般的ですが、
友人の息子さんは違ってました!
実はその子が留学中でアメリカのハイスクールを卒業するということが一番大きい違いなのですが、海外(アメリカ)では、もちろん卒業式はありますが、重要なのは卒業前に行われるプロム(ダンスパーティー)なんです!
ご注文前に、どんな雰囲気ですか?と聞いたところ、スマホから友人知人のスーツ写真を見せてもらいました。
それこそ多彩!
明るい水色のようなスーツもあれば、タキシードもあり、
あるタキシードは、いわゆるファンシータキシードでチャック柄のタキシード
皆さん今日の日のために気合いを入れて用意したというのが写真から溢れ出しています。
そんな彼(息子さん)だから、こちらも負けないものを提案しました!
なんと!ゼニアのラメ入りストライプ柄
正直、メンズでラメが入っていると聞くと皆さん腰が引けてしまうのですが、これはとてもお洒落!
これをタキシード仕立てでオーダーしてみては?と提案し、すんなりOK
お財布を持つお父さん(私の友人)の方は、「そんな一回ぽっきりの物に大枚はたいても・・・」と愚痴っていましたが、私が思うにファッションってそういうものでないでしょうか?
ここぞ!という時に切る人を力強く見せたり、魅力的に見せたり、、、これがコモディティ(日用品)と違う点です。
最近、コロナで人に会う機会が減り、着る物なら何でもいいやっていう方が増えてきましたが、そういう方には彼のプロムに賭ける想いを聞かせてあげたいですね。
若い子に教えてもらいました。
コロナによる工場一時休業
新型コロナも3年目に入り、首都圏ではなんというか、マンネリ感が出てきてますが皆さんの周りはどうでしょうか?
思えば2年前、最初は中国武漢の問題だったのが、年が明けてから少しずつ世界に広がり、日本では2月?3月に横浜のダイヤモンドプリンセス号でクラスターが発生して、それからが大変でしたね。
そんなコロナですがワクチン接種も2回3回とされるかたも増えたこともあり最近はあまり怖がらなくなったように感じます。
上記コメント↑、こんな考えをしているのは多分都会の人が多いのだと思いますが、地方ではまだまだ大変怖がっている人が多いのが実情です。
さて
前置きが長くなりましたが、この空気感染する新型コロナは縫製工場でクラスターが発生してしまうと、大変なことになってしまいます。
工場を知らない方でもある程度は想像できるかと思いますが、どこの縫製工場もゆったり広々なんて作りはしていません。
1つの工程が終わり次の工程で作業をする時には、僅かながらでも物が動きますが、その距離をどれだけ短くするかで効率が変わってきますから、仕事場は大変密な状態です。
都会の事務所は在宅ワークなどで出勤者を減らし、デスクを間引いて仕事することは可能かもしれませんが、縫製工場ではそんなことは出来ません。
(せいぜい昼の食堂を2交代制にして間引くぐらいです。)
そんなですから、日本でも海外でも縫製工場はどこでもコロナのクラスターを発生させるリスクを持っているのです。
で、今の状況はどうかというと、
実は、先月青森の某縫製工場ではプレスの工程でクラスターが発生しました。
そうなると、どう影響するかというと、プレスしないで納品は出来ませんから、プレスの担当者が復職するまで1〜2週間、工場はストップです。
もう、なす術がありません。
で、今日、今度はビッグヴィジョンが廉価商品の際に縫製依頼をしている中国の縫製工場でクラスターが発生し、工場全体が突如、休業状態になってしまいました。
(こういう点では中国は恐ろしい!決めたらみんな右向け右です!)
現地とは連絡もなかなか取れず、納期も分かりません。(多分2週間ぐらいかと思います。)
いずれにしても工場でコロナが出ると縫製工場自身も販売店も大変です。
そこの工場は某有名なオーダースーツチェーン店の仕事もしていますから、多分、納期遅延の連絡を受ける人も多いのではないでしょうか。。。
他人はともかく、ではビッグヴィジョンの方はどうかというと、、、
あいにく、このタイミングは決算セールでご注文が多い時期×××
多分500〜600着ぐらいは影響が出そうなのですが、ビッグヴィジョンの場合は、青森にグループ縫製工場がありますので、そちらで縫うことにしてもらい、何とか影響を最小限に食い留められそうです。
(一部、既に縫製途中に入っている物については途中から切り替えられないため納期が遅れる物も出てくるとは思いますが、、、)
それにしても、半年1年苦しむのは我慢できますが、2年3年となると本当に辛いですよね。
2022年03月15日
3/15って何の日でしょうか?
『3/15は何の日?』これを聞かれて想像つく日本人はまずいません。
逆に、欧米の人は「ひょっとして●●のこと?」というかも知れません。
それは何かというとジュリアスシーザー(カエサル)が暗殺された日が今日3/15何です。
カエサルというと紀元前後のイエスキリストと同じ時代の人
ローマ帝国の礎を作った人と言っても過言でない、偉人中の偉人です。
私は、以前から塩野七海の「ローマ人の物語」を何度も読んでいるので大変興味があるのですが、欧米の人にとってはカエサル暗殺の日は、226事件より有名でしょう。
それはさておき、3/15にカエサルを思い返し、今思うこと。
それはウクライナ問題です。
私のローマ帝国への理解は、専門家から見れば稚拙ですから批判されるかもしれませんが、このウクライナ問題や欧米の対応を見ていると、どうしてもローマ帝国が見え隠れしてなりません。
つまり、紀元前500年頃、ただの都市国家であったローマが、今のイタリア半島を制し、その後数100年かけて地中海沿岸、フランス、ドイツ、イギリスまで拡大していく中で、ローマは制圧した地域や国家を実は奴隷のようには扱わず、制圧した相手国の有力者の子弟を人質としてではなく、今でいう留学のような形で大切に預かり教育し、精神面からローマ化していったのです。
その過程でカエサルはカエサルという家の名を征服した野蛮人の酋長にどんどん与えて、ファンを作っていったのです。
だから今の欧米の人には、シーザーに由来を持つ名前の人がいらっしゃるんですよね。
で、そこでウクライナ問題ですが、丁度この辺がローマ帝国の辺境の地なんですよね。
だから、ある意味、ローマ帝国と辺境の異民族との境界線なんじゃないかなと。
そこに現代的な資本主義、共産主義や経済的な勃興があって、境界の民ウクライナ人は、より豊かなローマ帝国へすり寄っていき、逆に異民族ロシアはそれを領土の侵害だと考える、、、
そんな風にも見えます。
日本は島国ですから、異民族が大挙して押し寄せてくる(殺しに来る)というのは歴史的にありませんでした。(せいぜい元寇ぐらいですか?)だから分からないのだと思います。
歴史を読むと分かる世界観もあります。
願わくば、早く紛争が終結することを。
2022年03月11日
震災から11年
日本人にとって3/11は忘れられない日ですよね。
そう、東日本の震災です。
あれから11年も経つんですね。。。
読者の皆さんは‟あの時”何をしていましたか?
私は、新幹線の中でした。
大阪でマンションを1棟買う売買契約をした帰りの新幹線でした。
ちょうど名古屋を過ぎて岡崎の辺りで新幹線が停車、
それから半日新幹線は動かず、携帯のワンセグで刻一刻と変わる被災地の状況を見ていました。
『とんでもない日に高額な買い物をしたものだ』と後悔しながら・・・
あれから11年、世の中は大きく変わりました。
人の人生にとっても、会社の人生?にとっても10年はあっと言う間ですが、変化するには十分な年月です。
ビッグヴィジョンの社長としてのブログをご覧になっている方は、初耳かもしれませんが、実は、この東日本の震災をきっかけに私はビッグヴィジョンの社長になりました。
簡単にいうと、私がそれまで(今もですが)経営していた会社(吉村株式会社)が東日本の震災による消費不振で経営的に苦しくなったビッグヴィジョンを買収したのです。
当時企業規模としては吉村がグループで年商5億程度。
かたやビッグヴィジョンはグループで30億近くありました。
ですから売上で5〜6倍もある会社を買収したのです。
えっ?どうしてそんなことが出来るの?と思う人も多いと思いますが、金融にお詳しい方ならお分かりかと思いますが、吉村の財務体質が非常に良いので問題なく買収出来ました。(無借金でしたから)
それで私の人生は大きく変わりました。
それまで社長とは言っても、所詮は先代から引き継いだ会社です。
財務体質が良く、簡単には潰れない会社でしたが、いかんせん知名度が低く、大企業に勤めていた友人知人と会う時はどこか劣等感を持っていたものでした。
年齢も40代になったばかりでした。
あれからもう11年か、、、
色々苦労しましたが、そんな話は楽しくないので止めておいて。
でも、この11年で1つだけ言えることは、大変大きなチャンスを頂いたなということでした。
しがない年商5億程度の社長が一気にグループ全体で年商40億規模ですからね。
私は恵まれているとつくづく思います。
震災で不幸な人が沢山生まれた中、私は逆に凄く大きなチャンスを貰ったのだと思います。
でも人の不幸の上に、自分にチャンスが来たのですから謙虚にしなければなりません。
いつも震災の日が来るとこのことを考えます。
助成金申請資料作成中
実は、ここ1カ月連日、一人パソコンを前にごそごそ仕事しています。
しかも日中ではなく、人のいない休日や早朝・夜間です。
何をしているかと言えば、助成金申請の資料作り。
詳しいことは申せませんが簡単にいうと工場で設備投資をするにあたり、金額が非常に大きいので少しでも助成金を得られればと藁をもすがる気持ちで申請をすることにしています。
こういった助成金や補助金の申請というと中小企業診断士とかが間に入って成功報酬で申請書作りをしてくれるそうなんですが、そんなツテもない私は休日、早朝、夜間など人から声を掛けられないタイミングで一人孤独に申請書づくりをしております。
私、自慢ではないですが文章作りは得意です!
親が法律家でしたから結構文章には厳しく育てられましたし、
学校もレポート等が非常に多い環境でしたから人並み以上にはやったと思ってました。
ですが、、、社長業はダメですね。
部下の稟議書にはケチをつける癖に、自分では物を書かない(否、全く書かない訳ではありませんが)
で、書いた原稿を慣れた人に見て貰うと、ダメ出しの嵐・・・
ううむむむっっ...
昔はレポートについては自信があったんだけどな・・・
SHOPMASTERとして長く、HP用の原稿も書いていたのに・・・
どんなアスリートも練習をしなくなるとダメですね。
悔しくて悔しくて、、、
何としてでも助成金が降りるような魅力的なストーリーを作るぞ!
(ストーリーだけでもダメですが)
ということで、しばらく苦しむことになりそうです。
2022年03月02日
名古屋八事店ちょっと殺風景かな?
先日グランドオープンした名古屋八事店。
開店前の引き渡しを受けに開店直前の2/25に行ってきました!
本当は店舗開発担当の別の役員が最終チェックに行く予定だったのですが、私自身が名古屋で所用があったため代わりに、確認をしてきました。
当日は、グランドオープンの前日ということもありお店は商品搬入でおおわらわ。
朝10:00に行きましたが、商品陳列がまだまだ半ばといった感じで、工事の引き渡し・確認には商品がなくやり易かったですが、お店としては商品不足で開店が危ぶまれる状況でした。
で、引き渡しの確認はどうだったかというと、ほぼ問題なく仕上がっておりました。
ただ、指摘したことが数点。
@レジ周りのコンセント不足
どこでも当たり前ですがレジ周りには色々電源が入ります。
ですが、コンセントの数がちょっと足りません。
昔は、レジ、カードリーダー、電話用等で4つ位で済んでいたのかもしれませんが、最近はPC、プリンター、携帯の充電用etc、昔よりずっと電源が必要です。
そこでこの辺の増設を依頼しました。
A天井の配線が雑
名古屋八事店は天井の高さを生かしたいということで敢えて天井を貼らず、上はコンクリートむき出しにしています。
そうなると、照明や空調の配線やドレン管などがどうしてもむき出しになりますが、それがどうにも見苦しい。
ということで、なくすことはできませんが、もう少し目立たないようにして欲しいと依頼しました。
まぁ、他にも何点かありましたが、全て公開すると、八事店へ行かれる方がそこばかり見てしまうので止めておきます。(笑
ところで工事とは違った所でちょっと気になったことが・・・
ンンン?何か足りない、寂しい、、、
それは商品陳列が少ない状態だったが一番の原因だと思いますが、どうにもお店が殺風景だったんです。
特に床は、タイルカーペットを木目色とコンクリート打ちっぱなし色(ようは灰色)にしているのですが、これが寂しさの原因だったようです。
そこで、カーペットを2枚追加することにしました。
そこで早速、NET通販で購入することに。
購入したカーペットは色は1枚が濃紺で、もう1枚はブラウン
大きさも200×250位はあるかと思うので、まぁまぁ大きいです。


さて、どんな風になったか?
グランドオープンセール最終日3/6までに間に合うかな?
実物の雰囲気は後日、名古屋八事店のブログをご覧ください。
2022年03月01日
麻布テーラーも迷走してるなぁ
今日のNEWSで麻布テーラーが紳士服の青山(青山商事)に買収されたという話題が載っておりました。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6419607
ご存じの方は多くないと思いますが、実は、麻布テーラーというのはこれまでも色々と紆余曲折のあった会社です。
直近(昨年)では一部上場の三井松島ホールディングズ(昔の三井炭鉱)傘下の花菱縫製と合併話がありましたが、この話が流れたと思った矢先のこのNEWSですが、それ以前も元々麻布テーラーは今から遡ること20年ほど前にメルボ紳士服という縫製工場が民事再生した後に、伊藤忠の支援の下、麻布テーラーとして復活したという逸話があります。
その後、オーダースーツブームと共に躍進し、一時は年商100億ぐらいあるのでは?
と目されていましたが、最近は正直鳴かず飛ばずで知名度の割には今一つだったのではないかと思います。
(それでも当社の数倍知名度がありますから悪口のつもりではありません。)
ただ、私から見て近年の麻布さんには違和感を感じることがありました。
それは、いつぐらいからでしょうか?多分10年位前だったと思いますが、
視察で麻布さんを訪れた際に、『あれっ?なんか既製品が多くなってない?』と思ってしまったんです。
お店の屋号がテーラーなのに何故、既製品?
その時思ったことは、麻布さんはテーラー(オーダースーツ)からセレクトショップにかじ取りを変えたんだな・・・と思いました。
正直なところオーダースーツは“オーダー”故にお直しやクレームなどのリスクが既製服と比べると高いです。
ですから、こういった後ろ向き対応に時間をとられるぐらいなら、既製品を売って確実に利益を積み上げたいのではないかな?と。
当時はPT01とかヤコブコーエンとか景気が良かったこともあり、高額インポート既製服がよく売れてましたからね。
だから、旧来のオーダー好きの方が離れてしまったのかと。
とはいえ、今後は天下の青山商事さん
青山さんは安売りのイメージを払しょくしたいでしょうし、意外と良いシナジーが生まれるかも知れません。
麻布さんも迷走が止まり、これを機に前に進めれば良いですね。
どうなるか楽しみです。