2022年04月20日

物流の遅れ



新型コロナがはやり始めた頃から、サプライチェーンの崩壊という言葉をよく聞きます。

サプライチェーン崩壊
つまりは、物流網が崩壊してしまうこと、と同義かと思いますが、新型コロナでは最初に中国武漢で発生し、それが中国全土に広がり、世界の工場である中国の生産にストップがかかったため、モノが入らなくなりました。

当社も丁度、一昨年の3月(コロナの初期頃)に本社ビルが竣工しましたが、引き渡しの直前に、なんと!!!、便器が手に入らず、建築確認が出来ない状況になってしまいました。(現実には、急遽ヤマダ電機で購入して間に合わせましたが)

その後、コロナで飛行機が飛ばなくなりまた物流がおかしくなり、
昨年は、中国含めアジアでロックダウンが相次ぎ、生産が出来ない!出荷が出来ない!ということが何度も繰り返され、

今では、ウクライナ危機で小麦や蕎麦、石油諸々が手に入らないかインフレになり、、、と物流関係は散々な状況です。

実のところ、私共アパレルの世界では、小麦や蕎麦などの影響を受ける食品業界や、石油を直接使う運輸・自動車業界と比べれば影響はすくないものの、やはり
サプライチェーン崩壊の影響は少なからず出ています。

ポリエステル繊維など原料の影響はまだ少ないですが、一番は物流網の遅れからくるリスクヘッジの動きでしょうか。
そこに急激に進んだ円安の影響もプラスされています。
ひょっとすると、コロナで2年間在庫を減らした反動かも知れません。

実のところ、国内工場が大変なことになっているんです。

それは(オーダー業界ではなく)既製服業界ですが、本来5〜6月は春夏物を納めてから秋冬物がスタートするまでの閑散期なのですが、今、大変な繁忙になっています。

これは上述のように海外生産からの揺り戻しや国内在庫が枯渇して慌てて生産指示をだしたためなのでしょうが、今やわっしょい!わっしょい!”のお祭り騒ぎです。

オーダー業界はそこまで行ってませんけどね、、、
それでも今年は2019年並みに忙しくなっています。

とまぁ、こんな感じが今の実情です。

話が少しずれました。ちょっとご参考まで。

私の友人からもらった画像ですが、これは中国沿岸海域のコンテナ船の所在をプロットした地図です。

20220420.jpg

何が言いたいか、というと。
今、上海がロックダウンし、ちょっと前までは大連もロックダウンと、中国がゼロコロナ政策で都市をロックダウンさせた結果、物流の基本となるコンテナ船がこんなに沿岸海域で待機しているという、分かり易い図です。

この画像はコンテナ船ですが、本来これらのコンテナ船は適宜、港に入港し、荷下ろしをした後、帰りの荷物を受け取り、海外に出るはずですが、荷物をおろせないということは、次の荷物を積めなくなり、それもまた国内に待機しているということです。

この写真を見ると如何にサプライチェーンが崩壊しているかが良く分かります。
(私が言っては怒られますが、そりゃ納期も長くなりますわ。。。)

ご参考まで
posted by オーダースーツのヨシムラ at 08:12| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月12日

一日2,400円ってなんだよ



連日ウクライナ問題が報道され皆さんも心を痛めていることと思います。

個人的には、アマゾンプライムでウクライナの「ひまわり」という映画を観て、なんとも切ない気持ちでここ数日を過ごしておりました。
:現実にはウクライナ映画というのではなく「ウクライナで撮影」が正しいです。

その映画は1970年に公開された非常に古い映画ですが、第二次大戦で焦土となったウクライナを含む東欧地域を背景としていたため、あれから50年経って、また同じ焦土のなっている同国へは同情を禁じえませんでした。

20220412.jpg

さて
そんな映画に触発された私が今週目にしたとんでもないNEWSが、日本政府が(住居の手配等は別に)ウクライナからの難民の人に一日2,400円を支給するというNEWS。

私は恥ずかしくなりました。

わずか一日2,400円です。
彼らは仕事もなく、今、途方に暮れているはずです。

そんな人に一日2,400って何ですか?

一方では、選挙前に年金生活者へ一律5,000円支給するなんて案がつい先日まで出ていた訳で、対象は何人だと思ってるんですか?

今回政府専用機で来日した人は、わずかに20人。

それ以外の人もいるでしょうけど、日本の難民政策では1,000人にはとても満たないでしょう。

それなのに一人一日2,400円

難民の方はいずれ本国に帰るかもしれません。
でも、ひょっとしたら日本を気に入り、日本に居ついてくれる人もいてくれれば有難いではないですか?
そういう可能性のある人に、一人一日2,400円ですからね。

乞食をやれ!とでも言いたいのでしょうか?

酷い話です。

機会があれば私個人でも支援したいと思います。
ただし、私はユニセフとか本当に寄付が行き渡るか分からない(と言われる)団体へは寄付しないことにしています。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 14:07| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月06日

学生服屋さんの納期遅れ



今日NETのニュースを読んでいると東京武蔵野市の学生服販売店のムサシノ学生服が受注を受けた今春入学の生徒さんたちの学生服の納品が間に合わなかったという謝罪記者会見について書かれていました。

出典:
https://news.yahoo.co.jp/articles/e8329488e663b9ceb39273084cd6cef7c7739d4c

読者の皆さんはどうお感じになられたでしょうか?

聞けば何でも、入学式に間に合わなかったのが100着(100人)分だったそうで、私もこの学生さんには同情を禁じえませんし、自分が親御さんの立場だったら、怒りとまではいかないまでも、不快感はあると思います。

ただ、
このことを縫製業界全体で見てみたらどうでしょうか?と私は敢えて皆さんに投げかけたいと思います。
というのは幾つかのメディアでも説明していましたが、この納期遅れには幾つか原因がありました。


@そもそも学生服は入学が決まってからしか発注できないので納期がタイト
Aしかも、最近は各学校がオリジナル制服になっているので代替が利かない。
B私学の無償化で入学の判断が遅れている。
C男女の入学制限がないため、男子・女子すら予測がつかない。


などなど。

でも業界的にはまだほかにも理由があります。

それは、今年に入って2月ぐらいから顕著に表れていることですが、国内縫製工場の稼働率が非常に高まっていること。

これには理由が2つあって

@海外の不安定要素(コロナロックダウン、物流不安)によりリスクヘッジから国内工場へのシフトが起き始めている。
A国内工場はコロナで人員削減をしており、人員が戻っていない(=生産数量が以前ほど高くない)


この2つが挙げられます。

でも、個人的にはそれだけではないと考えています。

それは、どちらかというと心情的な問題ですが、これまで製造(工場)と販売(販売店)の関係でいうと、圧倒的に販売店が強かったのですが、ここに来て製造側が販売側より強くなってきていること。

これは、これまでは販売側が強かったため、販売側から『何とかいついつまでに間に合わせてよ!』とお願いされれば製造側は(後々嫌がらせをされるのが怖いので、あるいは田舎者で人が良いため)無理して頑張ってきたのですが、ここに来て積年の製造側のエゴに気付き、NOを言い始めたのだと思います。

これが大きいのではないでしょうか?

地方と都会の両方で仕事をしている私にとって、【製造-販売】の構図はニヤリーイコールで【地方-都会】の構図になると思いますが、歴史から見て思い当たる節があります。

それは第二次大戦中の出来事。

(話は飛びますが)TVの「なんでも鑑定団」で地方の名士の家からお宝がいくつも出品されているのを目にしたことがあるでしょう。

私はそれを見るたびに、これって戦争の時に都会の金持ちが食料欲しさに家宝を田舎のお百姓さんに二束三文で売った物なんだろうな?と、思います。

このことを教訓にすれば、急に困ったからと言っても、人は善人にはなれないものです。
だからこれから縫製工賃は上昇するのではないでしょうか?

日本のアパレル製品の輸入浸透率(国内販売量に対して輸入品の占める率)はなんと!!!3%にも満たない状態です。(←スーツに限らずアパレル製品全般です)
逆を言えば海外に97%依存してますから、これがほんの数%国内の戻ってきただけで国内工場はパンクしてしまいます。

出来ないものは出来ません。
しかもこれまで海外工賃と比較され安くさせられていた訳ですから、もう簡単には言うことを聞かないのです。

学生服は日常品、消耗品ですから高くは販売できないと思いますので同じなのではないでしょうか?

納期に間に合わなかった学生さんには同情いたします。
が、販売店の社長さんも必死に努力した結果なのだと思います。
どうにもならなかった問題なのではないでしょうか。

上場企業でもないのに記者会見をされたムサシノ学生服の社長さんには敬意を表します。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 13:00| Comment(0) | 仕事(縫製工場) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月02日

満開


あまり個人情報を書いてはいけないのですがちょっとだけ。

私の自宅の周りにはとても綺麗な桜並木があり、この日はお休みということもあり近所を散歩。
歩きながらのお花見をしてきました。

20220401.JPG

1年間でほんの1週間だけの光景で、これが終わると毛虫の季節に入ります×××。

そういえば、昔はこの時期お花見をしていましたね。

でもお花見も時代の流れに翻弄されつつ今やなかなか出来なくなりました。

私がヨシムラに入社した25年前には、当時はまだ上野公園でお花見をやっていたっけな。

それが、20年位前から花粉症が定着※してくると、花粉症の人にとってお花見はそれこそ地獄なので、ブルーシートを敷いてのお花見はなくなり。。。
※:ヨシムラは本業が生地屋ですが、生地屋はホコリが多い仕事のためか、社員の花粉症比率が圧倒的に高いのです!

次に人気が出たのが、北の丸公園から靖国神社への歩き花見

歩き花見の良いところは、コンビニでビール1缶買い、歩きながら千鳥ヶ淵の夜桜を見た後、靖国神社の屋台で飲み食いするという、正しく花より団子だったことかな。

しかし、それもコロナで吹き飛んでしまいましたね。

全国には色んな桜の名所がありますが、青森の弘前城の桜祭りも、秋田角館の桜祭りもみんなコロナでなくなりました。

今年はどうなるんでしょうかね。

早く正常な世界に戻ってもらいたいものです。

posted by オーダースーツのヨシムラ at 09:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする