2022年06月29日

夏ならではの仕事

ビッグヴィジョンやヨシムラの店舗では、この時期は春夏物のセールでご来店のお客様が多く忙しい時期ですが、経営の方を行っている私の方はどちらかというとこの時期は時間に余裕があります。

というのも販売計画とかは既に春夏物は終了しているし、仕入れた生地の入荷もこの時期は現場作業なので、次にやるべき仕事は秋冬の販売戦略を練ることぐらい。

では、長いバカンスに行ける!と思いきや、実は私にはこの時期ならではの仕事があります。

1つは賞与の査定
⇒こちらは、今まさに素案を作っている段階ですので何とも言えません。
(意外と本ブログは社員も読んでいるのでうかつなことは書けません。)

もう1つ、この時期ならではの仕事は、社内資料の整備
⇒これは言うなれば社内マニュアルなのですが、今は特に工場のお取引の要領を作成しています。
縫製工場というのは、販売店さんの仕様に合わせて調整しなければならないことが多いのですが、だからといって全てを個別に作っていては工場側も効率が著しく低下します。
ですから、一定の基準としてのマニュアル(お取引要領)が必要なのです。
ということで、マニュアル作り。

表紙はこんなのを作りました。

20220629.jpg

最後にもう1つ今年ならではの仕事は、、、実は某ファッション系の団体様から7月に弊社工場の見学をしたいとのお申し出を頂いておりまして、工場案内の説明資料作りをしております。

縫製工場なんて見学してもそれほど際立ったものもなく、これまではあまり工場見学などご要望がなかったのですが、当社は3年前から実施している【7DAYSオーダー】がご好評ということもあり、どうやって運営しているか?にご興味があるようなのです。

で、どうして7Daysオーダーをやることになったのか?
そのポイントなどを教えて欲しいとのことでした。

本当は自社のノウハウなのであまりお見せしたくはないのですが、

これは私の持論なのですが、<7DAYSオーダーは海外縫製では納期面で真似ができない、いわば国産商品の‟証”になるものですし、
納期が長いが故に販売のチャンスを失っていたオーダースーツが既製服に対抗できる‟鍵”だと考えていますから、

縫製業界やオーダースーツ業界の価値を高めるためには業界を挙げて取り組むべき問題と考えています。

ですから積極的に参加者にはお話ししたいと思い、熱が入っているのです。

ということで、この夏もバカンスとはご縁がないようです。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 08:52| Comment(0) | 仕事のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月15日

ユニクロの値上げ

先日、ユニクロが秋冬物から値上げを行う旨の報道がありました。

そして今日またその関連のニュースがあったので少しご紹介。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1e2385903bf8fb34330bc7cd06dc5bab8b6ccf8c

この中で指摘していたのが、今回の値上げはユニクロに限らずですが、ウクライナ情勢に起因する原油高、国際的物流の混乱、円安によるものですが、ここにきて天下のユニクロが値上げに踏み切ったところが大きいという内容。

経済学的にはどの業界にも価格を左右する所謂プライスリーダーという存在がありますが、これはその業界の中で一番力がある企業のことを指しますが、アパレルではユニクロです。

そこが値上げに踏み切るということは、2位以下の同業他社はこれからこぞって値上げをしていよということを意味します。

まぁ、足許の為替動向を見ているだけでも今後は厳しくなるのは分かりますけどね。

さて、ユニクロと我々スーツ業界を比べてみるとどうでしょうか?
素材的にはスーツ業界はウール系が多く、ユニクロはポリエステルなど石油系素材や綿花が多いと思いますが、ウールの業界も今や青色吐息です。

○糸は手に入らない。
→糸はもはや国内では殆ど作れず中国からの輸入。それがロックダウンで入荷せず。
○石油由来の素材(ポリエステル生地・裏地、釦など)も価格上昇
○工賃は上昇
→中国縫製は円安で秋冬から円ベースで大きく上昇
(→国内縫製は、海外程ではないですが、最低賃金引き上げで若干上昇)

どちらにしても相当な困難が想像できます。

当社はというと3月に価格改定をさせて頂きましたので、秋冬で価格改定することは絶対にいたしません!
また、生地在庫も今年2月に向こう3〜5年分の生地を大量に仕入れましたのでシーズンに遅れることはないと思います。

厳しい中ですが、秋冬物の立ち上げ時期にはどこかで生活応援企画でもやってみたいと思います。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 10:03| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月14日

インフレ


今日はちょっとアカデミックなお話。

最近、円安の進行とともにインフレ傾向が顕著になって、野党がインフレ無策と与党批判をしていますが、皆さん今後、この傾向がどうなると思いますか?

インフレは良くない?だからインフレ対策をすべき!と野党、ワイドショー、安メディアは喧伝していますが、私は次の理由から今の段階ではまだまだ不要だと思います。

・そもそも30年も物価が変わっていない日本がおかしい。
>日銀は、黒田総裁になり、それまでのデフレ経済からの脱却としてインフレを2%目標としていた。⇒現状はその目標に達成しただけ。
そもそもそれまでのデフレ(物価下落)が経済をマイナスのスパイラルに陥れていたことから脱却しようとしていたのでは?
だから、個人的にはインフレが5%を超えてようやく少しずつ対策をすると考えています。

○現在のインフレは外的要因によるもの

○外的要因@ アメリカの金利上昇
>経済に詳しい方には釈迦に説法ですが、米国金利と国内インフレの関係について分かり易く説明しているメディアが少ないので説明しますが、

お金は世界中を利益のあるところを探してグルグル回ります。
その中で、ある運用先の利回りが上がれば当然そこにお金が集まります。(無論、信用度の問題はありますが)
先進国の中でアメリカや日本は信用度が高いですから、米国債券と日本国債は常に比較されている訳です。

そして米国は足許では景気が凄く良い(良かった)ため政府は景気の過熱を抑えるため金利を上げる政策に出ています。

結果、米国金利が上がます。

で、先ほどの日米国債の金利差を見ると、日本はゼロ金利のままですから相対的に運用先としての魅力がなくなります。

日本への運用魅力がなくなり、米国の魅力が上がるということは魅力のある通貨を買い、魅力のない通貨を売ることになりますから、円が安くなるのです。

だから日本金利が上がるか米国金利が下がるかしないと円安は止まらないのです。

ちなみに・・・
日本の金利が上がるかってことですが、これもなかなか厳しいと思います。
確かにマイナス金利やゼロ金利はなくなるかもしれませんが、だからといって3,4%と上がっていくことはないでしょう。
だって、そんなことしたら企業が借入金利負担に耐えられなくなるし、設備投資のハードルが上がりただでさえも国内投資が低調なのに、それがもっと減れば景気が悪化するのが目に見えているから。

○外的要因A ウクライナの要因
>こっちはすぐお分かりの通り、ウクライナ要因で原油が上がり、それどころでなく穀物、飼料諸々が上がっていること。
こればかりはプーチンさんのせいで、このことで政府を批判しても仕方がありませんし、これらの物価が落ち着くのは戦争が落ち着くまでは無理だと思います。

ということで、個人的には暫く世界的なインフレ及び、円安を伴った日本国内の世界平均以上のインフレは避けられない問題だと思っています。

さて、そんな状況ですがアパレル業界はどうかというと、実のところ2022年秋冬物は値上げラッシュになることがほぼ確定しているような感じです。

先日ユニクロも1999円の商品を2999円に一気に値上げしました。
致し方ないことと思います。

まぁ、メディアはインフレは悪い悪いと書きたてますが、高度成長期やバブルの頃の日本はインフレの中で経済を向上させていますから決して悪いことばかりではありません。

どうすれば良いか?
それは物価以上に所得を増やすことです。
ここ5-6年、日本では最低賃金の引き上げが凄いスピードで行われていますから、これが【最低】賃金ではなく、【平均】賃金の上昇を伴うようになれば、問題なくクリアできるのではないでしょうか?

今、米国ではマクドナルドで食事しても$20かかると言われています。
$20=2,600円と考えれば非常に高く感じますが、自分の給料が2倍になったとすれば受け入れることが出来る。そういうことではないでしょうか?

それがなかなか出来ないんだよ!...はい、そのとおりです。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 08:33| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月02日

愛読書を面接で聞くのはNG?



今日もニュースから。

採用面接のNG質問「愛読書は?」急増、不適切な質問を調べている県教委「個人の自由だ」
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20211114-OYT1T50066/?from=yhd&ref=yahoo

採用の面接のときに聞いてはいけないNGワードがあることはご存じの方も多いと思います。

私も立場上、面接をすることがありますので気にはしています。
ですから、宗教とか政治とか思想に関することは聞かないようにしています。

ですが今日のニュースで流れた愛読書については必ず聞くようにしていた質問でした。

確かに読む本によって思想が出ることもあるでしょう。
それが政治家の本だったら政治色も出ると思います。

ですが、愛読書というのは幅の広いものです。

この質問でよもやオ●ム真●教の〇▽経典を読んでます。なんて答えは想像していません。

ただただ、普通に夏目漱石でも良いですし、坂の上の雲でも良いんです。

聞きたいことは、文字から知識を吸収することが出来るかどうか、
読書という傍から見るとツマラナイ行為、地味な行為を最後までやり遂げることが出来るかどうか?
そしてそこから何か学ぶことが出来たか?が知りたいのです。

これに加えてひょっとしたら自分が知らない知識を教えてもらえるかもしれないという儚い期待もありますが。

それにしてもこんなことまで国に規制されてしまったらこれから何を聞けば良いのでしょうか?

因みに他のNGワードの中で、NGから外してもらいたいのは【親の職業】を聞くこと。
このフレーズがNGワードなのは大変よく分かります。
が、【親の職業】が自営業と言われて、それが八百屋さんでも魚屋さんでもその人が身近にお客さん(他人)と接する環境にあった人だと分かったら、私は営業としては即採用ですね。

なぜなら、子供の頃から人と接する経験がある人は、一定の社交性があり営業として非常に有能だからです。

これは偏見ではなく、実体験に基づいてますし、理論的にも間違ってないと思うんですけどね。
(ただ、親の職業への質問は他の意味合い(差別偏見)が強いので、そちらの面から聞くべきでないと思います。)

差別や偏見はいけないことですが、あまりに周りから規制される過ぎるのも考えものだと思います。

『白河の 清きに魚も すみかねてもとのにごりの 田沼恋しき』
posted by オーダースーツのヨシムラ at 08:44| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月01日

人への投資とはなんだろう?


ブログでは極力政治的なことは書かないようにしている私ですが今日のNEWSで非常に疑問に思うことがありましたのでブログに書くことにしました。

それは、政府が経済残製運営の基本方針として骨太の方針と、岸田総理が掲げる新しい資本主義の中で、「人への投資」が経済に活力を与えるといった件がありました。

これは安倍政権から続く、賃金を上げよ!という企業側へのプレッシャーなんだと理解していますが、「人への投資=賃金アップ」 ※特に最低賃金アップというロジックが大きな間違いなんではないかな?と思うんです。

というのは、「人への投資」これは大変結構なことですが、これイコール賃金アップではなく、人への投資には色んなやり方があるのではないかと思うのです。

これは、地方の零細で、かつ労働集約的な縫製工場を想像してもらいたいのですが、この10年の最低賃金の大幅上昇は毎年経費が15〜20百万円増えていく、大変な経費増でした。

これは、たまたまオーダースーツ業界は(コロナ前は)オーダースーツブームで何とか工賃引き上げで対処でき、またコロナ中は雇用調整助成金でなんとか凌ぐことができましたが、本質的には相当危険な綱渡りでの経営でした。

個人的には、確かに最低賃金の上昇は従業員の所得向上に直結しますし、工賃を引き上げられるような環境を作ることこそが社長の役割だと思っていましたから、好意的に受け止め何とかしのいできましたが、

その結果、どうなったと思います?

最低賃金の大幅上昇の結果起きたことは、工場内での賃金格差が減り、
頑張っている人も普通の人も同じ給料になってしまったんです。
(急激な賃金上昇の結果として、経営側は影響を極力抑えるために、高い給料の人の昇給が出来なくなってしまったのです。)

つまり、ヤル気があって結果を出す人の給料を上げられなくなっているので全くの逆効果を生んでいます。

確かにこれは、お宅の会社の収益状況が悪いからだろう?
もっと、儲かる会社にするのが社長の役割だろ!と言われればその通りですので返す言葉がありません。

ただ、話を元に戻して、人への投資というのであれば、最低賃金を上げるということも1つの手段ですが、それだけでなく教育とか信賞必罰の評価体系とかなんじゃないでしょうか。

正直なところ、今の日本人の教育って酷いレベルだと思います。
読書をしている人は極端に減りましたし、LINEとかメールとかで単調な情報交換しかできず、論理的に物事を考えるトレーニングが出来ていません。
またそれを許す社会風潮があります。

こんなんじゃ日本国民全員が労働集約的な仕事しかできなくなります。
もっと創造的な、付加価値の高い仕事が出来る人材を教育し、そういう意欲のある人が正しく金銭的に優遇されることが必要なんじゃないかな?

最低賃金は上がったけれど、海外大手企業の子会社で時給20$で定年まで正社員勤務するのが国の目指す【人への投資】と言っているように聞こえるんですよね。

私はもっと苦しい環境下で仕事をして正しくお金を稼ぎたいです。
(追伸:私はあまりお金には頓着しないタイプです。)

posted by オーダースーツのヨシムラ at 16:07| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする