2023年08月28日

三田会という組織

今年の高校野球甲子園大会で慶應義塾高校が優勝し、その応援等について最近議論されていますので今日はちょっとその話題を。

ご存じの方も多いと思いますが私は中学から慶応に通っておりまして、その点では今話題の三田会にも色々と入り、時として主催側の一部として“仕事”をしております。

今回の慶応高校の甲子園優勝においては次のようなことが言われていますよね。

・声援が大きすぎて仙台育英に必要以上のプレッシャーを与えた
・応援のマナーが悪い

この程度なら良いのですが決勝戦から2週間近く経ち、最近は三田会は偉そうにしていてけしからんとか、マナー違反だ!フェアーでない!とかです。

これについては立場が変われば意見も変わりますから私はコメントをしませんが、
今日は、この三田会組織について少しお話しします。

慶応の三田会という組織については、昔から日本のフリーメイソンとか、言われ、その閉鎖性(慶応関係者でないとインナーサークルに入れない)が批判されていました。
そしてこのことは、ほぼ当たっています。
当たっていますし、私自身は仕事の上で三田会のおかげで本当に助かっています。

ここまで聞くとやっかんだり不快に思う人もいるかと思いますが、大切なのはこの先です。

・・・というはインナーサークルの三田会とは言っても、実はその内部は厳しく、一番分かり易いところでは一度三田会で信用を失った人は、三田会の中で生きていくことはできません。
つまり、これは古い価値観、田舎の集落的な考えで、不義理を働いたりすれば悪評が広がり、村八分になり、村には居られなくなるという構図です。

確かに、三田会に入っていると営業面では最初の初対面で生まれる緊張感のハードルは間違いなく下がります。

でも、だからといって三田会に入ったからといって無条件で取引をして貰える訳ではないのです。大きな取引になれば、三田会人脈でその人物の氏素性が調べられますから、不義理を働くような人は居られません。

ですからお互い日頃から信用に足るようなことをしているからこその、三田会なのです。

実のところ、私自身は自分のビジネスキャリアの大きな節目で何度も三田会の人達にお世話になっています。

大きなところでは、

●ビッグヴィジョンを買収した時・・・
 買収に悩んでいた時、某東証上場企業の役員でもあった三田会の先輩に買収をすべきか、相談に行きました。
 その際、目からうろこが落ちるような意見を頂き、買収を決断しました。
 (なんて言われたか?「吉村君、やりたい!って顔してるよ!」それだけです。)
●青森工場の移転
 青森工場の新築費用で悩んでいた時、三田会の友人と酒を飲んでるときにボヤいていたら「吉村の工場の近くに廃校跡地利用案件があるよ!」と教えてくれました。
 ●本社ビル建て替え
 建て替えでゼネコンをどこにするか検討していた時、これもまた三田会の友人と会食する際に悩みを打ち明けた時、非常に適切な意見をもらい、その結果、本社ビルはグッドデザイン賞を受けるようなビルとして建て替えられました!

こんなことがありました。
ですから私個人は力になってくれた人にも、三田会という組織にも大変な恩義を感じています。
だからこそ、自分が不義理を働くようなことは絶対にできないのです。
良い面もあれば、厳しい面もある、それが慶応の三田会です。

インナーサークル外の方がやっかむのはやむを得ないですが、厳しさも知られると良いと思います。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 14:29| Comment(0) | ビッグビジョンのこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月17日

夏休み前の出張

お盆休みの直前のこの日、青森出張に行ってきました!

この時期何を目的に・・・と言われてしまうと思わず(その後、観光旅行をしようと画策しているだけに)口ごもってしまいますが、仕事としては住居探しをしておりました。

住居探し?!吉村もとうとう青森に移住か?

そう思われるかも知れませんが、さにあらず。

実は、来年から青森工場で外国人実習生を受け入れることになりそうなので、実習生の住居探しをしておりました。

本業が仕立て屋である私が住居探しをしても、、、と思われるかも知れませんが、実はワタクシ、宅建保持者。
(前職の銀行員時代には、宅建を持っていないと人間扱いされなかったので仕方なく取得)

そんなこんなで不動産に事に一番詳しいのは私ということになり、物件を見てきました。

さて、ここで読者に質問です。

土地100坪、建坪50坪、5〜6LDK、築30年、駅から徒歩10分程度、リフォーム済み
で、いくら?

感覚的に2,500万ぐらい?(土地代は坪20万、建物二束三文?、リフォーム代500万?)

と思いきや、1,000〜1,300万円程度です。

10人の実習生をアパートに住まわせて家賃負担をすれば4万×10人=40万円かかりますが、5LDKの一戸建てを買い、1部屋に2名住まわせれば10人の生活は十分可能なので、これなら賃貸物件を買うより購入した方が良いかな?と。

将来的に、実習生がいなくなったとしても社員寮にしても良いし。

とまぁ、色々と細かい仕事をしております。

20230811.JPG

画像は、その後休みを頂き、青森の陸奥湾で釣りをしたのでその時の写真。
釣果は・・・水温高く全く釣れませんでした×××
posted by オーダースーツのヨシムラ at 15:01| Comment(0) | 仕事(縫製工場) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月11日

経営者の責任、社員の責任


なんか凄いタイトルですが、今日は例のビッグモーターの話。
ニュースそのものは皆さんも報道でご覧になられていると思いますが、顧客の車を意図的に壊すはわ、出入り業者を脅すわ、街路樹を除草剤で枯らすわ、と色んなニュースが溢れ、話題に事欠きません。

それはさておき、私が気になっていることが、従業員はどうしているか?ってこと。

私も経営者の端くれとして、企業が危機を迎えた時、会社は、経営者は、従業員は、それぞれどんな行動をするのか日頃から非常に興味があります。

私のブログを深くお読みいただくと分かると思いますが、大塚家具に色々あった時、自分自身で大塚家具に行き、直接見聞きしてきたことがあるぐらいです。

大塚家具の場合は、やはり例の社長さんが女帝のように振舞っていたため、社員の多くが辞めたと聞いています。
(↑私も実感しました。商談をしていた際に、例の社長が横を通りましたが、一言も挨拶なくガン無視されましたから。)

一方で今回のビッグモーターはどうでしょうか?

聞けば離職者は少ないとのこと。
罪悪感を感じていれば離職者はもっと多いと思うのですが。

ちょっと違和感を持ったので、もう少し深堀りしてみると、同社では営業成績が良い社員には何でも年収5,000万円近い報酬が出されていたそうで、きっとそこそこの営業成績なら同業他社より待遇がぐっと良いのかも知れません。

でも、まだなんか違和感を感じるんですよね。。。

これは会社を立て直したいという愛社精神からなんでしょうか?
なんというか、どちらかというと同じ穴のムジナでは?

ビッグモーターの件って実は被害者が見えるようで見えないんですよね。

事故の修理に関し意図的に傷を付けられ更なる負担を強いられた個人の人は、保険未加入者を除けば、翌年からの保険料が僅かに上がるだけですし、必要のない保険金を支払った保険会社も保険加入者に転嫁すれば良いだけですから意外とハッキリとした被害額が出てこないんですよね。

ハッキリとした被害者が出てこない、だから逃げられる、そんな風に考えてなければ良いのですが。

会社は確かに犯罪を犯したと思います。(これから裁かれるでしょう)
でも、従業員が全て誠実で責任がないかといえばそれもまた違うと思います。

ヤクザの世界は、組長だけが悪いのではありません。
組員もヤクザです。

人を差別するのは大嫌いです。
ですが、どうも今回の件は腑に落ちないのです。。。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 00:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月07日

今年の最低賃金

毎年10月頃にその年の県別最低賃金が決まります。

厚労省 地域別最低賃金

それの元となる国の審議会が今年の最低賃金について全国平均で41円引き上げて1,002円にすることを決めたそうです。

この最低賃金は東京、神奈川では既に1,072円、1,071円と1,000円の大台を超えていますが、縫製工場の多い東北地方や九州各県ではまだまだ800円台の県も残っています。
ご参考:青森・秋田・熊本・宮崎・鹿児島 853円、山形854円、新潟890円

この県別格差については色んな意見があろうかと思いますのでコメントは避けますがいずれにしても、平均で41円上がるとのことで、就労人員の多い縫製工場の経営者には大大大打撃になります。。。

その年間の人件費アップは当社においては・・・
時給換算で41円UPだと次のようになります。

41円×8時間×25日×12か月×1.3(社会保険他含む)×420人※=なんと54百万円!
※:青森工場250名、山形工場70名、新潟工場70名、秋田工場30名

利益が吹き飛ぶどころではすまない影響です。

これはどこの縫製工場に限ったことではありません。
また縫製工場以外でも、ビッグヴィジョンのような小売業者でも同じことが言えます。

そうするとどうなるか?

残念ながら企業が存続するためには値上げしかないです。
値上げしなければどこかで手を抜き、品質が下がります。

因みにどれぐらい製品価格に転嫁しなければならないかというと、、、

上記、41円の時給upで、1着当たりのコストは(生産を1人一日1着と仮定すると)41×8×1.3=426円≒500円/着のコストアップです。

ですから縫製工賃は最低でも500円/1着上がることになるでしょう。

また販売店においても同様に1着あたり500円人件費相当で上がるとすれば最低でも1,000円は小売価格が上がることになります。

でも、それだけではありません!
衣料品はウール製品も石油製品もどちらも日本は輸入に頼っていますからそれらのコストが為替が円安になることで仕入れ値が上がってます!
こちらのコストアップ分は別ですからね・・・
物によっては製品価格で依然と比べ1〜2万円上がるものも多くなるのではないでしょうか?

厳しい時代ですが、私は個人的にはどんなに物価が上がってもそれを上回って給料が増えれば働く人はHAPPYではないかと思ってますので、今回の最低賃金引き上げもやむなしなのかな。
経営者としてはもっと単価を上げる努力をしろ!ということかな。と出来るだけ好意的に考えるようにしています。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 15:26| Comment(0) | ビッグビジョンのこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする