2024年01月29日

季節感

アパレル業界は、今シーズンの業況について『この秋冬物は暖冬でダメだった』と口を揃えて渋い顔をしていると思いますが、読者の皆さんから見て季節感ってどのように分けていますか?

メンズだったら春夏物秋冬物の区分?
それともオールシーズン
ちょっと業界的には3シーズン物(合い物)?10マンススーツ
色んな表現がありますが、メンズの場合、業界的には春夏物と秋冬物で2分するのが一般的です。

ですがそれが最近少しずつ崩れてきているように思います。

特に昨冬は11月上旬まで夏日があり、その後急に寒くなったりと秋がなく、夏から一気に冬になった感じで、四季ではなく、二季ではないかとも言われています。
そうなるとアパレル業界としては大打撃です×××

それはさておき、この季節感ですが、昔はどんなだったか?ご存じの方いらっしゃるでしょうか?

春夏秋冬の四季。

確かにその通りですが、ファッション業界では春夏秋冬にプラスして、厳冬期向け(名称不詳)、と梅春物がプラスされて存在していました。

厳冬期向けというのは、メンズでいえばフラノ地やコート地などの肉厚素材が中心になる季節感。

そして梅春物というのは、年始〜2月初旬までの年始の華やかさを持つ春物(時期的に肉厚な素材が求められつつ、明るい色目の素材感)

この2つがありました。
ですから昔のファッション業界は四季ならぬ六季ですね。
ですから、季節感には華がありました。
それが今や二季ですから寂しい限りです。

読者の皆さんはこの季節感をどうご自身に取り入れていますか?

今の時期ならではの梅春物はスーツで表すと短い時期だけに高くつきますが、ネクタイやシャツ位はサーモンピンクとか薄グリーンなどを取り入れると季節感がアップしますよ。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 14:39| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月26日

TAKA−Qの行方


タカキューというと50代位より上の人から見ると、一世を風靡したファッション企業と思う方が多いと思います。

私の場合は、丁度中学生になった位ですから昭和50年代半ばぐらいでしょうか。
当時は子供だったのでファッションなんて分からず、親か兄に連れられてトラッドのお店に連れて行かれたものです。
(まぁ、自宅が仕立て屋ですからジャケットなどは自社製品でしたけどね)

その時のお店が、VANジャケット三峰、そしてタカキューでした。

私のイメージではブルックスブラザーズなどはその後の時代なのでタカキューというと本当にお世話になったブランドでした。

それが、、、
今日のニュースでタカキューが昨年の決算で債務超過にていて、資本提携していたイオンが資本関係を解消し、代わりに官民再生ファンドが出資するという内容で報道されていました。

既製服業界ですから日頃からタカキューをウォッチしていた訳でなかった私は、あのタカキューが債務超過して、イオン傘下だったということも知らなかったですし、更にはイオンに見限られ(事実上破綻に近づき※)、事業を再生するに到ったことも驚きでした。
※:事実上破綻:間違ってはいないと思うのですが言葉の重さの責任は持てませんので、事実関係は読者の皆さんのご判断で、理解ください。

VAN、三峰も既になく、さらにはタカキューまでか・・・

栄枯盛衰。
ブランドというのは余程の努力をしない限り陳腐化していってしまうものなのですね。

明日は我が身。
自社の価値を高める努力を続けなくては・・・

追伸:今回の官民ファンドの出資ですが、個人的にはどうして“官”民ファンド』なのか?理解できません。
何故、一私企業を国が間接的に助ける?官製ファンドが資本注入するのは半導体とか最先端業界だけだと思っていただけにオドロキました。

posted by オーダースーツのヨシムラ at 12:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月24日

性上納システムって凄い言葉だな。

最近話題の芸能人による性被害の報道、凄いですよね。
タイトルの性上納システムって名前からして凄いです。

特にすごいのは、上納システムの頂点にいる人の考え(欲望)とそれを支える中間の人(今回では上納品を探し、捧げる中堅芸能人の頂点の人への忖度です。

私は“勝手にやっとれ!”という感じですが、実はどんな組織にもこういった素地はあるのではないか?と思い、上に立つものとしては日々自制的に行動しなければならないと思っています。

というのも、今回の構図はコンプラ的に大いに問題がありますが、でもその本質は会社で上司にゴマするのと本質的には変わらないからです。
芸能界という生き馬の目を抜くような環境で、実力者に可愛がられたい!これは当然の気持ちでしょう。

だから実力者(上司)が関心のあることを先回りして準備する。
これは何も悪いことではありません

ただ、悲しいのはその実力者(上司)と部下に遵法意識がなかっただけの話。

ここまで酷いケースは極めて稀でしょうがどこの組織にも、このケースを薄めたようなケースはあるはずです。

実のところ、小さいケースなら私の身の回りでも毎日のように起こります

例えば、それは会議で意見を出し合っている時に、社長が何か意見を言うと日和見的に意見を変えるケース。
これだって、忖度であり、今回の上納システムへのきっかけになるものだと思います。(気にしすぎかも知れませんが)

ですから、まともな経営者はいつもこういった忖度と戦っていると言っても過言ではありません。

当社には1つ社是とは言いませんが重視している言葉があります。

それは、『是々非々』という言葉。

つまり、良い事(是)は良い是。悪い事(非)は非。
社長であっても非(悪い事)は是(良い事)にならない、といつも言っています。

それでも忖度は日々行われるのでそこが難しい所です。

会社では、考える力がない人や考えることを面倒くさく思う人は、上司に忖度し、ゴマをすることで効率よく出世しようと思う人がいます。
芸能人も、自分で芸事を磨くよりも忖度してゴマをする方が楽で得を取れるのかもしれませんね。

残念なことです。

でも、これって日本に限った事ではありません。
欧米人だって、休日はニコニコ楽しくファミリーパーティに参加しているような映画のシーンを見ることがありますが、これはファミリーパーティに呼ばれない人はそもそもアウトですし、呼ばれても気の利いたこと(つまり忖度)をしなければ出世は望めないから皆必死なんです。

そう考えると、忖度をするのは日本人だけの問題ではなく、人間の本質かもしれません。

ただ、日本は儒教的な教えが強く、その善悪の価値観を押し付けがちなのと、島国のムラ社会故に、組織に留まりたいという願望が強すぎるからエスカレートしてしまうのでしょうね。

いずれにしても、人の振り見て我が振り直せです。

おまけ:
最近、不倫とかに対して過敏な報道が多いですが、こういった方は山崎豊子の初期の頃の作品『ぼんち』を読まれると良いと思います。

愛人として囲われる女性の幸せについて書かれていて、当時は2号さんも大切にされ、本妻の人からも含め社会的に認められていたことが良く分かる本です。
(私には愛人はおりません。念のため)

posted by オーダースーツのヨシムラ at 07:24| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月17日

元気になりたいとき



年始から初売りでばたばたしていたからか最近ちょっと疲れているのかな?

あまり弱音を吐くタイプではないのですが、ちょっと最近グロッキー気味です。

まぁ、こんなことは誰でもあると思いますが、そんな時皆さんはどう気持ちの切り替えをしますか?

休みの日に郊外に出てリフレッシュ?スポーツ?色々あると思いますが、今日はそんな息抜きをする時間がない時のヨシムラ流息抜きを紹介(?)します。

私の場合は、通勤時間に読む本を代えます。

どんな本に変えるかというと、ワクワクするような、躍動感ある、そんな内容の本ですね。
何もこれまで呼んだことのない新しい本である必要はありません。
私の場合は、既に何回も読んでストーリーが分かっている本の中からワクワクするような本を選んでいます。
(ですから、こういった時に山崎豊子のような本はダメですよ。)

で、この1週間私が読んでいる本は水滸伝(北方謙三著)

特に、前半の梁山泊に各地の英傑が集まるところなんかが良いですよね。

林冲、武松、史進、李逵、楊志...

仕事でもなんでもそうだと思いますが、どんなに肉体的に疲れていても達成感や向上心がある時って疲労感が少ないじゃないですか。
でも、達成感を得られるようになるまでには長い下積みが必要だったりと、そう簡単に達成感は得られません。

だからこそ小説を読んで疑似体験をして、がんばるんです。

さぁ、108人の水滸伝の英傑から力を貰いました。
また元気に頑張ります。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 16:56| Comment(0) | ビッグビジョンのこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月12日

能登地震の影響

元旦に起きた能登の大地震、寒い時期だけに大変です。

大地震があってもその後震度5程度の余震が何度も続いていますから影響を受ける地区の方は気を抜く間もなく、被災された方には心より同情いたします。
私も出来ることは何かないか?と考え、工場の備蓄用食料・飲料水を送るぐらいしか頭に浮かぶものがなく手をこまねいています。

それはさておき、今回の地震で私達の業界(オーダースーツ、アパレル業界)にどんな影響があるか?考えてみました。

実のところ、石川県というと繊維業ではピンとくるものがありませんでした。
昔は、お隣の福井県(その隣の京都を含む)が水戸黄門の『“丹後”のちりめん問屋』のとおり、婦人物のちりめん(シボのある伝統的な婦人用の生地)の産地だったことや、昭和の時代には、化学繊維系メーカーの工場が過去にありましたが、それも過去30年で海外移転等によりあまり繊維業の産地としては存在感が薄くなっていました。

ところが色々調べてみるとそうではないことが分かりました。

どこに影響がありそうか?というとどうやらキュプラ裏地の生産に影響が出そうです。

どういう事かというと、皆さんもご存じのように服地(裏地含む)などの織物は縦糸と横糸を交差することで反物を作りますが、縦糸は横糸と比べて長さが非常に長いため、それ専用で糸を作ります。
(イメージとして、色違いの生地というのは、縦糸を同じにして横糸だけ色を変えて生地を織るケースがあり、縦糸というのは汎用性が高いのでロットが大きくなるのです。)

そして、この縦糸を作る工場が能登半島を中心に多いようなのです。(仕入れ業者さんから教えて貰いました。)

ご存じの方は余程の業界人だと思いますが、実はキュプラ裏地はここ数年受難続きです。

というのもキュプラという素材で一番有名なのは旭化成のベンベルグですが、その旭化成ベンベルグ工場が2022年に火災を起こし、(同社は過去にも火災を起こした事があり)消防がなかなか工場再開の許可を出さないのだそうで、今現在完全な供給力不足に陥っています。
(旭化成は技術の海外流出を防ぐためベンベルグは海外工場では生産していないことも、供給不足に追い打ちをかけています。)

そこに今回の縦糸成形工場が被災してしまったとすれば大変なことです。

聞くところによると今現在はまだ工場の被害状況すら見えていないようなので、詳細はこれからの後報を待たなければなりませんが、世の中は色んな所で複雑にかみ合っているものです。

当社も何かお役に立てれることがあれば微力ながら協力いたしたいと思います。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 00:00| Comment(0) | 仕事のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月01日

年頭にあたり

明けましておめでとうございます。

読者の皆さん、新年あけましておめでとうございます。

皆さん、年始はどのようにお過ごしですか?
一般の会社では1週間近くお休みがあると思いますので旅行に行かれたり、家族・親戚で集まったりして団欒を過ごしていることと思います。

私達の業界でも縫製工場は繁忙期には土曜日勤務が多いため、その反動で盆暮れのお休みは長くいただく傾向があり、その関係で縫製工場は1/4までお休みを頂いております。
一方、店舗の方は、商業施設に入っている店舗は施設の関係から早い店舗では元旦から、遅くとも1/2には営業を開始し、路面店を含めた全店ベースでも三が日も明けない1/3から全店営業を開始します。

この点では、一消費者として物を買う立場では当たり前のことですが、働く側としては毎年のことですが、正月早々大変です。

さて
年頭にあたり今年はどんな一年になるか?自身のことを考えたいと思います。

その前に昨年を振り返ると・・・
昨年は時代の寵児になったことのある大企業・有名人・巨大組織の不祥事が多かったような気がします。
ジャニーズに始まり、市川猿之助、BIG MOTER、宝塚、ダイハツ、自民党の政治献金問題と誰もが知る企業や組織・人物が時代遅れの不祥事を起こし世間を驚かせました。

私個人は一連の不祥事の根底に流れる潮流は同じだと考えています。

それは企業は油断するとガラパゴス化するということ。

つまり、一世を風靡したような企業は、その成功こそが正義・善で過去の栄光にすがりついてしまうのです。
それ故、時代の変化を読むことが出来なくなり、時代外れの事件を起こす。
また経営的な難局があると、すぐ過去の成功体験にすがってしまい、事態をさらに悪化させるといった所ではないでしょうか?

そしてこれには条件があり、例えば(過去の)カリスマ経営者の存在とか、コアなファンが宗教がかって企業・人を支える体質とか>巨大組織が、不祥事の発現条件になっているような気がします。

実際、このようなことの小さな芽は、組織のTOPになっている人なら良くお分かりと思いますが、ごくごく頻繁に出くわします。
例えばそれは、“長”になることで現れる周りからの忖度や同調の態度です。

自分がなんか言う ⇒ それに忖度する人が現れる ⇒ 自分の意見が採用される

そんな流れにちょっと結果がついてくれば、はい!お手盛りカリスマ経営者の出来上がりです。
そして、お手盛りカリスマ経営者をその組織の中で(社員や従業員が)神格化すれば、もうそこはガラパゴスになってしまうのです。

ここまで露骨ではありませんが、私もこれを経験したことがあります。
というのも、私は三代目社長として27歳から社長をやっていますが、社長含みで入社した際に、何の実力もない若造の私に社員が忖度したり、自分の意見や考えを言わず、思考を放棄して、私からの命令を待っている姿勢に閉口した経験があるからです。

あっ、このままでは自分が悪くなる。成長しないな、と当時思ったものです。

ですから、当社での社是(?そんな大げさではなく私の口癖)は是々非々議論は(立場に関係なく)対等に。(結論は立場が決める)です。

つまり、社長であっても非(間違ったこと)は是(正しい事)にならないし、立場で議論の流れを決めるなら議論は必要ない、ということです。

自社のことを偉そうに申し上げましたが、今年もこの気持ちは忘れずに過ごしたいと思います。

前置きは長くなりましたが、そこで今年はどんな1年になるか?とのことですが、私は残念ながらこの傾向はまだまだ続くと考えています。

それは何故か?
日本の企業や人(国民)に考える力がなくなってきているから。

閉塞感のある時代には新しいことを興し、新たな成長軌道を作らなければなりません。
新しいことをするためには今までにない考えを生み出すことが必要です。
この『考える』ためには既存の考え・人を批判しなければ新しい物は生み出されません。

この力が今、日本には絶対的に不足していると思います。

でも、落胆する必要はありません。
他人がやらない中、自分がやれば自分が上に上がれるからです。
それが【チャンス】なのではないでしょうか?
ピンチはチャンス

逆説的ですが、水戸黄門の主題歌にもあるじゃないですか。
〜〜くじけりゃ誰かが先に行く。後から来たのに追い越され・・・
泣くのが嫌ならさぁ、歩け〜〜
posted by オーダースーツのヨシムラ at 08:50| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする