2024年07月26日
キングタイガーよ、さらば
つい先日、役員会でこの秋冬はアパレル関連企業の業績が相当厳しくなるな・・・という話をしていたのですが、ここにきて少しずつ倒産や民事再生などが増えてきています。
つい先日も本社(神田)の隣町岩本町にある生地屋が破綻したかと思えば、今日は有名な大賀が民事再生になるというNewsが業界を駆け巡りました。
同社は、キングタイガーというブランドで高級スーツを販売し、一時は海外から各種ブランドの国内販売契約を取りつけ百貨店で販売していました。
例えば、キャサリンハムネットやコルネリアーニ、ティモシーエベレストetcです。
それが百貨店ビジネスの斜陽化と共に業績が悪化し、売上が低迷。そこにコロナが追い打ちをかけて、ピーク時(1992年)は300億以上の売上がを誇った同社も、直近では28億まで縮小し、とうとう民事再生です。
そして大賀と当社は色々なご縁がありまして・・・
実は当社(ヨシムラ)の創業の地は大賀の創業の地はご近所さん。
いわゆる大阪の谷町筋の問屋という点では同じ出身でした。
(場所は、大阪府庁のすぐそばの谷町筋沿い)
それ以外にも、、、当社の役員である玉岡氏は15年ほど前まで大賀の営業部長だったり、東京駅鉄鋼ビル店の店長だった荻原氏も大賀出身者など、大賀出身者が結構いたりします。
更には、以前ハンドメイドの縫製を行っていたグループ会社の三久服装も昔は大賀からの受注が全体の7割を占め、そのシェアの高さから脅され年間を通じて閑散期料金を適用され、潰されそうになっていました。(若干恨み節)
まだまだありますよ・・・
大賀は元々は全国に縫製工場を持ち、日産500着位縫っていたでしょうか。それが売上が低迷する中、少しずつ全国の工場を閉じて縮小再生していたのですが、その過程でキャパが不足すると当社の工場を利用したいと取引を持ち掛けられたり、と、まぁ、同じ業界ですから複雑に取引が絡み合っていました。
ですのでその大賀さんが退場されるのは大変残念に思います。
ただ、厳しい言い方をすれば破綻は必然でした。
ベースとなるのは百貨店ビジネスが斜陽化したこと。
これは世界的な流れ(NET化、世界中で日本は百貨店が多すぎる点)では百貨店の斜陽化は不可避であることが自明の理であったのに、です。
一方、大賀のライバルであったオンワードはどうしたか?というと、10年位前から、それまで百貨店オンリーだった販売ルートに対し、自社で直接販売するルートを確立しました。(現在のKASHIYAMAブランド)
これをオンワードが実行する時には、百貨店から相当な圧力があったと聞いていますが、それでも同社はやりきった。
だから、百貨店斜陽の中での落ち込みを軽微にできて、更には消費者への直接販売のチャネルを作り上げた。(百貨店棟の館に依存しなくても良くなった)
この英断を15年前に出来たか出来なかったかの差が、今になって出てきたのです。
栄枯盛衰、まさに祇園精舎の鐘の声です。
出てきた結果を評論するのは簡単です。
私は経営者として、同じような轍を踏まないよう日々精進しなければなりません。
出元:社外のnewsサイトです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3ee10602ce87d0cacec977787996d43e2e82cfdf
2024年07月25日
今年の全国最低賃金が決まりました
ここ5-6年、毎年この時期になると気がかりなのが10月から実施される全国最低賃金の動向です。(今年は何でも全県一律時給50円アップで決まる見込みです。)
もらう側からしてみると最賃が上がることはWelcomeです。
でも、都会で暮らしそこそこの年齢だと最低賃金とは縁が遠く実感が沸かないのですが、これが仕事となるとちょっと違います。
皆さんも気がかりなスーツ価格への影響はざっと考えると次の3つのルートで影響が出ます。
1つ目:縫製工賃のup
生産効率を考えると1人で一日に縫製できる着数は0.8着。
これに社会保険等を30%upとすると時給50円up×8時間/日÷0.8×1.3=650円/着のコストupです。
2つ目:販売スタッフの人件費アップ
これは販売効率にもよりますが時給50円アップの効果は50円×8時間/日×月25日×1.3=月額13,000円相当の増加
3つ目:資材関係の上昇
これまでの最低賃金upでは縫製工賃と販売スタッフの人件費upの2つを見ていればよかったですが、最近は最賃の上り幅が大きいためその他経費(運搬費、副資材の価格etc)が何もかも10月になると上昇して来るため無視できません。
そんなことで、どうでしょうか?この秋冬物はどこのアパレルも小売店ベースでは1着当たり最低2,000円程度は値上げすることになると思います。
それと少し気になるのは、こういった社会全体のコストupはどの企業でも避けては通れないことであるにも関わらずその中で”ウチだけ安い!”という店が現れないかな?という懸念です。
数年前、成人式振袖のレンタル会社が成人式前に破綻しましたが、あれは倒産を見越した、間違いなく確信的な詐欺でした。
そのような店がこの秋冬で出てこなければ良いのですが。(これはアパレルに限ったことではありません。)皆さん、どうお思いですか?
もらう側からしてみると最賃が上がることはWelcomeです。
でも、都会で暮らしそこそこの年齢だと最低賃金とは縁が遠く実感が沸かないのですが、これが仕事となるとちょっと違います。
皆さんも気がかりなスーツ価格への影響はざっと考えると次の3つのルートで影響が出ます。
1つ目:縫製工賃のup
生産効率を考えると1人で一日に縫製できる着数は0.8着。
これに社会保険等を30%upとすると時給50円up×8時間/日÷0.8×1.3=650円/着のコストupです。
2つ目:販売スタッフの人件費アップ
これは販売効率にもよりますが時給50円アップの効果は50円×8時間/日×月25日×1.3=月額13,000円相当の増加
3つ目:資材関係の上昇
これまでの最低賃金upでは縫製工賃と販売スタッフの人件費upの2つを見ていればよかったですが、最近は最賃の上り幅が大きいためその他経費(運搬費、副資材の価格etc)が何もかも10月になると上昇して来るため無視できません。
そんなことで、どうでしょうか?この秋冬物はどこのアパレルも小売店ベースでは1着当たり最低2,000円程度は値上げすることになると思います。
それと少し気になるのは、こういった社会全体のコストupはどの企業でも避けては通れないことであるにも関わらずその中で”ウチだけ安い!”という店が現れないかな?という懸念です。
数年前、成人式振袖のレンタル会社が成人式前に破綻しましたが、あれは倒産を見越した、間違いなく確信的な詐欺でした。
そのような店がこの秋冬で出てこなければ良いのですが。(これはアパレルに限ったことではありません。)皆さん、どうお思いですか?
2024年07月16日
お米が値上がりする
物価が高が言われて早3-4年。
世の中のありとあらゆるものの物価が上がってきました。
食品などは前はステルス値上げといって量を減らして値段はそのままなんてことでしのぐことも出来ましたが、昨今の円安でそんな手ぬるい値上げでは対処不能ということで物が随分値上がりしましたよね。
そんな中、ニュースを見ているとお米が値上がりしている!といって報道されていました。
庶民にとっては衣食住で一番重要な“食”の根幹をなすお米です。
それが値上がりということでナーバスになって報道されているのですが、私から見えると“えっ?当たり前では?”と思ってしまいます。
何故って?
そりゃ、最低賃金が上がっているからでしょう?
確かにお米や水産物などの一次産品は、相場で値段が決まる物が多いです。
ですが、お百姓さんだって生活がありますからね。
いくら自営業者が多いとは言っても、彼らも収入が相場で決まるといっても、その相場も最低賃金の影響を受けるに決まります。(だって最賃の影響を受けないならば、その業種で働く人は究極的にはいなくなるからです。)
それらを無視して、相場で決まる物がどうして値段が上がるんだ!(天候不順などの理由とは別にという意)という議論はあまりにも世の中を考えていないとしか思えません。
米は確かに政府が価格統制していますから、最低賃金の影響は少ないと思うかもしれませんが、それでも大儲けしている業種ではありませんから、間違いなく最低賃金の影響でしょう。
でも、この事実(米価上昇が最賃に起因している)を報道しているメディアってないんですよね。。。
都会に住んでいる人にはあまり最賃の話題は身近な問題と思われないかもしれませんが、地方の企業では最賃は死活問題です。
もう少し理解が深まれば良いのですが。。。
〜おまけ〜
どうでも良い話ですが、私はお酒の値段も最賃に比例していると思っています。
例えば、当社には新潟シャツ工場、青森秋田山形のスーツ工場があり、そちらも米どころ、酒どころなので良く嗜みますが、
この4県の日本酒(純米吟醸)を比べると、やはり新潟がちょっとだけ値段が高い。
お味の方は、どちらも同じぐらい美味しいのですが、微妙に値段が違う。
色々考えるとこれが新潟と青森秋田山形の最低賃金の違いではないかと思えてならないのです。
読者の皆さんはどう思います?
世の中のありとあらゆるものの物価が上がってきました。
食品などは前はステルス値上げといって量を減らして値段はそのままなんてことでしのぐことも出来ましたが、昨今の円安でそんな手ぬるい値上げでは対処不能ということで物が随分値上がりしましたよね。
そんな中、ニュースを見ているとお米が値上がりしている!といって報道されていました。
庶民にとっては衣食住で一番重要な“食”の根幹をなすお米です。
それが値上がりということでナーバスになって報道されているのですが、私から見えると“えっ?当たり前では?”と思ってしまいます。
何故って?
そりゃ、最低賃金が上がっているからでしょう?
確かにお米や水産物などの一次産品は、相場で値段が決まる物が多いです。
ですが、お百姓さんだって生活がありますからね。
いくら自営業者が多いとは言っても、彼らも収入が相場で決まるといっても、その相場も最低賃金の影響を受けるに決まります。(だって最賃の影響を受けないならば、その業種で働く人は究極的にはいなくなるからです。)
それらを無視して、相場で決まる物がどうして値段が上がるんだ!(天候不順などの理由とは別にという意)という議論はあまりにも世の中を考えていないとしか思えません。
米は確かに政府が価格統制していますから、最低賃金の影響は少ないと思うかもしれませんが、それでも大儲けしている業種ではありませんから、間違いなく最低賃金の影響でしょう。
でも、この事実(米価上昇が最賃に起因している)を報道しているメディアってないんですよね。。。
都会に住んでいる人にはあまり最賃の話題は身近な問題と思われないかもしれませんが、地方の企業では最賃は死活問題です。
もう少し理解が深まれば良いのですが。。。
〜おまけ〜
どうでも良い話ですが、私はお酒の値段も最賃に比例していると思っています。
例えば、当社には新潟シャツ工場、青森秋田山形のスーツ工場があり、そちらも米どころ、酒どころなので良く嗜みますが、
この4県の日本酒(純米吟醸)を比べると、やはり新潟がちょっとだけ値段が高い。
お味の方は、どちらも同じぐらい美味しいのですが、微妙に値段が違う。
色々考えるとこれが新潟と青森秋田山形の最低賃金の違いではないかと思えてならないのです。
読者の皆さんはどう思います?
2024年07月10日
100年企業のなれの果て
聞くところによると世界的に見て、創業から100年以上を経過した老舗企業の数が日本は群を抜いて多いのだそうで、建国から200年余りの米国から見るとAwesome!(やべぇ!すげ〜!)だそうで、ハーバード大学には日本の100年企業を研究するグループがあるそうです。
さて
そんな100年企業ですが、実はヨシムラもその仲間です。
だからといって何も凄くないのですが、今日はそんな100年企業仲間で気になる会社が報道されていたのでちょっとご紹介。
その会社は50代以上の人ならお世話になったことがない人はいないであろう、洋菓子のヒロタ。
そう、シューアイスで有名で、私も子供のころ塾の帰りに100円玉を握りしめ中野の駅前のヒロタでシューアイスをおやつに食べたものです。
そのヒロタが何でも今経営危機だそうで、そんなNewsでした。
詳細は良く分かりません。
ただ、生地の中で比較として紹介していたのは同じくシュークリームで有名なビアードパパ
ビアードパパは今は永谷園のグループ企業で、以前個人的にお知り合いの永谷さんに伺ったことがあるのですが、以前こんなことを言われていました。
・シュークリーム業界も栄枯盛衰がある
・昔は、ヒロタのシューアイス、10年位前まではコージーコーナーだった
・ヒロタは庶民的、手頃な価格で人気だった
・コージーコーナーは“銀座”“カスタードクリーム”“手頃価格”で市場を席巻した
・ビアードパパは、ヒロタにもコージーコーナーにもなかった“パリッとした触感”“香り”を前面に出すことで市場を席巻した
確かに、昔のイメージのヒロタのシュークリームは皮はアイスにぺとっと張り付いていて皮が美味しい!とは思えませんでしたし、コージーコーナーはカスタードは美味しいけれど、皮はパリッとはしていませんでした。
一方で、ビアードパパはお店で皮を焼いているのか、皮がパリッとしていておいしいですよね。
それが3社の違いなんですね。
戦後の貧しかった日本、高度成長期や欧米に追い付け追い越せのバブル期までは安くて手軽な物が良かったのでしょう。
でもその後舌が肥えてきて贅沢になった日本人には飽きられる。
日本はどんどん贅沢になり、甘いカスタードからパリッとした皮&カスタードに進化したんでしょうね。
これに着いていけたかいけなかったかの差なんですね。
昔、ヒロタのシューアイスを食べた100年企業を経営する私には心に響くものがありました。
ご参考まで出所はこちら(リンク切れになったらごめんなさい)
https://news.yahoo.co.jp/articles/523097d8539364e5d747e4a138dee5eab2b1aae5?page=3
当社も時代に合致した経営をしないといけません。
さて
そんな100年企業ですが、実はヨシムラもその仲間です。
だからといって何も凄くないのですが、今日はそんな100年企業仲間で気になる会社が報道されていたのでちょっとご紹介。
その会社は50代以上の人ならお世話になったことがない人はいないであろう、洋菓子のヒロタ。
そう、シューアイスで有名で、私も子供のころ塾の帰りに100円玉を握りしめ中野の駅前のヒロタでシューアイスをおやつに食べたものです。
そのヒロタが何でも今経営危機だそうで、そんなNewsでした。
詳細は良く分かりません。
ただ、生地の中で比較として紹介していたのは同じくシュークリームで有名なビアードパパ
ビアードパパは今は永谷園のグループ企業で、以前個人的にお知り合いの永谷さんに伺ったことがあるのですが、以前こんなことを言われていました。
・シュークリーム業界も栄枯盛衰がある
・昔は、ヒロタのシューアイス、10年位前まではコージーコーナーだった
・ヒロタは庶民的、手頃な価格で人気だった
・コージーコーナーは“銀座”“カスタードクリーム”“手頃価格”で市場を席巻した
・ビアードパパは、ヒロタにもコージーコーナーにもなかった“パリッとした触感”“香り”を前面に出すことで市場を席巻した
確かに、昔のイメージのヒロタのシュークリームは皮はアイスにぺとっと張り付いていて皮が美味しい!とは思えませんでしたし、コージーコーナーはカスタードは美味しいけれど、皮はパリッとはしていませんでした。
一方で、ビアードパパはお店で皮を焼いているのか、皮がパリッとしていておいしいですよね。
それが3社の違いなんですね。
戦後の貧しかった日本、高度成長期や欧米に追い付け追い越せのバブル期までは安くて手軽な物が良かったのでしょう。
でもその後舌が肥えてきて贅沢になった日本人には飽きられる。
日本はどんどん贅沢になり、甘いカスタードからパリッとした皮&カスタードに進化したんでしょうね。
これに着いていけたかいけなかったかの差なんですね。
昔、ヒロタのシューアイスを食べた100年企業を経営する私には心に響くものがありました。
ご参考まで出所はこちら(リンク切れになったらごめんなさい)
https://news.yahoo.co.jp/articles/523097d8539364e5d747e4a138dee5eab2b1aae5?page=3
当社も時代に合致した経営をしないといけません。
2024年07月09日
宴のあと
都知事選が終わりました。
結果は皆さんご存じの通り現職小池氏が圧勝でしたが、都民以外の方も注目したこの選挙、皆さんはご自身のヨミと結果はどんな幹事でしたか?
(私は前回泡沫候補のことをブログに書きましたが今回は王道です。)
結果は私は順当でしたが、まぁこれは結果を見てのコメントですからお話ししても仕方がありません。
ただ、私が注目したのは選挙後のマスコミ報道
特に蓮舫氏に対しては相当厳しく、例の”なんで2位じゃダメなんですか!”発言を取り出して、叩く様は、川に落ちた犬を棒で叩く行為と思い、非常に悪印象を持ちました。
確かに蓮舫氏の民主党時代の発言は、私も好きではありませんが、何もそれを選挙が終わってから集中砲火的にやるのは、いくら何でも酷すぎますし、過去の失敗を取り返す事を許さない社会というのはあまりにも不寛容に思います。
一方で、石丸氏の方もなんかキナ臭くなってきました。
当初は既存メディアへのアンチテーゼ的なスターとして注目され報道されていましたが、選挙後は一転、パワハラ上司の典型だとか、吠えている部分だけが切り取られ報道されているように思えます。
いずれにしても分かりやすい【勝てば官軍負ければ賊軍】の構図ですね。
笑えるほど官軍に迎合するメディアです。
それはさておき、人の上に立つ身として今回学んだこと。
それはやはり【穏やかさ】ではないでしょうか。
石丸氏も蓮舫氏も現職に対抗するために、ということもあるでしょうが、元来二人とも相当激しい性格の人ではないでしょうか。
もちろん小池氏も激しい人間だと思いますが、それにしても小池氏は徹底的に【穏やかに】有権者に、メディアに、既成政党に対応したと思います。
日本の社会は1人のカリスマを求めるよりも、穏やかで賢い長老的な人物をトップに求める傾向があります。
この儒教的価値観は、資本主義的な経済界では最近でこそ崩れてきていますが、社会の根幹を作る政治の面では、いまだに儒教的なままです。(脱線しますが議員の世襲問題もここに起因すると思います。)
この点では、実体はともかく表面的には、穏やかな長老色で終始した小池氏の圧勝だったのだと思います。
【穏やかさ】を見せるという点で、大変学びの多い選挙でした。
結果は皆さんご存じの通り現職小池氏が圧勝でしたが、都民以外の方も注目したこの選挙、皆さんはご自身のヨミと結果はどんな幹事でしたか?
(私は前回泡沫候補のことをブログに書きましたが今回は王道です。)
結果は私は順当でしたが、まぁこれは結果を見てのコメントですからお話ししても仕方がありません。
ただ、私が注目したのは選挙後のマスコミ報道
特に蓮舫氏に対しては相当厳しく、例の”なんで2位じゃダメなんですか!”発言を取り出して、叩く様は、川に落ちた犬を棒で叩く行為と思い、非常に悪印象を持ちました。
確かに蓮舫氏の民主党時代の発言は、私も好きではありませんが、何もそれを選挙が終わってから集中砲火的にやるのは、いくら何でも酷すぎますし、過去の失敗を取り返す事を許さない社会というのはあまりにも不寛容に思います。
一方で、石丸氏の方もなんかキナ臭くなってきました。
当初は既存メディアへのアンチテーゼ的なスターとして注目され報道されていましたが、選挙後は一転、パワハラ上司の典型だとか、吠えている部分だけが切り取られ報道されているように思えます。
いずれにしても分かりやすい【勝てば官軍負ければ賊軍】の構図ですね。
笑えるほど官軍に迎合するメディアです。
それはさておき、人の上に立つ身として今回学んだこと。
それはやはり【穏やかさ】ではないでしょうか。
石丸氏も蓮舫氏も現職に対抗するために、ということもあるでしょうが、元来二人とも相当激しい性格の人ではないでしょうか。
もちろん小池氏も激しい人間だと思いますが、それにしても小池氏は徹底的に【穏やかに】有権者に、メディアに、既成政党に対応したと思います。
日本の社会は1人のカリスマを求めるよりも、穏やかで賢い長老的な人物をトップに求める傾向があります。
この儒教的価値観は、資本主義的な経済界では最近でこそ崩れてきていますが、社会の根幹を作る政治の面では、いまだに儒教的なままです。(脱線しますが議員の世襲問題もここに起因すると思います。)
この点では、実体はともかく表面的には、穏やかな長老色で終始した小池氏の圧勝だったのだと思います。
【穏やかさ】を見せるという点で、大変学びの多い選挙でした。