新聞に訃報が出ていましたのでご覧になった方もいらっしゃるかと思いますが
永谷園の元社長 永谷博さんのお通夜です。
場所は芝の増上寺。
そう政治家や各界著名人の葬儀で使われるお寺ですが、さすがに東証一部上場企業の元社長のお通夜だけあってすごい人でした。。。
お通夜の詳細についてはブログで書くのは失礼と思いますので割愛しますが、当社を愛してくださった故人にはいくつかの想い出がありますので、故人を偲んでそれを披露したいと思います。
故人は、、、昭和の正統派お金持ちでした。。。
大永谷園からしてみれば当社などミジンコみたいな企業規模であるにもかかわらず、故人の私や他のスタッフに対する物腰は非常に丁寧な方でした。
最近のお金持ちや成金タイプのお金持ちは、これ見よがしに威張る方もいらっしゃいますが、全く違う方でした。
昭和を感じさせるエピソードとしては仮縫いをしたり、フィッティングで出来が良かった時、「チップ」を下さったことが何度もありました。
今の日本のお金持ちにこういった気遣いが出来る方っていらっしゃるでしょうか。。。
お釣りは絶対にお取りになられない方でもありました。
オーダー(スーツ)に関しては、今では滅多に見ることもなくなったビキューナのコートを「昔着ていたよ...」とごくごく普通に語られたり、色んな意味で古き良き日本を知る方でした。。。
でも、私が一番想い出に残っていることは、たった一言のお言葉でした。
それは、先述のチップを頂いた時、それをお断りしようとした私に対して言われた一言。
『吉村さん、お金は稼げるときに稼いだ方が良いですよ。』という言葉。
それまで私は懇意にしているお客様に対しては、時々何らかサービスすることが顧客サービスだと思っていました。
でも、永谷さんは、稼げるときに稼いでそれで企業が強くすることもまた将来の顧客サービスにつながるんだよ・・・と私に教えてくださったのです。
この言葉を聞いて、私はチップをお断りすることを止めたのを覚えております。
チップは、もちろん私物化するものではないと思っていますし、かたや売上に計上するのも変かな?と思い、このチップは私のデスクの中にしまっているのですが、今日は久しぶりに出してみました。
中身は、社員旅行や打ち上げの際、時々これでビールなど買わせて頂いておりますがそれでもスーツ1着分位のお金が入っておりました。
人はいつかは死に、物理的に消滅します。
でも、人の思いは記憶や記録として残ります。
私もいつか消滅する前に、誰でも良いから心に良い記憶として残れるように努力したいと思います。
大変な勉強をさせて頂きました。ありがとうございました。
故人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
そのエピソードに
感激しました。