アベノミクスの浸透と共に、輸出型企業はその恩恵を享受しておりますが、実のところ私達スーツ業界ではその影響が多面的に表れていまして、今日はその辺をご紹介します。
スーツ販売の動向・・・
>>> 一番気になるのがスーツ販売の動向ですが、これは株価の上昇に比例して結構良い感じで伸びているようです。
実際ビッグヴィジョンもヨシムラも足もと6月はイマイチでしたがそれ以外ではお陰様で結構良い状況でした。
でも、これは縫製工場筋から聞いた話ですが、既製服業界ではイマイチのようで、景気回復で恩恵を受けるのは、既製品より降給とされるオーダー品だからかも知れません。
縫製工場筋・・・
>>> 縫製工場の方は効果が2分していてオーダー向け工場はこの半年どこも活況を呈しているのですが、反面、既製品の工場は売上の底はある程度見えましたが急回復には至っていないようです。
一方、中国の縫製工場の方は、人件費up、社会保険up、元高(円安・ドル高)、China+1の動きから、かなり悪化しているようで、対日輸出においてどんどん値上げしてきそうです。
(→日本の縫製工場が少しずつ業況が良くなる要因になると思います。)
生地輸入価格・・・
>>> インポート商品の仕入れ原価はユーロ建てが多いのですが、これはユーロ高の影響をモロに受けて、どうでしょうか?約15%位値上がりしています。
さてさて、
そんな状況ですが、皆さん気になっている秋冬からのスーツ価格への影響ですが、確実に言えることは・・・
@中国製品の価格は上昇
>>> 先述の通り中国のコストアップは凄まじい率で上がっていますから製品に転嫁しなければ、どうしようもない状況です。
ですから、現状で19,800円とかで販売しているスーツは殆どが2,000〜3,000円upしないとやっていけないと思います。
A国内縫製のスタンダード品の価格
>>> こちらはギリギリなんとか維持だと思います。
ただ、国内の縫製工場は過去20年で中国へどんどん移管され、疲弊してきていますから、ここに来てアパレル販売企業に対して、工賃UPを要請してきていますのでこれが浸透するかどうか?ではないでしょうか?
B国内縫製インポート商品
>>> こちらはインポート生地の仕入れコストが急上昇していますので、上がる可能性があります。とはいえ、スーツの価格は生地代+縫製代ですから、仮に生地の仕入れコストが20%上がっても、価格が20%上がることはなく、せいぜい5%止まりだと思います。
その他:::
>>> その他気になるのはやはり消費税Upです。
実際に販売していて気になるのは、消費税率の変更よりも総額表示から税抜き表示が可能になると言う変更ではないでしょうか?
つまりこれにより見栄えの良いように価格帯を変えなくてはいけないと考えるのです。
当社(ビッグヴィジョン・ヨシムラ)でもこのことは毎日のように議論していますが、いずれにしても参議院選の結果次第ですね。。。
とまぁ、今日はちょっと業界ネタを披露してみました。
中国縫製のスーツは値上がりしますから、廉価なスーツをお求めの方は秋冬が始まる前のセールを活用されるのが良いと思います。
2013年07月20日
この記事へのコメント
コメントを書く