今回読んだ本は、渋沢栄一が書いた「論語と算盤」という本。
読者の皆さんも渋沢栄一についてはご存知かと思いますが、明治時代の実業家として名をはせた明治の偉人の1人です。
何がすごいかといえば、企業を起業すること470社
まさに日本の資本主義の父といえる方です。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが渋沢翁が創業に携わった会社で有名なところを列挙しますと、、、JR、みずほ銀行、日本経済新聞社、帝国ホテル、サッポロビール、聖路加病院、明治神宮などなど、そうそうたる会社(組織)を作り上げています。
あと、田園調布の開発にも携わったと聞いたことがあります。
そんな渋沢翁が本著で言われているのが、日本人(武士)の価値観である論語(孔子の教え)と商人の価値観は互いに矛盾すると言われているがそんなことはない。
明治以前は、商人は嘘をつき、騙し騙されるのが当たり前だと蔑まれていたが、論語の道徳観で高い倫理観でまっとうな商売をするのが大切だ。
...と説いているのです。
この点、朱書きした部分、皆さんはどうお読みになりますか?
私、これを読んで、昨今の中国企業と同じだ...と思いました。
つまり、よく中国企業は約束を守らないとか言いますが、100年前は日本人も同じだったんだなと。(現代の中国企業を批判しているつもりは毛頭ありません。)
逆を言えば、中国も高い道徳観を養えば、あと何十年か経てば今の日本のように成熟するかもしれないな、と。
いずれにしても、渋沢翁は明治の未成熟な資本主義を開花させたと思うと、感服します。
大変ためになる本でした。
PS:現代語訳版ですので読みやすかったです。(ちくま新書 守屋淳訳)
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