皆さんご存知のバーバリー
このバーバリーを扱っている(いた)のが三陽商会だということをご存知の方も多いと思います。
実は(既にメディアでも報道されていますからご存知の方も多いですが)このバーバリーの販売権が三陽商会の手を離れ、バーバリージャパン(正式名称不明)に移ります。
簡単に言うと昔、ミツワモータースが販売していたポルシェが、売れるようになったらメーカーが欲を出してポルシェジャパンを設立したのと同じ論理です。
で、これがただ今業界で大注目されています。
・・・というのもバーバリーといえば三陽商会。三陽商会といえばバーバリーでしたから、販売権がなくなると三陽商会の売上げが激減してしまう。
また三陽商会のバーバリーは国内縫製ですから、縫製工場も大打撃。
三陽商会はリストラをしなければならないし、従来百貨店でバーバリーとして場所を使っていたところも変更をしなければならない。
もちろんバーバリーほどのビッグブランドはそうそう見つからない。
そんなこんなで、かれこれ2年前からどうなるの?どうするの?と業界では注目されていました。
それが最近、とうとう三陽商会からバーバリーが離れることが正式決定し、三陽商会側も未練を断ち切って次への一歩を踏み出しました。
で、三陽商会が次なるブランドとして掲げたのがバーバリーと同じくコートで有名なマッキントッシュ。
マッキントッシュというと油引きのややカジュアルなコットンコートですが、さてさて英国正統派イメージのバーバリーの穴を埋められるか?
皆さんはどうなると思いますか?
話は変わりますが、このような海外ブランドの販売権はどこのブランドでも同様のことが付きまといます。
今回のバーバリーのように相手方がビッグブランドで、今回の三陽商会のように手塩に掛けて育てたブランドですと、なかなか替わりの売上げを作ることが出来ず、販売権を奪われた会社は業績が大きく悪化します。
この時の対処としては
@別ブランドの販売権を取得して一からやり直す方法
A自社ブランドの育成に注力する方法
...がありますが、今回の三陽商会は@のやり方です。
Aのやり方では昔、デサントがアディダスの販売権を持っていたのですがそれを奪われた時、Aを行いました。
Aは、急成長が見込めないだけに地味で非常に苦しい道のりだと思いますが、デサントは昨年過去最高売上を達成しました。
(新興国でデサントブランドが浸透したため)
@は大規模なリストラまではしなくて済みますし、ある程度の売上げが見込まれますが、結局同じ事の繰り返し。
一方、Aは一からブランドを育てるというのは大変なことです。
経営者は難しい判断を迫られたことと思います。
当社においても特定の生地ブランドなどに固執することは、そのブランドの方針変更で販売できなくなることもありますから、過度に依存せず、時には自社ブランドを育成することも必要ではないかと改めて考えさせられました。
当社で言えば、ションヘルメイドなどがいわゆるOEMの製品ですので、こういった商品も増やしていかなければならないと感じました。
しかし私は、これまでの方が異常だったと思います。なぜなら、イギリス製の、バーバリー社製造のバーバリー製品と、日本製等の、三陽商会製造のバーバリー製品が両方あったのですから。両社は、例えばカシミアのマフラーでも明らかに重量が違いました。
ライセンス生産を許した時点で、もはや一流のブランドではなくなる、と考えるのは私だけでしょうか?
仰るとおりですね、、、
ケースバイケースですから一概にブランドビジネスが他力本願で悪いという訳ではありませんから。
でもご指摘頂いたライセンス生産ですが、国内縫製のバーバリートレンチを縫っていた工場は、青森にありまして、今回のことで手が空くだろうっから当社のトレンチコートの縫製を依頼しようと試みたのですが、企画が厳しくオーダーは受け付けられないといって断られてしまいましたよ。
この真意は・・・
素材が多岐にわたるオーダーは、縫いやすい/縫いにくいがあると安定した製品作りが出来ないから。
またオーダーは個別性ゆえにどうしてもヒューマンエラーが出易く、そのような製品を出したくない、、、という意ですが、
この志は、素晴らしいと思いました。(商売は別ですが、、、)
いろんな意味でこれからの英バーバリー、そして日本の三陽商会は注目ですね!