伊勢丹メンズというと読者の皆さんはどのようにお考えでしょうか?
私共は、我々業界人にとっては日本で一番感度の高い商品が集まっているのは伊勢丹メンズだと思っています。
そこで私の場合は時間があると視察に行ってきてトレンドの確認、次のトレンドなどをファッション誌、イタリア等の展示会情報等と合わせて検討するのですが、丁度この日は夜から次シーズンのネクタイの柄決定の打ち合わせがあったため、自分自身の引き出しを広げようと、情報収集に行って来ました。
で、気づいたこと。(ネクタイ以外のことですが)
トレンド的にはこれからのシーズンはやはりジャケット&パンツ。
コットンばかりでなく、異素材(特に今の時期はリネン)が増えてきて、しかもカラフル。
またメンズでは珍しい柄物(ジャカード織り、プリント)が増えてきていますね・・・
この辺は来春夏物を考える上では非常に参考になりました。
→今年はイタリア製コットン素材の色数を50色用意しましたが、来年はこれに加えて、リネンで20色ぐらい展開してみようかな・・・
→数は多く売れないと思いますがイタリア製高級シャツ地(カンクリーニ、アルビニなど)で
などなど、とても参考になりました。
でも、実は伊勢丹メンズでの視察には1つ大きな落とし穴があります。
それは・・・
メンズファッションの最先端を自負するあまりにトレンドを作ろうとしすぎるところ。
どういうことかというと、トレンドは確かにファッション誌など業界人により作られることが数多くありますが、それでも思惑が外れ、トレンドを作りたく企画したのに、消費者がついてこず、トレンドにならないケースも沢山あります。
(そりゃそうです。神様ではありませんからね。)
例えば、ここ数年でいえば、ダブルのジャケットでしょうか?
トレンドの兆しは確かにありましたが、トレンドに乗り切れていません。
(最先端の人はこれを楽しんでいる方もいますが・・・マスで見た場合は失敗です。)
伊勢丹メンズで取り上げられたものが本当にトレンドになるか?
・・・この確信を持ちたい方は、半月か1月後もう一度行ってみて下さい。
百貨店ですから同じ場所に同じものが展示されることはないですが、売り場に、場合によっては別ブランドで似たようなデザインが増えていたら、アタリです。
逆にハズレの場合は見事なまでに痕跡がなくなっています。
ビッグヴィジョンはトレンドとは少し距離を置いているようにお考えの方も多いと思いますが、最先端ではなく、マスを見据えたトレンドを常に意識しております。