2014年12月08日

値上げの冬×××

皆さんご存知の通り、ここに来て為替が8月の1ドル100円から一気に120円に急激に安くなってきています。

皆さんの身の回りでは影響が出てきているでしょうか?

ガソリンは原油価格が安くなっているので意外なことに高さを感じませんが、
実は、年末を境に色んな物が値上がりしそうです。

最近報道されたところでは、、、

吉野家の牛丼 380円→480円 26%UP
日清のカップヌードル 5〜8%値上げ(2015年1月出荷〜)
UCCコーヒー 25%値上げ etc

それ以外にもスーパーではバターが品薄になったりと、凄い勢いで私たちの日常生活に円安が影響を及ぼしてきていますね。

で、お話しづらいことなのですが、、、
我々スーツの業界も実は大変な岐路に立たされておりまして、、、

先日、青山商事さんの中間決算が出ましたが、その際に報道されたことが営業利益が7割減という衝撃的な報道でした。
そこで私、決算書を調査して見たのですが、実は(スーツに関する)売上は4月以降わずか6%位しか落ちていないんですよね。
なのに、営業利益7割減。

実は、これってほとんどの要因が(売上ダウンではなく)コスト上昇による利益圧迫だったのです。

つまり、円安によってコストが上昇した分を価格転嫁しなかったために利益が吹っ飛んでしまったのです。

それで天下の青山さんも慌ててセールの割引内容などを減らす手に出たのです。

ということで、スーツの業界も来年からは確実に値上がりします。

車と同じように高級ゾーンの商品は変化率に直せばそれほど上がらないかも知れませんが(高級外車が円安でも値上げしないのと同じロジックです。)
廉価品・スタンダード品に関しては確実に10〜20%は値上がりすることになると思います。

消費者としては、これまでゼニアを買っていた人がロロピアーナにグレードダウンさせれば支出する価格は維持できると思いますが、
一番厳しいのは、2万円台でスーツをお求めになっていた方々です。

ビッグヴィジョンでは現在裾値のスーツは21,000円ですが、こういった商品こそが本来利幅が少なくコストアップの影響が直撃してしまうため値上げの対象となりやすいのです。
(先述の吉野家の牛丼やカップヌードルのように...)

ただいま、影響を最小限に食い止めるため色々と努力しておりますが、
例えば、中国縫製の芯地などはわざわざ日本から送っているのですが、これを現地調達に変えれば少しは安くなりますが、そうなると品質が確実に下がるので、こういったことは出来ませんし、為替で上がった2割のコストアップを吸収できるような画期的なコストダウンが出来るはずがありません。

ということで、ビッグヴィジョンでは来年の春夏物からの値上げをただ今検討中です。

何分にも今の為替水準は企業努力の域を超えていますのでどうかご理解下さいます様お願いいたします。
(ヨシムラも同様に来年春夏物より値上げを検討中です。)

消費税が上がったときはわずか3%でしたが今回はあちこちで1割2割アップという声が聞こえそうで怖いです。。。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 16:00| Comment(0) | 仕事(仕入) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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