2019年02月28日
オーダースーツはどこへ向かうのだろう?
巷ではオーダースーツがブームでお陰様でビッグヴィジョンもヨシムラも関連縫製工場もその恩恵を受けておりますが、このオーダー業界はここ4〜5年で業界地図が大きく変わろうとしています。
業界地図は大きく分けて@老舗系 AIT系 B既製服系 Cその他に分かれますが代表企業で言うとこんな感じです。
@老舗系:ビッグヴィジョン、花菱、銀座山形屋、グローバルスタイル
AIT系:ZOZOタウン、FABRIC TOKYO
B既製服系:ディファレンス、アオキトーキョー
Cその他:小規模テーラー(オーダースーツのヨシムラ)
こんな中で最近話題をさらっているのがAとB
Aについては、読者の皆さんも昨年目にすることがあったと思いますが、ZOZOスーツが一番有名でしょうか?
良い結果には結びつかずZOZOの代表的な失敗例となってしまったのが大変残念ですが、老舗系にはない発想で老舗系オーダー店は脅威に思っていたことと思います。
(私は必ず失敗すると確信しておりましたが、、、)
Bは、少子高齢化で販売数量を伸ばせない既製服業界がオーダー業界に目を付けたもので、既存の我々から見るとオーダースーツ業界という小さな池に巨大魚がやってきたみたいなもので大変な脅威でした。
さて、そんな小さなオーダー業界に色んな企業がひしめくようになりましたが、消費者の皆さんとしてはどう受け止めれば良いのでしょうか?
業界人でなければ上記@〜B、あるいは個別企業を見ても差が分からないのではないかと思います。
●スーツはファッションですからファッション感度の優劣?
●それともオーダースーツだから身体にフィットさせる技術の優劣?
●価格
これはどちらも重要ですよね。
ファッションの優劣ではベースとなる型紙が重要ですから意外と既製服業界が優れているのかも知れません。
身体にフィットさせる技術で言えば、消費者的には見落としがちですがお客様の体型を把握する『審美眼』は半年1年の経験では磨けませんから、老舗系が強いと思います。
ZOZOスーツはこの体型補正の審美眼を人に頼らず、ITの力でやろうとしましたがご承知の通り大失敗しました。それだけ体型を見る目は大切です。
一方、
●IT系は利便性を最大限に活用しているのが特徴です。
昨年のZOZOスーツは大失敗でしたがあれもビッグヴィジョンのような老舗系としっかり組めば少し変わった結果になったのだと思います。
こんなところが業界地図とその特徴ですが、それぞれ善し悪しがありますが、ファッション感度、技術、価格、利便性(IT)そんな価値判断で消費者の皆さんは自身のお店選択をされているのだと思います。
そして上記@〜Bの各業態も自分達の得意分野だけでなく、従来不得手だった部分を克服しようと日々努力しているようです。
そんな中、今日、ガリバーAOKIがアオキトーキョーというオーダースーツ店を銀座と池袋に出店したという報道を業界新聞で読みました。
猫背や反身、肩の位置、O脚・X脚の補正などが出来るとのことで、正直これが出来れば老舗テーラー系と全く遜色ない(イージー・パターン)オーダーだと思います。
個人的には、ズボンは腰で止めて後は下に落しているだけですから、特にO脚X脚の補正が型紙上どうなっているか興味がありますが、接客ベースでお客様に対してどのような案内・説明がされるか是非話を聞いてみたいです。
近代はシステム的にはかなり優秀になっていますが、果たしてこれを使いこなす人材がどうか?
お互い切磋琢磨して学ばないといけませんね。
そんな中、ビッグヴィジョンは老舗系ですので技術力としてはグループに縫製工場がありますから他社より優れていると思いますが、広告や企業規模では大手にはるか及びませんが、それでも新たな武器を得ようと日々努力しています。
今年は特に、IT化による利便性の向上・納期短縮が鍵だと思って日夜奮闘しています。
IT化では4月頃からビッグヴィジョンの全店舗でI-PADによる受注を開始して、新工場が立ち上がる秋からは短納期対応が出来るように頑張っています!
他社に負けないよう頑張らねば。。。
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