2021年05月20日
企業の責任
会社を経営していると、企業の社会的責任とか経営者としての社会的責任を考えさせられることが多々あります。
そのことは多岐にわたっていて、
製造物の責任(当社にはやや遠いことですが昔で言えばチッソとか石綿とか)もあれば、経営者としての資質の問題(最近の例でいえば、パワハラとかどこかの大企業の社長がコロナワクチン接種を裏から手を回したとか)とか多岐に渡ります。
そんな中、最近ちょっと気になっているのがユ●クロの新疆ウイグル自治区産の綿の購入。
ご存じのようにユ●クロはあの価格で販売していますから、海外の安い原材料を安い人件費で生産していますが、それが人権問題で問題視されている新疆ウイグル産の物が多いようです。
これに対し、日本ではあまりに報道されていません。
先日のIR(上場企業の決算報告)の会見ではマスコミから指摘されましたがそれもやんわりかわし、(またメディアも深く追求しなかった)なんかそれで終了っていう感じでした。
まぁ、確かにユ●クロは不景気な日本にあって数少ないメディアにとっての大口顧客ですから言い辛いのかもしれませんが。。。
ただ、今日のNewsで米国がユニクロのシャツを人権侵害の問題から輸入差し止めをしていたという報道がなされました。
米国にはこれとは別に対中政策(制裁)的な目的があるのだとは思いますが、やはり米国は行動が早いな・・・とつくづく考えさせられます。
さて
企業の責任の話に戻りますが、読者の皆さんはユ●クロのような海外で安く生産した物を安く国内で販売する企業の正義をどのように思いますか?
【価格は正義】安くて品質が良ければそれが正義だ!というのは確かに正しいことだと思います。
ですから安い海外生産の物が多く流通するのは資本主義の観点からも間違っていませんし、△△国の商品は嫌だ!純日本製が全てだ!という指摘も間違っていると思います。
ですが、昨今のコロナ禍では、日本の産地・工場は疲弊しきってしまっています。
分かり易いのは観光業ですが、もうボロボロです。
当社の関係する縫製工場で言えば、既製服業界は緊急事態で百貨店の売り場が休めば、売上がなくなります。
聞くところによると、既製服の工場の稼働率は例年の1割程度のところもあるとか。
そんな中、オーダースーツ業界を見てみますと、コロナ禍で不景気になると販売店は割引率を高め、何とか売上を得ようとする。そうするとコストを下げる必要が生まれ、海外縫製へシフトする。
そんな会社が随分と増えてきました。
人気のあるところほどこういう傾向が強いです。
疑問に思われる方は、「このスーツどこで縫製するんですか?」と聞いてみると良いと思います。
資本主義には競争原理が働きますが、だからといって同朋を見限ってまで自分が利益を出す必要があるのでしょうか?
ということで、
ビッグヴィジョンではこれまで廉価な商品(定価ベースで概ね3万円台までの商品)はコストの問題から海外縫製で縫製しておりましたが、コロナ禍になってから(昨年夏頃から)は国内工場保護のため、海外縫製を減らし、国内縫製にシフトしております。
(※:在庫の保管場所の問題があり全量は出来ておりません。)
とても難しい問題だと思います。
人間生きるか死ぬかの問題になれば、自分が生き残るため他者を殺すこともあると思いますが、そこに至るまでは皆で力を合わせて耐え忍ぶ必要があるのではないでしょうか。人間は社会性を持った生き物なのですから。
少なくとも私はそういった考えです。
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