2022年08月19日

AOKIに想う


ここ数日、報道で話題になっている紳士服大手のAOKIと電通OBによる東京オリンピックでの資金提供および便宜を図った問題、読者の皆さんはどうお考えでしょうか?

私は、スーツ業界でこのようなことが起きたことに対して大変心を痛めており、何とも複雑な気持ちで報道を読んでおります。

実のところ、東京オリンピックでは、開催地が東京に決まった瞬間からユニフォームはどうするんだろう?とずっと考えていました。

ご存じの方はご年配の方しかいらっしゃらないと思いますが、1964年の東京五輪では開会式等の公式ユニフォームは【真っ赤なブレザーと白のパンツ】でした。

そして、縫製はというと、当時は今のような既製服全盛の時代ではありませんでしたから、東京のテーラーの組合から60-70人が集まり、今でいうフルオーダーで仕立てたと聞いています。(今のようなCAD/CAMがない時代ですから当たり前ですが)
それ故、今回の東京五輪でも東京のテーラー組合は「ひょっとしたらまた依頼が来るんじゃないか?」なんて発言が組合で出てたぐらいです。(これも楽天的すぎると思いましたが)

それが、今回の東京五輪では開会式では、ジャケットは白、ボトムが赤、公式ユニフォームではジャケットは紺、ボトムは白と、洒落た雰囲気になりましたが、それが実は裏金でできた真っ黒な物だったとは。
とても残念です。

個人的にはオリンピックは“招致”(=自国で開催を呼び込むこと)はある程度裏金などグレーなことをしないと無理だと思います。
何故ならそういう裏金配りをする国がある以上、それと戦うための必要悪だからです。

でも、一旦招致が決まった後、密室で諸々を決めてしまうのは国民の税金を使っている以上ダメでしょう。
まぁ、電●という会社はもともとは興行でなりたっていた業界の会社ですからやむを得ないところがありますが、業界人としては金で汚れたオリンピックのジャケットが残念でなりません。

正攻法でここまで成長された業界有数の企業が、こうやって裏で行動されるのはとても残念です。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 06:59| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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