2022年10月11日

かっぱ寿司とはま寿司

最近、見たニュースで驚いたのはかっぱ寿司の社長(今は元社長)による前職はま寿司の仕入情報を漏洩した事件

私がこの事件に注目するには実は訳があります。
それは、過去によく似たケースで裁判をした経験があるからです。

裁判というネガティブな情報を書き込むことには少なからず抵抗がありますが今後このような事件がないことを祈る上でも敢えてその時のことを書きたいと思います。

今回のかっぱ寿司のケースは直接的には不正競争防止法違反ですが、この法律の意図としては「本来自由な競争であるべき経済活動に不正なやり方で競争をしてはいけませんよ!」というのがその趣旨ですが、具体的には不正な手段で企業秘密を入手したケースなどを罰する法律です。

本件は「はま寿司」からすれば、自社の社外秘である仕入情報を盗られた訳ですから、窃盗と同じな訳です。

ですが、この法律、実はこの20-30年ぐらいでようやく認知されてきた、まだまだ実効性の少ない法律です。

というのも、先述の当社の例でいえば、当社でも約25年前に退職者に顧客リストを持ち逃げされ、同業の会社(生地の卸売販売部門)を起業され大打撃を受けたことがあります。

ですが、当時は不正競争防止法という法律はあっても厳しい刑罰に至らず、勝訴したものの賠償金は雀の涙でした。(警察には動いてもらえず、民事のみ)

またその時も情報の窃盗(当社の例では顧客リストの持ち逃げ、かっぱ寿司の例では仕入情報)を立証するのは、原告側ですから大変でした。※

※:当時は刑事事件にはならず民事オンリーでしたから、恥ずかしい話ですが、盗みを行った退職者の事務所に深夜行き、そこのゴミから当社顧客情報を見つけ出し、裁判所へ提出、ようやく当社顧客情報を持ち出したことを立証した次第でした。これが、はま寿司のケースでは警察が動いていますから、はま寿司側は楽で羨ましいです。

まぁ、時代が25年を経過し、また企業規模も大きかったこともあるのでしょう。
そう考えると時代の変化を感じざるを得ません。

とはいえ、私がとても残念に思うのは、東証プライム市場に上場する企業の、しかもトップである社長がこのようなことをしていたという事実
なんという、コンプライアンス意識の低さでしょうか。

人の物を盗んで良い?
情報というモノではなく形のなモノだから盗んで良い?

こんなことを考えている人が企業のトップでいるというのはなんと不幸なことかと思います。

確かに、会社の代表となると色んな誘惑があります。
チヤホヤする人はいくらでもいる訳ですから。
そしてそのチヤホヤされた結果、愚行をする人は大いにいると思います。
でも、自分から率先して犯罪を犯す人はそうはいないでしょう。

かっぱ寿司と比べれば、我が社は小さい会社ですし、私がどんなに頑張っても東証プライムに上場は出来ないでしょう。
でも、だからといって、心まで卑しくはなりたくはありません。

出来るか出来ないかは別にいつも心の中に留めているのはノブリスオブリージュ(高貴なる者の務め)。
人より上の立場で日頃から偉そうに話をして、他の人よりも少なからず高い報酬を得ている以上は、だからこそ背負うべき責任があると思うのです。
稲盛和夫氏のような人は珍しいのでしょうね。。。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 14:30| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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