仕事柄毎日為替相場を見ているのですが、ここのところの円安に頭を痛めています。
為替相場と言うと輸出入企業にとっては円ドル相場が一般的ですが、私共の業界では円ドルのみならず円ユーロの為替も重要です。
それぞれの為替がどう使われるかというと・・・
■円ドル:
・主として海外縫製の工賃決済に使用
簡単に言うと昨今の廉価なスーツ(概ね5-6万円程度※)はアジアを中心とした海外縫製ですが、こちらの決済は一般的にはドルベースです。
※:当社の話ではなく一般的なアパレル製品の話です。
・その他海外反(中国反)の決済
縫製と同じく最近はアジア(特に中国)で織られた生地が廉価な商品として輸入されており、これもドル決済が多いです。(概ね製品価格で3-5万程度の物)
■円ユーロ;
・欧州系インポート生地の決済に使用
伊ゼニアやロロピアーナなどインポート高級生地の決済は大抵はユーロ。
英国製の生地が多かった昔はポンドが多かったのですが、今や英国の機屋は壊滅状態なのでポンド決済は最近はほとんどなくなりました。
ユーロの特徴は数量的には大した輸入量ではないのですが、金額的には高額なので意外と大きなコストアップ要因になります。
スーツ業界ではこんな感じで為替相場が影響していますが、ここに来ての円安は本当に厳しいです。
因みに、直近の為替相場でいうと
1ドルは 144円前後
1ユーロは155円前後
ひと昔前は1ドルは80円を切っていた時代もありますし、ユーロも120円前後の時代が長かったと思います。
それがドルでは2倍、ユーロでも3割り増しですから強烈です。
加工賃の支払いは事後的ですが、生地の仕入は事前に行うのが通例ですから、生地代金でいうと来年の秋冬物は一層の値上がりが想定されます。
インフレの時代ですから在庫は早め早めに手配していますが、それでもなかなか間に合いません×××
2023年06月30日
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