毎年10月頃にその年の県別最低賃金が決まります。
厚労省 地域別最低賃金
それの元となる国の審議会が今年の最低賃金について全国平均で41円引き上げて1,002円にすることを決めたそうです。
この最低賃金は東京、神奈川では既に1,072円、1,071円と1,000円の大台を超えていますが、縫製工場の多い東北地方や九州各県ではまだまだ800円台の県も残っています。
ご参考:青森・秋田・熊本・宮崎・鹿児島 853円、山形854円、新潟890円
この県別格差については色んな意見があろうかと思いますのでコメントは避けますがいずれにしても、平均で41円上がるとのことで、就労人員の多い縫製工場の経営者には大大大打撃になります。。。
その年間の人件費アップは当社においては・・・
時給換算で41円UPだと次のようになります。
41円×8時間×25日×12か月×1.3(社会保険他含む)×420人※=なんと54百万円!
※:青森工場250名、山形工場70名、新潟工場70名、秋田工場30名
利益が吹き飛ぶどころではすまない影響です。
これはどこの縫製工場に限ったことではありません。
また縫製工場以外でも、ビッグヴィジョンのような小売業者でも同じことが言えます。
そうするとどうなるか?
残念ながら企業が存続するためには値上げしかないです。
値上げしなければどこかで手を抜き、品質が下がります。
因みにどれぐらい製品価格に転嫁しなければならないかというと、、、
上記、41円の時給upで、1着当たりのコストは(生産を1人一日1着と仮定すると)41×8×1.3=426円≒500円/着のコストアップです。
ですから縫製工賃は最低でも500円/1着上がることになるでしょう。
また販売店においても同様に1着あたり500円人件費相当で上がるとすれば最低でも1,000円は小売価格が上がることになります。
でも、それだけではありません!
衣料品はウール製品も石油製品もどちらも日本は輸入に頼っていますからそれらのコストが為替が円安になることで仕入れ値が上がってます!
こちらのコストアップ分は別ですからね・・・
物によっては製品価格で依然と比べ1〜2万円上がるものも多くなるのではないでしょうか?
厳しい時代ですが、私は個人的にはどんなに物価が上がってもそれを上回って給料が増えれば働く人はHAPPYではないかと思ってますので、今回の最低賃金引き上げもやむなしなのかな。
経営者としてはもっと単価を上げる努力をしろ!ということかな。と出来るだけ好意的に考えるようにしています。
2023年08月07日
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