2025年02月05日

日産はゆでガエルになってしまうのか?


今日、Newsで暮れに発表されたHONDAと日産の統合協議が、当初言われていた対等合併ではなく、HONDAの日産子会社化の方向でHONDA側が申し入れたとの報道を耳にしました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0318eaeee9d979bfddb95ee561d8596ef694bd94

結果論ですが、私もなんとなくそうなるかな・・・と思っていました。

何故かというと、日産の危機感のなさを実感しているからです。

日産はゴーンさんの以前に業績がガタ落ちして、だからゴーンさんを迎え入れ、一旦はゴーンマジックで業績が復活したものの、その後例のゴーンさん追い出し事件→逃亡劇となりましたが、実は会社は何も変わっていないんです。

変わっていないどころか、むしろワイドショー的な話題(一連のゴーン逃亡劇)で終始して、本業のモノ作りに集中していないような気がします。

何故なら、ゴーンさんによる業績急回復は何か新しい技術革新で売上が倍増した訳ではなく、ゴーンさん就任直前に(自分の責任期間の前に)会社の負の遺産、膿を全て出し(当然その期は巨額赤字)、膿を出し切れば当たり前ですが業績は比較では良くなります。
加えて、将来においては新車のモデルチェンジ年数を長期化し、減価償却の長期化、研究開発費の縮小を通じた費用の削減を通じて黒字を大きくしただけですから。
これなら私でも日産の社長を出来るというものです。

そしてゴーンさんを追い出した後は、経営陣はゴーン追い出しにエネルギーを使いすぎ、本業回復へ意識が回らなかったのでしょうか?

で、足許の業績は?というと米国市場で『売る物がない』と言われるように新車がなく、今般の業績不振につながるのです。
(それ以外にも、EVシフトに舵を切りすぎたという評論もあります。)

私は大企業の役員を経験したことが無いので巨大な大企業と言う船を操縦したことはありません。彼らから見ればせいぜい漁船程度の船のかじ取りでしょう。

でも、自身のビジネスキャリアで何社かの買収、その後の経営を経験した身として意見するのであれば、買収後の成否は、買収された企業側の“必死さ”がその後に相当影響すると思います。
(もちろん買収した側の経営手腕はもちろん必要です)

つまり抽象的な言い方かもしれませんが、

従業員側が【経営者が何故会社を手放したか?】という事実にどう真摯に向き合うか?です。

買収にはいくつかのケースがあります。

例えば、単純に株を数年間保有してその後売却することが前提の投資ファンド的なケースもあれば、業績不振で経営者が株を手放さなければならないようなケース(民事再生後、スポンサーを募るケース)、後継者不足のケースなど。

私が今日ここで書いているのは2番目の業績不振による買収(株式譲渡)のケースですが、このような業績不振の時、確かに経営者には破綻に対して大きな責任がありますが、時に意外なほど従業員が自分たちには業績不振の責任がないと思っているようなケースがあります。

日産はまさにこのケースだと思いますが、このような場合、破綻は1度だけでは済まず、2度3度と起こることが多々あります。

企業が破綻するのは確かに経営者の手腕、外的な要因等はありますが、業務は従業員も経営側と一致団結して事に当たっている訳ですから、従業員側にも少なからずの責任があるはずです。
従業員側の責任と言うと言葉が強く聞こえるかも知れませんが、柔らかく言うなら“従業員でもこの苦境を何とか乗り越えるべく努力できないか?”“何かやろう!”ということです。

今の日産から、この“会社を芯から熱くする”そんなエネルギーを感じさせないと思うのは私だけでしょうか。

GTRなどいつかは乗ってみたい車を作っている日産だけに“ゆでガエル”にはならないで貰いたいものです。

追伸:今日のブログ、日産の話だけでなく、皆さんが働かれている会社でもし、経営者交替、大きな株主異動があった時、ぜひ考えてみると良いと思います。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 08:16| Comment(0) | 企業買収のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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