2022年08月24日

時代の節目

最近、コロナなど100年、200年に一度と言われるような想定外の出来事で社会全体が大きく変わることが起き、そのたびに時代の大きな曲がり角、節目にきているのかな?と考えています。

これは何も自然災害だけでなく、例えばオリンピックの問題で贈賄を疑われているAOKIの問題も、天下のAOKIがこんなことで凋落するかもしれない訳ですから同じことです。

ざて、
そんな社会全体のことを中小企業のオーナーが語っても仕方がありません。
今日は業界の話をします。

実は、業界人なら有名な話なのですが、先日オーダースーツ業界では重鎮中の重鎮であるG社の会長がお亡くなりになられました。
ご高齢でしたのでお亡くなりになられたこと自体は天寿を全うされたものと思い、悲しいというよりお疲れさまでしたという感じですが、
当社も少なからずご縁のあった方でした。

今日はその方の経歴を話したいのではなく、この方を通じて、オーダースーツ業界の栄枯盛衰を考えてみたいと思います。

読者の皆さんはオーダースーツ業界
特に、ハンドメイドのフルオーダーではなく、イージーオーダー、パターンオーダーと言われるある程度機械化・近代化されたオーダースーツ業界がいつ頃生まれ、その中の中心企業はどこだったか?などご存じでしょうか?

その歴史はこんな感じです。(一部自身が業界に入っていない頃のこともありますので事実誤認があった場合はご容赦を)

昭和60年代〜 アパレルCAD・CAM開発によりイージーオーダーが生まれる
 代表的縫製工場:花菱縫製、グッドヒル、日本ソーイング、東京クロージング(廃業)
 代表的販売店:ハナビシ、銀座山形屋、エフワン、ビッグヴィジョン


※自社のことを宣伝するつもりはありませんが、実はビッグヴィジョンはイージーオーダーでは相当な老舗です。ただし、その当時は私は社長ではありません。
これらの言わば老舗縫製工場、販売店は今でも規模の大小はあるものの今でも営業しております。

が、2000年頃より新たな風が吹き始めます。
そう、インターネット化によって中小専門店が自身の特徴をアピールする形で大手に対抗しはじめ、新たな勢力が生まれてきました。

ある意味、それがオーダースーツのヨシムラだったのかもしれません。

そして、専門店が台頭し始め10年。少しずつ風向きが変わります。

2010年頃〜 IT系企業の参入
2000年頃から台頭してきた中小専門店ですが、どうにも中小企業の枠を抜け出すことができる企業がありませんでした。
ある企業はNETでちょっと売れたことを良いことに、NETビジネスアドバイザー業に力を入れすぎ、本業を失ってしまったり、楽●などのショッピングモールに良いようにされて疲弊してしまったりと、あまり後に繋がった企業は多くありませんでした。

そして次に台頭してきたのが前述NET系IT系企業です。
彼らは、最終ゴールとしての上場を目指し、頑張っています。

代表的な例では、ファブリックトーキョーさんとか、撤退されましたがZOZOスーツさんでしょうか?

彼らの強いところは、【オーダー=個別性がある→だから全てを非効率な個別性で良い】という従来の発想をなくし、ITで効率化できるところはすべて効率化して、合理化しよう!といったもので、これは現在の当社の7DAYSオーダーなどに生かされている発想です。

また、同時に2010年頃から大手既製服メーカーのオーダー業界への進出も多く行われるようになりました。
今の企業でいえば、コナカのディファレンスなどがそうですし、ほかにも色々あります。

長々と書きましたが、そんなこんなで今のオーダースーツ業界は

老舗企業、中小テーラー、IT系、大手既製服チェーン系列などがひしめいているのが実情です。

さてさて、どんな企業が生き延びていくのでしょうか?
古い老舗企業は、会社によっては動脈硬化を起こしているところもあります。
中小テーラーも抜きんでている店は多くありません。
IT系にはノウハウ不足もあったり、大手既製服チェーンもオーダーという専門戦の習得には苦戦している店も多いようです。

業界の重鎮の方がお亡くなりになったことで、改めて業界の歴史を振り返ってみましたが、他業界が歴史の変遷とともに統合や合併、倒産や起業を繰り返して新陳代謝により活性化しているように私たちの業界も今後そのようなことが起こりうるような気がします。
Y会長がお亡くなりになられたことは、10年たって、あの方の葬儀が全てのスタートだったのかもしれないな、と言われるようになるかもしれませんね。
会長のご冥福をお祈りします。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 10:16| Comment(2) | 仕事のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月22日

7DAYSオーダーの将来

ここのところバタバタしていてブログ更新を怠っていました。すみません。

その言い訳ではありませんが、先週末ちょっとしたイベントが青森であってその仕事をしていました。

そのイベントというのは業界の中で、特に縫製技術者を中心とした国際的組織があり、その組合の方が弊社工場(オリテック青森)へ工場見学したいという申し出あってその準備をしていたのです。

国際的な組織(とは言ってもその日本支部ですが)どうしてまた青森までわざわざ、、、とも思いましたが、取りまとめの方に伺うと、7DAYSオーダーのことを知りたいのだとのこと。
ご同業の方から注目されるとは、身に余る光栄です。

で、参加者(参加企業)の詳細を聞くと、なんと20人以上の方が来工を希望され、参加する方も大手アパレルの方、縫製工場の技術者、関連付属品メーカーの方と多種様々。

メンバー20人の半数ぐらいは直接間接お取引や面識のある方でしたが、改めて工場を紹介するとなると話は別でいろいろ準備が大変でした。

こんな表紙の資料を作ったりして。。。

20220723.jpg

私はというと前日に青森入りしてお迎えする準備。
人数が多いので1回で工場見学を済ませることができず2班に分けるとか、概略を会議室で話すためにプロジェクターを用意したりとか、バタバタやっておりました。

で、実際の工場見学は、、、まぁ、成功と言ってよいのでしょう。

当社は他の縫製工場と比べると夜間に動くRPAとか、在庫管理を簡単にする自動倉庫などが優れているのですが、それらをご覧いただいて7DAYSのスピード感を実感してもらいました。(実は自動倉庫が途中ダウンして焦りましたが、、、)

一通り工場内を見学いただいた後は、私がちょっと詳細の説明
当社がなぜ7DAYSに傾倒していったのか、真意を説明しました。

読者の皆さんは↑の真意は何だと思います?

それは一言でいうと海外縫製に勝つための秘密兵器だからです。

日本の縫製業は過去30年以上ずっ〜〜〜と安い工賃の海外縫製にコテンパンにやられています。
日本のアパレル製品(小物含む)の国内生産比率はなんと!2-3%です。
スーツはそこまで低くはありませんが、それでもこの数値から国内工場がボロボロなのはお判りいただけると思います。

ビッグヴィジョンでも一部の廉価品は海外縫製に出しておりますが、オーダーに限らず国内で販売されているスーツで3万円以下のスーツはほぼ全て海外製と言っても過言ではありません。

そんな低価格スーツに対抗するのは、【納期】以外にないと考えての7DAYSオーダーなのです。
物流時間がかかり、通関が必要な海外製品は注文から7日間ではさすがに納品できませんからね。

その辺を皆さんに強くアピールしました。

でも、よく考えてください。
なんで吉村は当社にとっての虎の子の7DAYSオーダーを、ライバルであるアパレルさんや他の縫製工場の方に見せたのでしょうか?

実はそこが今回のミソなのですが、
この7DAYSオーダーはビッグヴィジョンでも狭い了見では、自社でその技術を独占して競合相手に対する差別化商品にすることが善策だと思いますが、私は違った考えを持っていまして、この7DAYSオーダーはAll Japanで海外縫製に対抗するための武器だと考えています。

ですから来年以降、この7DAYSオーダーのノウハウを他社へ提供すること(またこれをビジネスとすること)を検討していて、All Japanで『オーダースーツが7日間でできるのは【国産の証】』となることを広く世の中に知らしめたいのです。

良いと思いませんか?
世の中に7DAYSオーダー=品質基準の優れた国内縫製の証になれば。

そういうことを考えるとビッグヴィジョンだけでは世の中へ知らしめるにはちょっと小さいのです。

まぁ、そんな野心?もありつつ日々色々と戦略を考えています。

今日はとりあえずは業界の方々に認めてもらって良かったです。

posted by オーダースーツのヨシムラ at 19:00| Comment(0) | 仕事のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月29日

夏ならではの仕事

ビッグヴィジョンやヨシムラの店舗では、この時期は春夏物のセールでご来店のお客様が多く忙しい時期ですが、経営の方を行っている私の方はどちらかというとこの時期は時間に余裕があります。

というのも販売計画とかは既に春夏物は終了しているし、仕入れた生地の入荷もこの時期は現場作業なので、次にやるべき仕事は秋冬の販売戦略を練ることぐらい。

では、長いバカンスに行ける!と思いきや、実は私にはこの時期ならではの仕事があります。

1つは賞与の査定
⇒こちらは、今まさに素案を作っている段階ですので何とも言えません。
(意外と本ブログは社員も読んでいるのでうかつなことは書けません。)

もう1つ、この時期ならではの仕事は、社内資料の整備
⇒これは言うなれば社内マニュアルなのですが、今は特に工場のお取引の要領を作成しています。
縫製工場というのは、販売店さんの仕様に合わせて調整しなければならないことが多いのですが、だからといって全てを個別に作っていては工場側も効率が著しく低下します。
ですから、一定の基準としてのマニュアル(お取引要領)が必要なのです。
ということで、マニュアル作り。

表紙はこんなのを作りました。

20220629.jpg

最後にもう1つ今年ならではの仕事は、、、実は某ファッション系の団体様から7月に弊社工場の見学をしたいとのお申し出を頂いておりまして、工場案内の説明資料作りをしております。

縫製工場なんて見学してもそれほど際立ったものもなく、これまではあまり工場見学などご要望がなかったのですが、当社は3年前から実施している【7DAYSオーダー】がご好評ということもあり、どうやって運営しているか?にご興味があるようなのです。

で、どうして7Daysオーダーをやることになったのか?
そのポイントなどを教えて欲しいとのことでした。

本当は自社のノウハウなのであまりお見せしたくはないのですが、

これは私の持論なのですが、<7DAYSオーダーは海外縫製では納期面で真似ができない、いわば国産商品の‟証”になるものですし、
納期が長いが故に販売のチャンスを失っていたオーダースーツが既製服に対抗できる‟鍵”だと考えていますから、

縫製業界やオーダースーツ業界の価値を高めるためには業界を挙げて取り組むべき問題と考えています。

ですから積極的に参加者にはお話ししたいと思い、熱が入っているのです。

ということで、この夏もバカンスとはご縁がないようです。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 08:52| Comment(0) | 仕事のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月12日

ようやく完成!インポートシャツサンプル



ヨシムラでもビッグヴィジョンでも安定的な人気があるのがハイクラスのインポートシャツ地※
※:伊アルビニ、カンクリーニ、トーマスメイソンなどの高級シャツ地

これから本格的なクールビズ期になると、皆さんネクタイを外しジャケットも着ないようになりますからお洒落をするにもアイテムが限られてしまいます。

そんな時に、ファッションアイテムとして一番注目されるのがシャツです。

カジュアルでは色柄など目立つ所が注目されますが、ビジネスではやはり素材の上質さが一番求められるところ。

初夏位までは、ブロードやフランス綾の艶やかな光沢感が・・・
盛夏には、綿と麻(リネン)の混紡で麻の生み出す光沢感としわ感が・・・

洋服に詳しくない方でも、一見して分かる素材感の違いはファッションアイテムとしては強烈な武器ですね。

もちろん、仕立てもサイズ感も重要ですが、今回は素材の話なのでそれに限定します。

そこでタイトルに戻るのですが、この上質素材を集めたインポートシャツ地の生地サンプルがようやく完成しました。

スーツ地の生地サンプルは毎シーズン制作していますが、シャツ地のサンプルは数年に一度の制作。
新型コロナの影響もありかれこれ5年ほど以前制作していた物を使用していましたが今回一気に作り替えました!


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ですが、このシャツ地のサンプル帳、実は半年以上の時間がかかってしまいました。
何故かというと、この半年の間に起きた諸々の世界事情の影響を一気に受けてしまったのです。

世界的なインフレで、価格交渉が難航し、、、
新型コロナで、生産が遅れ、、、
世界的物流網の混乱で、納品が遅れ、、、
更にはウクライナ問題で、遅れたところが更に遅れ、、、


などなど、今回ほど難産なサンプル製作はありませんでした。

それでも、出来上がったサンプルを一枚一枚めくっていると、お客さんが喜んだり、驚いたりする顔が想像でき、とても楽しくなります。

オススメは・・・というとどれも可愛い我が子ですから優劣を付けられないので何とも言えませんが、ちょっと個性的なのはデニムの生地

20220512-2.JPG
※画像はデニムではありません。リネンです。

これは無茶苦茶お洒落です!!!
洒落のある人なら絶対に目を引きます!!!

が、この商品、これまでにないデメリット表示が付きます!

つまりデニム製品は、ジーンズでもそうですが初回選択をすると必ず色落ちが起こります。
でも、そこはイタリア製品。
色落ちの具合がハンパではありません。

白い物を入れて一緒に選択すると確実に青くなってしまいます。

一般的なジーンズでしたら初回は気にされますが、以降は普通に洗いますよね?

それがこの商品に限っては最低3回ぐらいは白い物と別に洗ってもらわないとダメそうです。

ただ、これはB品という訳ではありません。
イタリア基準なら全くOK。ノープロブレムなんです。
日本が色落ちなどをクレームにするケースが多いため、特に注意が必要なのです。

ということで、実際に店頭に出す現物の生地には色々とデメリット表示が付くと思いますが、その色落ちを楽しむのもファッションだと思って、お好きな方は是非チャレンジして下さい!


posted by オーダースーツのヨシムラ at 10:54| Comment(0) | 仕事のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月23日

あるべきオーナー企業の姿



オーナー企業というと悪いイメージを持つ人が多いと思います。
よくある悪いイメージは、会社の私物化で、会社の金で豪遊したり、従業員を奴隷のように扱ったり、と確かに現実にはこういう会社もあるのだと思います。

ですが、逆説的ですがこういった会社を見てオーナー企業を批判することが出来るでしょうか。

とある会社の話。

その会社は、社歴は長く50-60年位?オーナー企業で高度成長と共に大きく躍進し、当時は従業員も1000人近くいた業界では有名なメーカーでした。
業績もまずまずだったのですが、5年位にオーナー一族が投資ファンドに会社を売り、以来、ファンドが経営していました。

ファンドが経営といっても頭でっかちなファンドの社員には、専門性の高いメーカーの経営はできません。

ですから表向きの代表は、古参の社員が代表を務めていました。
その古参社員は、人柄は良く真面目な方でしたが、いかんせん、経営者としての教育を受けた方ではなく、(言葉は悪いですが)工場長位の器の方でした。

ここで、新型コロナが猛威を振るい始めます。

業績は、そこの製品を売る店が営業できなくなり急低下します。
2021年度決算は大赤字でした。

結果、ファンドはその会社を見限り、従業員の多くを解雇し、主だった資産を売却することにしました。
ファンドは不動産などの資産を売却したことで、損は回収したようです。

実はこういった会社に先日お邪魔する機会がありました。

社員は既に解雇され、もぬけの殻でした。
食堂には、その地域のハローワークの臨時受付所(?)になっていて解雇された社員たちの再就職の場を会社が準備していたのだと思います。

・・・とそんなお話です。

これを見た私はオーナーを失ったオーナー企業(サラリーマン企業化した元オーナー企業)の成れの果てを見たような気がしました。

何が違うか?
それは危機に対して長期に対する視点あがくことだと思います。

その会社と当社は業種業態が違うため単純な比較はできません。

ですが詳しく会社分析をすると、その会社は従前、特定企業の売上が全体売上に対して突出して高く、私から見るとすごくリスクに感じてました。
新型コロナにより、その売上高が突出した企業がダメになり、結果、連鎖的に業績が悪化したのです。
更に言えば、取引条件が悪く、相当な製品在庫を持たされていたのでこれも業績を圧迫した要因だったと思います。

何故、その取引先だけに売上を集中させてしまったのか?

私だったらファンドに会社を売る時に、その取引先にも一定割合の株式を持ってもらうよう交渉したと思います。
そしてもし、それを断れたのなら、その取引先の売上シェアを落とすように頭を下げてでもお願いしたと思います。

これは【長期的なリスクに対する視点】が足りなかったことに他ならないと思います。

もちろん、長期的なリスクを予見することなど自分も含めて殆どの人はできないでしょう。
だから次の【あがくこと】なのです。

新型コロナにより当社(ビッグヴィジョン、ヨシムラ、オリテック)の3社も大打撃を受けました。
特に、多店舗展開しているビッグヴィジョンとその製造を司るオリテックは、前が売れなければ、後ろの製造も枯渇してダブルパンチになります。

ですからコロナ禍で私がしたことは、販売と製造のマイナスノスパイラルからの回避でした。
この2年、全精力をそれに注いでいたといっても過言ではありません。

具体的に何をしたか?
それは2021年度で言えば、医療用防護服の縫製受託でした。

結果、販売のビッグヴィジョンの方は業績はどうしても悪化しましたが、縫製工場の方は何とか黒字を維持できました。

これは会社が持っていた本来の業務能力ではなく【あがいた】結果生まれた産物です。

オーナー企業は、普通は個人で連帯保証をしていますから、もし仮に会社が倒産すれば家屋敷含め全てを召し取られてしまいます。

だからこそ必死です。
また、長年企業を維持していた自負から来る責任感もあります。
会社の関係者というのは雇っている従業員の数ではありません。
従業員数の家族を含めれば3〜4倍の関係者がおります。

彼らの生活を背負うこと、この意識はやはりオーナー経営者でなければ負えない重責なのでしょうか?

【長期的な視点】と【あがくこと】これに早い決断力をもって運営することがオーナー企業に必要なことなのだと思います。

今回、件の会社に出向くことで、改めて自分の責任を痛感しました。

当社も社歴だけは長く、吉村株式会社の方は130年以上の歴史があります。
私の責務は、それを永続することであり、個人の生活を豊かにすることではありません。
私のビジネスパーソンとしての賞味期限はあと10年位でしょうけれど、それまで気を抜かず全力で走りぬきたいと思います。

posted by オーダースーツのヨシムラ at 08:06| Comment(0) | 仕事のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月24日

私らしくないのですが、、、

私らしくないのですが、今日のNYタイムズの記事になぜか私の写真が載っております。。。

https://www.nytimes.com/2021/12/23/business/japan-taxes.html
※:本文はメルアドを登録しないと見れません。全文英語です。


実は、数日前、同紙の記者から取材の依頼を受けました。

『えっ?NYタイムズ紙が?』

それもそのはず、だってNYタイムズですよ?
繊維関係の専門紙の取材とはワケが違います。

「俺、そんなに有名?」もちろんそんな風には思いませんから、取材の依頼を受けた時は訳が分かりません。

で、記者さんに『なんで私?』と伺うと、何でもこのブログをご覧になって興味を持たれたのだそうです!

お〜っ、そんな数奇なお方もいらっしゃるんだ・・・(素直な驚き!)

で、取材内容はというと、
「日本の総理大臣が代わって数カ月経ち、新政権が次々と経済政策を立てているが、企業オーナーとしてどのように感じているのか伺いたい!」とのことでした。

で、でしたらZOOMとかでしたら「良いですよ〜」と軽く返事したら、すぐZOOMで取材を受けることに。
このスピード感、これがアメリカなんでしょうね、、、見習わなければ!

で、1時間ちょっと取材を受けて「ありがとうございました〜」となるかと思いきや、『後でカメラマンを向かわせていいですか?』と言われ、写真掲載が決定!

なんと取材から3時間でプロのカメラマンが現れ、パシャパシャ撮影です。

いや〜、全てが早い早い!驚きの連続でした。

取材の内容に戻しますと、主として縫製工場の社長の立場で発言したのですが、

岸田政権の掲げる賃金アップの政策が、(収益性の低い)労働集約的な地方の縫製工場ではメリットが少ない。という話をしました。

もっと具体的にいうと・・・

・賃金アップをしても消費が冷え込んでいるので価格転嫁が難しい
⇒会社収益が悪化する。

・岸田政権は、賃上げすれば法人税を減税すると言っているが、利益が出ない=法人税を払わない(払う額が少ない)のに減税されても意味がない。

・設備投資の補助金・助成金も賃上げがなされなければ受けられない。

⇒1,000万円の補助金のために1,500万円の賃上げを将来に渡って行うのは本末転倒(事実上、設備投資の助成金が資本集約産業に限定されてしまっている)

なんてことを、お話ししました。

が、記事にはあんまり書いてありません。(ちゃんちゃん)

まぁ、写真は素晴らしく格好良く撮られていますので、それをたんとご覧ください。

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※3枚目はお客さんも参加。Sさん、たまたま居合わせただけなのにご協力ありがとうございました!
結構楽しんでましたよ ね?


〜少し真面目な補足〜

上記、軽く書いていますが、実のところ経営者として今非常に悩んでいます。
それは、縫製工場での大型設備投資と、東京の販売スタッフの待遇改善問題です。

工場の大型設備投資は、地域の最低賃金+30円を当該事業所の最低賃金にしないと、補助金(ものづくり補助金)にエントリ―すら出来ません。
因みに、当社工場で今年の最低賃金改訂で、会社全体で17-18百万円の減益ですが、それをもう1度しないと助成金を受けられないのです。

ですが、従業員の待遇改善は社長の使命でもあると考えているので、賃金を上げたくないから補助金を諦めるといったロジックには陥りたくないと考えています。
⇒苦しみながらもやる方向で検討中

販売店側の待遇改善は、、、こちらは正直に言うと販売者がもっと勤勉にプロとしての日々の研鑽をすればどんどん出来る問題だと思います。
ですが、これは当社に限りませんが、今の時代、努力して何かを勝ち得て上に上がっていくという、少年ジャンプ的な野心・向上心を持つ人が少なく、これまたいつも葛藤しているところです。

経営者は賃金を上げたくないのではないのです。
仕事の質や結果が上がるのであれば、賃金に見合った働きをしてくれれば、賃金をすぐにでも上げたいと思っている経営者も多いと思います。
だって、どんな経営者でも年齢には勝てず、いつかは後継者に譲らなければならないからです。

posted by オーダースーツのヨシムラ at 14:36| Comment(0) | 仕事のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月07日

価格改定×××



巷ではこの秋から色んな物が値上げになっています。
特に食料品が良い例ですが、小麦から牛肉などの食料品のみならず、石油が上がっているからガソリンから石油精製品まで殆どの世界では物価が上がってますね。
コロナで苦境に陥っていた飲食業界も、営業再開した際には結構値上げをしている店も多いように思います。

でもまぁ、その分給料が上がれば問題なしか・・・という鷹揚な方もいるかも知れませんが、実は私の知る限り上がっていない業界が・・・

そう、ファッション業界です×××

実際のファッション業界は、どうかというと、

輸入品は、、、、円安(105円⇒115円)に加え、海外縫製の工賃上昇、物流コスト増で海外製品もコストアップ

国内製品は、、、最低賃金上昇、物流コストアップ、石油製品価格アップによりこちらもコストアップ

されど、どこも値段を上げられない。

競合他社が上げていないからということもあるのでしょうが、それにしても厳しいです。
当社もまたしかりで、今年最低賃金は793円から822円に3.7%もアップ(青森県)しました。
実のところ、当社(縫製工場)ではこの上昇だけで年間15百万円の利益が吹き飛びます。

縫製工場は設備産業でもありますので、このコスト1年間設備投資を全くしなければ凌ぐことはできます。

でも、それをすると将来の成長力をそぐことになりますから短絡的には出来ません。
そうするとどうしても値上げが必要になってきます。

う〜ん、どうすれば良いか?

価格を改訂するとすれば、シーズンの変わり目に行わざるを得ず、多分これは来年の3月からの春夏物になると思います。

セールの時にオーダースーツがセールで(税抜き)1着2万円以下で手に入るというのは、この冬が最後になるかもしれません。

posted by オーダースーツのヨシムラ at 14:05| Comment(0) | 仕事のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月11日

クリスマスプレゼントとオーダースーツ



11月も半ばになると街は少しずつクリスマス色に変わってきます。
都内も、表参道辺りを定点観測すると、少しずつ赤と緑のクリスマス装飾が増えてきてワクワクしてきますよね。

「今年のプレゼンとはどうしようか?」
「自分用には何にしようかな?」

こんなことを考える時期になりました。

ところでタイトルに書いたクリスマスプレゼントオーダースーツ

オーダースーツをクリスマスプレゼントに!ということですが、実はオーダースーツとクリスマスプレゼントというのは相性が悪いと言われています。

えっ、なんで?
オーダースーツはお値段的にも手頃な物もあるから相性は良いんじゃない?って、考えられる方も多いと思います。
実際、セーター、マフラーや手袋などファッションアイテムはクリスマスには非常に適したアイテムですから。

ではなんでオーダースーツはダメなんでしょうか?

実はこれには訳があります。

それは、、、納期の問題です。

つまり、一般的に消費者の方がクリスマスプレゼントを意識しだすのは早い人で11月中旬ぐらい。普通の人は12月のボーナスサンデー・サタデーでお店に行って考えます。

で、もちろんスーツ類もその候補に挙がるのでしょうけれど、そこで店員さんに聞くと・・・

『今日のご注文で、仕上がりまで3週間・1カ月かかります』

となり、クリスマス当日に間に合わないケースが殆どなのです。(場合によっては越年してしまう)

それ故、スーツ屋さんでのクリスマス商戦というのはどうしても小物類(マフラー・手袋・ネクタイ等)に限定されて、今一つスーツは盛り上がりません。
(既製服業界は分かりませんが)

ですが、ここにきてビッグヴィジョンでもヨシムラでもオーダースーツを1週間でお仕立てする7DAYSオーダーが浸透してきました。

この仕組みを使うとクリスマス当日にお渡しするご注文を12/19注文分まで対応可能なのです。

これはきっと喜ばれるに違いない!

211111.jpg

・・・ということで

クリスマスプレセントにオーダースーツを!

是非ご利用ください。(ちょっと宣伝が多くてすみません。)

posted by オーダースーツのヨシムラ at 08:50| Comment(0) | 仕事のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月19日

アパレル業界どうなっちゃうの?



今日のこと、という訳ではありませんが、ここの所、アパレル業界に良い話は全くありません。

つい最近も、レナウンが倒産したのはご存じでしょうが、そのレナウンをブランドだけ切り売りして他企業が買うということがありました。
(→これは私個人は『社員は要らない!』と言っているのと同義と考えており、そんなに酷かったのか・・・と嘆いております。)

それ以外にも、某メンズアパレルは百貨店でのオーダースーツ販売を7割やめるといった話が流れたり、レナウンの次は〇〇だ!といった怪情報まで流れております。
上場企業であっても油断なりません。バー〇リーを扱っていたあの企業も相当ヤバいと思います。(小生一応証券アナリストですのでその辺の見地から)

確かにコロナはGDPが4-6月で27.8%も下落する訳ですから、全業界的に厳しいのはその通りですが、その中でも特に衣料アパレル業界は酷い状況です。

まぁ、その中で業績が良いのはユニクロとシマムラ位ではないでしょうか?

昔からよく衣・食・住は喰いっぱぐれがないと言われますが、こと衣に関して言えば、日本からはファッションという感性がどこか消し飛んでしまい、国民全員がユニクロという制服を着ているようなイメージです。

なんかまるで戦時中みたい。。。

話は少し変わりますが、昔、亡父に戦中戦後の日本のファッション業界はこう変化した!という話を聞いたことがあるのですが、

その際に亡父は、自分がこの業界で仕事をしようと決めたきっかけとして
(当時当社は、戦前までは紳士物の生地の取り扱いがメインでしたが、戦後、亡父が婦人物の生地の取り扱いを増やしました。)

『戦争が終わり、豊かになってくると、これまで抑圧されていた女性がファッションの目覚めるだろう、だからレディースだ!』と言っておりましたが、世の中はその通りになりました。

やはり抑圧されていた物はどこか蓄積され、それがいつの日か一気に爆発するのではないかと思います。

だとすると今の日本の状況は、不景気で貧しくなり、ユニ●ロのような廉価な大量生産の服をいわば人民服としてしか着用できないでいますが、これがどこかでまた開花して、ファッションが栄えるのでしょうか?

行き過ぎた事には必ず反動があるとは言いますが、ファッション、アパレル業界には昔に戻るきっかけは来るのでしょうかね。。。

それまでにいくつもの屍を越えなければいけないような気がしてなりません。

posted by オーダースーツのヨシムラ at 00:00| Comment(0) | 仕事のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月14日

最近の口癖


新型コロナも第2波到来なのでしょうか?東京で連日200人を超える患者が出ているそうで、心配な日々が続きますね。
私の方は、もう夜の街に行く年齢でもない(というかあまりお姉さん系は強くない)ため、まず大丈夫だとは思っていますが、それでも気を付けるに越したことはないですね。

そんなこの頃ですが、仕事の方はというと相変わらず大変な状況です。

経営的なことを書くのは色々と尾ヒレがついて噂話になるので避けたいと思いますが、まぁ、コロナで物販全般は今年は大変ですから当社もそれなりに負の影響を受けております。
(これまた一般論ですが)工場は田舎ということもあり家賃が殆どかからない環境であるのに対し、販売店の方は家賃がかかりますから、これがネックです。
(ヨシムラは家賃収入が多いので安定していますが)

いずれにしても、コロナによって人の行動が大きく変わりますから、これに伴って会社も変わらなければならないのが今の世の中の状況ではないでしょうか?

そんな中、当社はというとコロナが発生してから色んな事にチャレンジしてきました。

1つは、マスクの販売
・・・これは元は、緊急事態宣言でいきなり首都圏からの受注が枯渇してしまい、工場を回すために苦肉の策で発売を開始しました。

結果はというと、オーダー向けの高級シャツ地を使ったことと時代にマッチしたこともあり累計販売5万枚を超える大ヒットになりました。
(うち、一部地元自治体や外注の仕事も含まれます。)

おかげで、5〜6の工場帰休日を減らすことが出来て、儲かりはしませんでしたが、働かず休業手当を貰うよりも、少しでも働きたい!と社員が思っていたようで、皆に働く場を提供できたのは良かったと思っています。

2つ目は、医療用の防護服の縫製
・・・こちらは、マスクの需要も一巡した後どうしようか?と考えた苦肉の策の第2弾
医療用防護服はアイソレーションガウンと呼ばれる使い捨ての防護服ですが、不織布でできていて、僅かではありますが、縫製が必要なアイテムです。

そこで、これを取り扱っている知人の会社にお願いして、この縫製を一部やらせてもらうことになりました。

こちらもこれで少しは工場の帰休を減らせられただけありがたかったです。

さて、
自分の本業は何か?分からなくなってしまっているかのような最近の私の仕事ですが、私には最近口癖があります。

それは、ダーウィンの進化論の一節です。

生き残る者は、強者ではない。変化に対応した者だということころ。

恐竜はその時代一番の強者であったけれど、隕石が落下して気候変動があった時に変化に対応できず、絶滅したのです。(恐竜絶滅には諸説あり)

つまり新型コロナは我々の生活を劇的に変化させたけれど、我々はこれを受け入れて、その変化に対応できなければ潰れてしまうんだ。

これは今の時代の強者(上場企業・巨大企業)でも同じで、現にレナウンは倒産したし、百貨店も大手アパレルも青色吐息。

変化に対応した者だけが生き残るということを肝に銘じて変化に順応しよう!
そんなことを毎日口にしています。

マスクや医療用防護服の縫製がそれに該当するとも思えませんが、常にこのような枯渇感を持って、新しい物を探し続けようと思います。

posted by オーダースーツのヨシムラ at 08:32| Comment(0) | 仕事のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする