2020年07月14日

最近の口癖


新型コロナも第2波到来なのでしょうか?東京で連日200人を超える患者が出ているそうで、心配な日々が続きますね。
私の方は、もう夜の街に行く年齢でもない(というかあまりお姉さん系は強くない)ため、まず大丈夫だとは思っていますが、それでも気を付けるに越したことはないですね。

そんなこの頃ですが、仕事の方はというと相変わらず大変な状況です。

経営的なことを書くのは色々と尾ヒレがついて噂話になるので避けたいと思いますが、まぁ、コロナで物販全般は今年は大変ですから当社もそれなりに負の影響を受けております。
(これまた一般論ですが)工場は田舎ということもあり家賃が殆どかからない環境であるのに対し、販売店の方は家賃がかかりますから、これがネックです。
(ヨシムラは家賃収入が多いので安定していますが)

いずれにしても、コロナによって人の行動が大きく変わりますから、これに伴って会社も変わらなければならないのが今の世の中の状況ではないでしょうか?

そんな中、当社はというとコロナが発生してから色んな事にチャレンジしてきました。

1つは、マスクの販売
・・・これは元は、緊急事態宣言でいきなり首都圏からの受注が枯渇してしまい、工場を回すために苦肉の策で発売を開始しました。

結果はというと、オーダー向けの高級シャツ地を使ったことと時代にマッチしたこともあり累計販売5万枚を超える大ヒットになりました。
(うち、一部地元自治体や外注の仕事も含まれます。)

おかげで、5〜6の工場帰休日を減らすことが出来て、儲かりはしませんでしたが、働かず休業手当を貰うよりも、少しでも働きたい!と社員が思っていたようで、皆に働く場を提供できたのは良かったと思っています。

2つ目は、医療用の防護服の縫製
・・・こちらは、マスクの需要も一巡した後どうしようか?と考えた苦肉の策の第2弾
医療用防護服はアイソレーションガウンと呼ばれる使い捨ての防護服ですが、不織布でできていて、僅かではありますが、縫製が必要なアイテムです。

そこで、これを取り扱っている知人の会社にお願いして、この縫製を一部やらせてもらうことになりました。

こちらもこれで少しは工場の帰休を減らせられただけありがたかったです。

さて、
自分の本業は何か?分からなくなってしまっているかのような最近の私の仕事ですが、私には最近口癖があります。

それは、ダーウィンの進化論の一節です。

生き残る者は、強者ではない。変化に対応した者だということころ。

恐竜はその時代一番の強者であったけれど、隕石が落下して気候変動があった時に変化に対応できず、絶滅したのです。(恐竜絶滅には諸説あり)

つまり新型コロナは我々の生活を劇的に変化させたけれど、我々はこれを受け入れて、その変化に対応できなければ潰れてしまうんだ。

これは今の時代の強者(上場企業・巨大企業)でも同じで、現にレナウンは倒産したし、百貨店も大手アパレルも青色吐息。

変化に対応した者だけが生き残るということを肝に銘じて変化に順応しよう!
そんなことを毎日口にしています。

マスクや医療用防護服の縫製がそれに該当するとも思えませんが、常にこのような枯渇感を持って、新しい物を探し続けようと思います。

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2020年07月03日

最近のお仕事・・・



私の仕事はというとヨシムラ、BV、オリテック3社の代表をやっている関係から、概ね、オーダースーツ店の社長、縫製工場の社長、不動産管理業の社長といった感じでして、その行動は?というと、東京本社を中心に、時に縫製工場のある地方出張というのがある種のルーティーンなのですが、最近の私の行動にこれまでにない行動が目立ってきました。

女性?いえいえ、そういう年齢はもう過ぎました。(-_-;)

ではなく、なんと役所に行くことです。

詳細はあまり話せないのですが、最近はなぜか経産省へ行くことが多くなっています。

日本の中でこれほど真面目で、知的水準の高い場所は他にはないぞ!
(ある種、スーツ屋の社長としては見込み客だらけなのですが・・・)

と思いつつ、足しげく通うこの頃でした。

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写真は、経産省の入り口に展示されていたガンダム

何でも中東ドバイでJAPAN EXPOをするそうで、そこで展示されるもののミニチュア版のようです。
中東仕様のガンダムはどこか砂漠感があって渋いですね。


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2020年04月07日

なんということだ・・・



今日はもう社内が騒然としています。

それは、、、夕刻に出されると言われている首都圏の緊急事態宣言です。
厳密にいうと、その対応に追われて社内が騒然としているのですが、

まずは午後一番ぐらいにアトレからそれから順次、横浜のジョイナス池袋のエソラ池袋、最後に、新宿サブナード地下街と、どんどん緊急事態宣言による休館の連絡が入ってきたのです。

1週間ぐらいの休館なら何とかしのげます。

ですが、4/8〜1か月間ですからね。。。

その間、売上を、スタッフを、どうすれば良いのでしょうか?

休業の店舗スタッフはどうする?一時帰休させる?

でも、対象外の店舗スタッフとの公平性は?
公平性を重視するなら、輪番で一時帰休を実施?

同じような商業施設のヨドバシカメラはどうなってるの?
大阪のドーチカ地下街は?

あっ!、そうだ!BVの受注が減れば、青森や新潟の工場の方も稼働が下がる。
そっちの工場の方のBV以外の取引先の緊急事態宣言での対応はどうなってる?

BV以外の取引先も休業?
だったら、工場も一時帰休させなくては。

雇用調整助成金の特例措置ってどうやって申請するの?
従業員の中で一時帰休で生活困窮する者はどれぐらい想定される?
彼らへのフォローは?

社員にも状況説明の手紙を書かなくては・・・

世の中は自粛要請で、神田の街も閑散としていますが、私の方はというと普段以上の忙しさです。

ああああああああ!しんどい!
しんどいが、自分がやらねば誰がやるんだ!だから自分がやる。
みんな辛いんだ、誰に文句を言っても始まらない。
ぶつぶつ言わず、やるべきことをやっていこう!


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2020年02月18日

ド派手なプリント柄裏地



井の中の蛙とは良く言ったもので、同じ事をず〜っと続けていると時々世の中が見えなくなることがあります。

これは仕事にも言えることで、長年オーダースーツの販売を自店で行ない、しかも自身が社長であったりするとついつい自分の会社(お店)のことだけになりがちで、“そうなってはいけない”と思いつつもそうなっている自分が良くあります。

変な書き出しになりましたが、私にとってヨシムラやビッグヴィジョンのオーダースーツの小売業は20年以上続けてきたライフワークですから、トレンドの流れやオーダーの仕組み(もちろん採寸・体型補正も)良く知っていたつもりでしたが、先日、青森工場を訪問した際に、ちょっと驚くことがありました。
(それが自分が井の中の蛙だったということなのですが)

それは、中小テーラーさんの自店差別化の方法です。

どんな事かというと、青森工場ではビッグヴィジョンの他、年間5,000〜1万着程度ご注文いただく大型販売店様が数件ありますが、
実はそれ以外でも年間500〜1,000着程度の中小テーラーさんからもご注文をいただいております。(まぁ、ヨシムラの規模ですかね?)

その中で大型販売店さんはスケールメリットを生かした価格戦略を出しているところもあれば、規模が大きいので独自の型紙を作成してオリジナリティーを出しているお店もあります。

しかしながら中小テーラーさんは資金面・人材面で独自開発を、というのはなかなか出来ないのが実情でしょう。

大型販売店はこれに加えて、広告宣伝なども可能ですからそうなると中小テーラーさんはますます独自色を出すのが難しくなります。

こういった時、中小テーラーさんはどうするかというと、技術力がある所は体型補正等で差別化することもありますが、これはなかなか消費者から見ると分かるような分からないようなで、評価が付かないところでもあります。

ではどうするか?
そこが悩み処ですが、先日工場の縫製現場を歩いていると、あることに気付きました。

それは派手な柄物の裏地を持ち込んでくるテーラーさんが多いこと、多いこと。

イメージとしてはエルメスのスカーフみたいな柄を持ち込み、これを裏地に使用して仕立てるのです。

裏地というのは、図柄を印刷のようにプリントしたプリント柄や織りで柄を表現した織り柄がありますが、近年はプリント柄が不人気でしたのであまり取り扱っていませんでした。

まして、大柄の派手な裏地などは柄で好き嫌いがはっきり分かるため、また職場などで派手すぎるという批判もあるでしょうからヤ○ザさんやバブリーな不動産屋さんを除いてはニーズはあまりないと思っていました。

だからこそ商業ベースには乗る訳もなく取り扱う価値なしと考えていました。

それが!
前述の中小テーラーさんは、小回りの良さを生かして派手な大柄プリント柄を積極的に自店の差別化として使用していたのです。

一見すると超〜派手ですが、これぞまさしく一点もの。

昨今、表地の色柄の動きが無地中心に動いている中、外見は没個性的な流れがありますが、そんな中に、裏地がド派手というのは消費者の方にも受け入れられているようです。

蛇足になりますが、派手な裏地というのは実は!日本人に特に顕著に出てくる特徴です。

何故かというと、一説によるとそれは徳川吉宗の倹約令に遡るようで、
江戸時代、倹約令で派手な着物を着れなくなった商人たちが、自らの豪奢ぶりを見せるために裏地をド派手にしたのが由来ということも言われておりまして、そういうことからも派手な裏地が受け入れられるのかも知れません。

長くなりましたが、ということでただ今ド派手なプリント柄を取り扱うべくごそごそ動いております。

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2020年01月17日

RPA元年?

年始も一段落してきた今の時期、少し時間が出来たので業界新聞である繊研新聞をまとめて読み直してみました。

年始というとどの新聞でも多いのが業界や企業TOPの年頭挨拶・抱負についてなどですが、今年の業界新聞を読んで思ったことは、


【ロボティクスやRPAについてのコメントが非常に多かったこと】

正直驚きました。

本ブログを読まれている方は一般の方(つまり繊維・縫製・洋服業界でない方)が圧倒的ですので、違和感を感じるかも知れませんが、
これからの世の中は“AI(人工知能)だ!”と言われたのが昨年だったとしても、実はこの業界(繊維・縫製・洋服業界)は全くと言ってよいほど反応薄でした。

それは業界人的に考察すると、縫製業や洋服業界(小売業)は小規模で、設備投資も限定されて、かつ労働集約的だから、AI(人工知能)など夢物語としか感じられなかったからだと思っています。
(つまり、人工知能でスーツを売る、人工知能で縫製の効率を高めるなんて話が現実の物と思えないという意)

実際、AIの問題はこの業界では一部大手の小売やメーカーを除けば、具体的な話など全く出ていません。

私自身も縫製工場やオーダースーツ販売店を経営していてもコストとのバランスを勘案すればAIを活用することなど現実的には想定できていません。

ですが、AIは無理でも、昨年から密かに考え社内で研究・開発していたのがRPA(ロボティック プロセス オートメーション)でした。

これは人が行う単純作業を機械が自動的に行うという内容ですが、これなら発想次第では業務の改善・省力化に繋がる!と思い、昨秋から少しずつ実行に移していたのです。

:RPAについてあまりご存知でない方はこんなイメージでお考え下さい。
皆さんが毎朝、出社すると、PCの電源を入れる、ブラウザーを立ち上げる→Newsサイトに行く、とか、メールソフトを立ち上げる、受送信する、とか、会社のサーバーに入り、定期的な行動をするとか、皆さんされますが、これを全て自動でやってしまうということです。
この例で言えば、朝8:00時に今の処理を全てやってくれれば、PCの立ち上げを待つ時間も必要なくなりますし、Windows上のソフトをクリックする必要もなくなりますから省力化につながります。
これをもっと複雑にするのがRPAです。

で、実のところ当社でのRPAは(多分縫製工場では)かなり進んでおりまして、近いうちに取材を受けることになっているのですが、
私としては他の人が気付かない内に先行したいと思っていたのですが、どうやら企業のTOPにいる方は皆気付いているようで、だからこそ業界新聞の年頭挨拶・抱負などにこのことが掲載されているようなのです。

う〜ん、皆さん考えることは同じなんだな・・・と思いつつ、当社での今後の更なる活用を考えていた私でした。



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2020年01月03日

新年おめでとうございます。



今年は2020年、待ちに待ったオリンピックイヤーですが皆さんお正月をどう過ごされていますか?
きっとご家族や恋人、親しい人と一緒にゆっくり寛がれていることと思います。

私はというと、、、
今年は過去になく最悪?なお正月で、なんと大晦日〜1/2までずっと会社で仕事をしておりました。(もちろん夜は帰宅していますが)

何をしていたかというと、ビッグヴィジョンの初売りで行っている“楽ちんオーダー”のメール対応

楽ちんオーダーというのは、リピーターのお客様であまり複雑なご注文でない場合、お受けしているWebからのオーダーを言いますが、このメール返信でお正月をつぶしてしまいました。

というのも、ビッグヴィジョンでは12/29〜1/2までお休みなのですが、その間に頂いたWeb注文が1/3の御用始めでは対処しきれないため、やらざるを得ないのです。

件数で言えば概ね200着程度ですからビッグヴィジョンの初売りとしては大したことはないのかも知れませんが、これを1/3一日で処理するには無理があるからなんです。

この仕事、例年は1/3に5名体制ぐらいでメール返信していました。

が、今年は私の都合でどうしても1/3にお休みを頂かなければならなくなり、結果自分が1/3に行う仕事を全て前倒しで行ったのです。

この不遇?を知り合いの社長さんに愚痴ったところ、
社長業が担当者の仕事をしては部下が伸びないよと言われました。

はい。その通りです。。。

ですが、昔の私(ヨシムラでSHOPMASTERをしていた頃)をご存知の方ならお分かりでしょうけれども、どうしてもキチンとしたサービスをしないと気がすまないのです。

ということで、お正月は全て潰して仕事をしておりました。

仕事の方では、今年は色んなことにチャンレンジします。

まずは、青森工場とビッグヴィジョンでは昨年10月から始めた7Daysオーダーを定着させるのが一番の仕事。
こちらは、オーダースーツのジャンルを超えて、既製服を含めたスーツマーケットにチャレンジする側面がありますから、広告方法も色々変えていきます。

次は、4月に竣工する新本社ビルの立ち上げ

後は、何でしょうか?後継者育成でしょうか?

とにかく今年も大変な一年になりそうですが、大胆に、そして慎重に事を運んでいきたいと思います。

今年も体力ある限り色んなことにチャレンジしていきます!



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2019年12月16日

社長業

今日はちょっと自分がお客様になった立場でのお話を1つ。

週末、某東証一部上場の家具屋さんのお店に行ってきました。

実は、本当はクリスマスプレゼントを買いに百貨店に行ったのですが、食事まで時間が余ったので、
“そういえば、この家具屋さんが某電気屋さんの子会社になったっていう報道があったなぁ”と思い出し、こういう状況で従業員はどんなモチベーションで仕事をしているんだろう・・・と純粋な興味から見に行ってきました。

特段、近々引っ越す予定がある訳でもない私が売り場を見に行ったのですから、冷やかしと言われても仕方がありません。

ベッドを見て、ソファーを見て、ふと、絨毯のところで足が止まりました。
(全くの偶然、たまたまです。)
ペルシャ絨毯 150万円、、、たっ高い・・・
と思いつつ、これも織物と思い、縦糸は横糸はとちょっと触っていたところ、40歳前後の店員さんが声を掛けてきました。

「いらっしゃいませ。何かお探しですか・・・」

こちらは買う気はなかったので、ちょっとだけ「これはシルク100%ですか?」「この柄は手織りですか?」と、自分で分かる範囲のことを質問していたのですが(一応生地屋ですからシルクかどうかは触れば分かります。)その受け答えが大変良かった

詳しくは話が逸れるので書きませんが、流石、プロというか、高級品を販売する人は他にはない知識と接客スキルがあるからこそ高級品が売れるんだ!と改めて感心しました。

ところで、本題なのですが、実は私が接客を受けている時、
なんと!女性社長さんが絨毯売り場に立ち寄らました。(私の横5mぐらいに)

2〜3人の人に囲まれて、売り場で写真を撮っていました。

その時のことなんですが、私もテレビでお顔は存じていましたので“へ〜っ”と彼女を見ていたのですが、彼女は私に声を掛けないどころか、一瞥さえされませんでした

私には別の意味で、“へ〜っ”と思いました。

何故なら、自分だったら必ずお客様に声を掛けるからです。

『いらっしゃいませ!お騒がせしてすみません。ちょっと●●で撮影がありまして、、、』
なんて感じでお客様に声を掛けると思います。

それが全くなくてとても残念な思いをしました。

きっと私がビッグヴィジョンの売り場に立っても自分が社長だと気付く人なんて殆どいないでしょう。
一方、こちらの家具屋さんはあれだけTVに出ている訳ですから当人は知らなくても彼女の顔を知らない顧客はいないはずです。
でも、声を掛けないんだ・・・

ちょっと驚くと共に、自分とは違う社長業のあり方に少し驚きを感じました。


因みに、私はこの会社(社長)の行動を以前から注目していました。

・高級品の小売業であること
・社長が2代目3代目であるということ
・社長のキャリアが自分と非常に近いこと
 (こちらの社長は90年91年位に大学卒業、1Stキャリアは銀行で同じ)


とかが非常に近いからですし、一会社経営者として危機管理を学ぶ上で3年前の親子喧嘩以降、マスコミに叩かれているこの会社がどう再生するか?
自分ならどうするか?という目線でずっと見ていました。

自分のやり方が正しいなんて思うことはありませんが、自分との違いを凄く感じさせる出来事でした。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 11:02| Comment(0) | 仕事のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月07日

定着するか?AI採寸



昨年のZOZOスーツ以来、オーダースーツ業界ではこれまで採寸者の“感覚”で行っていた採寸(体型補正判断)を機械という“客観”に置き換えるチャレンジをしているお店が大手を中心に増えてきています。

『そうだよな、時代はIT、AIだから当然だ!』とお思いの方も多いでしょう。

でも、実はこれって20年前から挑戦され続けていることなんです。

私が思い出すのは、丁度オーダースーツのヨシムラをやり始めた2000年頃。

当時、お店の名前は忘れてしまいましたが多分大手企業だったと思いますが、
筒状の試着室のような丸い小部屋に入り、採寸される方はTシャツ、下着姿で、それをぐるっと機械が回りながら立体的に採寸するという物でした。

当時の物を思い出すと、スーツ作るのに下着姿になっる人いるかなぁ?と懐疑的に思いましたが、案の定、定着はしませんでした

あの当時は私も若く、採寸や体型補正を見極める判断技術も今ほどは深く理解できていなかったため、『下着姿になるのが恥ずかしい⇒だから定着しない』といったロジックで見ていましたが、今思うと、機械による採寸には次のような問題があると思います。

採寸時点でリラックスした状態になっているか?
・・・長年採寸していると良く分かりますが、人は鏡を前にすると不思議なことにその時だけ背筋がピンとするものです。
健康診断で腹囲を測るとき、凹ますのと同じです。
そうなると自然な体型判断が出来なくなります。

試しにマッサージをする前後で写真を撮ってみてください。
多分、肩や背中の雰囲気が大きく変わると思いますよ。

ヌード寸法と仕上がり寸法の違い
・・・衣類は身体の裸のサイズ(ヌード寸法)に“ゆとり”を加えることで仕上げます。
ゆとりが大きくなればゆったり着れますが、見た目は悪くなります。
そしてこの“ゆとり”は身体の場所場所によって違いがあり、そこが見た目にも、デザイン性にも大きく影響します。
ですから、最低限のヌード寸法は必要ですが、ゆとりで外観が変わるため機械的に判断するというのは難しいのです。

●大切なことは良し悪しを理解した上で決めること
・・・前述の“ゆとり”の続きですが、ゆとりを減らせば見た目はシュッとしますが、反面、窮屈にもなります。
ご存知の方もいると思いますが007の映画でジェームスボンドが1本の映画で使うスーツは何10着にも及びます。
これは静止状態で見て格好良いスーツと、激しいアクションの中で格好良く見えるスーツが違うからで、シーンごとにスーツを作っているからです。

つまり、スーツはお客様がそのスーツをどう着用し、どう見られたいか、見た目も重視するし、着用感も重視する、そのバランスをどう判断するか?が大切で、こればかりはお客様に直接お話をするしか理解する手立てはないのです。
(まぁ、AIでここまで判断できれば負けちゃいますが)

だからこその“BESPOKE”(Be Spoke=しっかり話すという意から注文服を指し示す言葉)なのです。

だから、私はこの取り組みは、あまり上手く行かないのではないか?と思っています。

でも、人を批判するばかりでは進歩がありません。

もう1つ考えなければならないことが、この採寸技術力の低下です。
業界全体を見回しても、正直、これがしっかり出来ているお店、人は多くありません。

大変残念なことです。

昔であれば、注文を受けたテーラーが型紙を直接起こし、職人がそれに従って縫っていました。

が、昨今のイージーオーダー、パターンオーダーでは販売店のテーラーは型紙を引くことはもちろん、型紙自体も十分理解できていない人が多くいます
更に、その先の体型補正に至っては、本来は縫製工場ごとのやり方(型紙上の操作方法)を理解しないと正しく指示できないにも拘らず、いわば適当に対応しているのが実情で、これは正直嘆かわしいことだと考えています。

かくいう、ビッグヴィジョンでもそういう傾向が年々出てきているので出来るだけ指導するようにしているのですが、なかなかままなりません。

この点、ヨシムラの方はフルオーダーをやっておりましたのでそのノウハウが今生きていて、この辺は相当良い水準だと思いますが、それでも販売(ヨシムラ)と製造(工場)が物理的にも分離している以上限界があり、この技術面の習熟度合いが将来的な生き残りための最重要ポイントになってくるのではないかと思います。

いずれにしても、どの業界も日進月歩で、努力をして新しいことに挑戦することでしか生き残りは図れません。

当社(ヨシムラ、ビッグヴィジョン)は機械による採寸には反対の立場をとりますが、その判断が謝っていた時(あるいは期待に見合う装置?が出来た時)には前言を翻してでも追随するようにいたしたいと思います。

三越伊勢丹がAI採寸に挑戦するようですがエールを送りたいと思います。

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2019年07月07日

賞与・・・



会社勤めの方は今夏のボーナスはもう受け取られましたか?

実はただ今、ビッグヴィジョン、ヨシムラ、各縫製工場の賞与についてここ2週間ほどかかりっきりで計算をしています。

各社の月次決算を見て、、、
各社の目標達成度合いを見て、、、
今後起こり得るネガティブ・ポジティブ要因を考慮して、、、


で、全体額を計算

その後は、
管理職から提出された個人別評定を見て、一定のルールに従って5段階評価をして、評価ごとの配分の傾斜を考えて、、、
個人別の金額を決定。


それが終わると、対象者一人一人に対して何故この評価になったかの説明や今後こうなって欲しいなどのコメントを書いて、、、
(コメントは縫製工場の方は人数が多すぎて出来ず、BVとヨシムラだけですが)

そんなことをしております。

そしてこの作業、なかなかオフィスでは出来ません。
一人一人の評価が関わっていますし、集中しなければ出来ないので。。。

ということで、ここ2週間は週末のたびに出社してポチポチPCを打ちながら独り仕事をしております。

因みに、私自身は賞与は貰えません。
会社代表者は賞与としてもらうと利益処分となり税金面で不利だからなのですが、自分ひとり貰えないので複雑な気持ちです。

でもまぁ、社員は皆ボーナスを楽しみにしているから、頑張ろう!

あぁ、海でも山でも遠いところに行きたい!!!


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2019年05月29日

働き方改革は本当に働き方を変えているか?



今年から残業時間の規制強制有給消化の流れから最近働き方改革がとみに言われるようになりました。

私の年齢(50代)になると多くの人は残業対象にならない管理職ですからこの年齢以上の方は残業についてはあまり実感が湧かない人もいるかと思いますが、有給については休みを取らなければなりませんから、休みが増えてGOOD!という人も多いでしょう。

皆さんのご年齢・役職・職場ではどうでしょうか?

※因みに企業経営者はこういったものと無関係のため従来と何も変わりありません。企業経営者は労災にも雇用保険入れませんから会社が倒産したり、怪我をしても何も補償されないのです×××(こっちも何とかして欲しい!)

さて
この働き方改革ですが、これで皆さんは幸せになりましたか?

この質問で私は(休みを取れて・残業へって)幸せになった!”と言える人は本当に幸せな人(おめでたい人)だと思います

休みを取って、仕事量はそのままでしたか?
仕事の達成度合は下がったんじゃないですか?

仕事を効率化して休みを取る、、、これは正しいことですが理想論であり、全ての会社人が出来ることではありません。

そんな中、残業しないでいたら、、、

まずは残業代が減るんじゃないでしょうか?

お給料の考え方の一つに、生活給というのがあります。
つまり生活するための給料という意味です。
皆さんの中で、残業代は生活給だったのではないですか?

それが手に入らなくなったら、、、残業と共に給与も減ってしまう

加えて、有給を取って仕事のパフォーマンスが落ちたら、、、会社のパフォーマンス(業績)も下がります。

そうすると、経営者的には賞与を減らす方向になるでしょうね。。。

そうなると賞与も減り、結局年間の収入が減るだけなんじゃないでしょうか?

そうならないためには、純粋な意味で仕事の効率性生産性を高めて、今まで長時間かかっていた仕事を短時間で仕上げる、短時間で結果を出すしか現在の所得を維持することは出来ないのではないでしょうか?

私としては、働き方改革が“働き方”の改革であるならば、生産性の向上(改革)が主題にならないと改革にはならないのでは?と思います。

代わりに今やっていることは休みの取り方改革” “休みの使い方改革なんじゃないでしょうか?

どこかで求める方向がずれてしまったような気がします。

このままで行くと、人間はどんどん怠惰になり、怠惰になった分、労働ではなく機械に頼って企業経営は運営されていくのではないでしょうか?

それは企業経営で言えば、従業員に期待をしなくなり(=安い給料で雇い)、肝心なことはAIなどに判断させていくのではないかと思います。

私が若い頃勤めていた金融機関も融資業務など重要で志やハートが必要な業務も休んでばかりいる銀行員に替わってAI融資マンが融資判断する時代になるんでしょうね。
(今既に、一部銀行ではAI営業部長がいますよ・・・)

5年もしたら、半沢直樹の時代は遠くなりにけりなんてことになるのでしょうか。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 07:00| Comment(0) | 仕事のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする