2022年12月12日
コロナの影響が出てきています。
先週、ヨシムラの大阪店でコロナ陽性者が出て、1週間臨時休業のご案内をいたしましたが、実のところ、青森、秋田、山形、新潟の各縫製工場でも連日、コロナ陽性者が増えてきています。
コロナ陽性者数も毎日の報道ですし、東京で1万人を超えても、何とも感じなくなってしまいましたが、良く見ると最近は地方の方が人口当たりの比率では高くなっています。
そこで先週の人口10万人当たりの感染者数を週間で調べてみたところ・・・
東京都:26位 なんと!天下の東京都が47都道府県で平均以下の26位!
で、当社の工場がある青森、秋田、山形、新潟を見てみると・・・
秋田:3位
新潟:5位
山形:6位
青森:19位
、、、、と、当社の工場がある地方では、何とも不名誉なというか大変な事態になっています。
感染症に詳しい方に以前話を伺ったところ、感染症の対策には限界があり、感染のピーク(山)を抑えることはできるけれども、中長期的に感染そのものを減らすことは出来ないのだそうです。
(スペイン風邪等々、このことは歴史が証明しているそうです。)
ということは、今回のコロナを地方と東京に分けて言えば、
地方は昨年一昨年とコロナが広まる過程において、非常にナーバスになって感染症対策をして、結果、陽性者数は首都圏と比べると圧倒的に少なかったです。
が、それはピークを遅らせただけで、いざ病原菌が入ってくると、それまで免疫を持っていない人が逆に多いため、後から感染拡大している、ということのようです。
(専門家ではないため、間違っていた場合ご容赦を)
いずれにしても、実のところ今の時期は縫製工場にとってはオーダーのピークでただでさえも残業体制で受注処理をしなければならないのですが、ここのところコロナ陽性・濃厚接触でお休みになる人が多く、工場を取りまわすのに苦労しております。
物によっては2か月近くなる納期の物もあり、ご注文をされるお客様の中には『7DAYSが1週間でできるのに何で2か月もかかるんだ!』とお叱りを受けることもありますが、
何分にも年末年始休暇とコロナ患者による生産数量減によるものなのでどうかご理解ご容赦のほどお願いいたします。
(7Daysオーダーはラインが違うため、ギリギリの所で踏みとどまっていますが今後状況次第では7日間を維持できなくなることもあり得ます。お含みください。)
厳しい年の瀬です。
2022年10月07日
青森工場へ出張
今週は後半に青森工場まで出張で来ています。
私の場合、1月に1度は青森工場へは出張するようにしているのですが、そこで何をしているかというと、定例的には営業の会議や工場の設備投資関連の問題、人事などですが、今回は結構重要な案件目白押しでした。
どんな内容だったかというと、、、
●最低賃金改定による給与改定
⇒近年の最低賃金の急激な上昇は毎度書いていることですが、縫製工場のような従業員数が多く、また残念ながら賃金水準の低い業界には、本当に死活問題です。
青森県は最低賃金が31円上がりますが、これによる影響は年間で25百万円にも及びます。
とはいえ、最低賃金が上がったから賃金を上げる(≒最賃が上がらなければ賃金を上げない)は誤りですから、当社としては積極的に行っています。
ただ、そこには一人一人の能力に応じた評価も必要になり、個別の案件となると相当デリケートにきめていかなければなりません。
●工賃交渉
⇒最低賃金上昇の反動は縫製工賃に反映しなければ会社は倒産してしまいます。
ご参考まで、当社のようなオーダースーツ縫製工場の生産性はざっくりいうと、1人の従業員が一日1着縫製している勘定です。(本当はもう少し悪い)
時給換算で31円上がると、31円×8時間労働=2483円 ≒300円(社保等を考慮)のコストアップです。
これが最低のコストアップで、昨今の物価上昇は裏地やボタン、芯地、電気代、運送費全てが上がっていますから実際にはもっともっと厳しいです。
そこでお取引先様へ工賃改定のお願いをしているのですが、一番の難敵がグループ内のビッグヴィジョン。
どちらも私が代表をしていますから内々に決めてしまえば良いと言えばその通りですが、どちらにも従業員がおり、それぞれの立場がありますからなかなか簡単にはいきません。
とはいえ、難産の末、何とか形になるようにいたしました。
●来年の設備投資
⇒青森工場では来年、更にパワーアップするため大型の設備投資を行います。
今ある自動裁断機(生地を型紙に合わせて切る装置)は現在5台ありますが、これに更に2台追加することに。(このほか新潟は3台)
そして、7Daysオーダーで大活躍の自動倉庫の増設。
現在は1500種類の生地を自動倉庫に保管していますが、これが3200種類に増えます。
加えて、省力化のためのシステム変更もあってスタッフも大変です。
縫製工場は手作業が多くローテクと言われていますが、最新の工場は意外とハイテクなのです。
そんなことを、2日間の出張でやっておりました。
あ〜っ、疲れた×××
おまけ:青森県はリンゴの産地!リンゴの出荷が最盛期に入りつつありました!
機会があれば、読者の皆さんも青森工場へご招待したいです。


私の場合、1月に1度は青森工場へは出張するようにしているのですが、そこで何をしているかというと、定例的には営業の会議や工場の設備投資関連の問題、人事などですが、今回は結構重要な案件目白押しでした。
どんな内容だったかというと、、、
●最低賃金改定による給与改定
⇒近年の最低賃金の急激な上昇は毎度書いていることですが、縫製工場のような従業員数が多く、また残念ながら賃金水準の低い業界には、本当に死活問題です。
青森県は最低賃金が31円上がりますが、これによる影響は年間で25百万円にも及びます。
とはいえ、最低賃金が上がったから賃金を上げる(≒最賃が上がらなければ賃金を上げない)は誤りですから、当社としては積極的に行っています。
ただ、そこには一人一人の能力に応じた評価も必要になり、個別の案件となると相当デリケートにきめていかなければなりません。
●工賃交渉
⇒最低賃金上昇の反動は縫製工賃に反映しなければ会社は倒産してしまいます。
ご参考まで、当社のようなオーダースーツ縫製工場の生産性はざっくりいうと、1人の従業員が一日1着縫製している勘定です。(本当はもう少し悪い)
時給換算で31円上がると、31円×8時間労働=2483円 ≒300円(社保等を考慮)のコストアップです。
これが最低のコストアップで、昨今の物価上昇は裏地やボタン、芯地、電気代、運送費全てが上がっていますから実際にはもっともっと厳しいです。
そこでお取引先様へ工賃改定のお願いをしているのですが、一番の難敵がグループ内のビッグヴィジョン。
どちらも私が代表をしていますから内々に決めてしまえば良いと言えばその通りですが、どちらにも従業員がおり、それぞれの立場がありますからなかなか簡単にはいきません。
とはいえ、難産の末、何とか形になるようにいたしました。
●来年の設備投資
⇒青森工場では来年、更にパワーアップするため大型の設備投資を行います。
今ある自動裁断機(生地を型紙に合わせて切る装置)は現在5台ありますが、これに更に2台追加することに。(このほか新潟は3台)
そして、7Daysオーダーで大活躍の自動倉庫の増設。
現在は1500種類の生地を自動倉庫に保管していますが、これが3200種類に増えます。
加えて、省力化のためのシステム変更もあってスタッフも大変です。
縫製工場は手作業が多くローテクと言われていますが、最新の工場は意外とハイテクなのです。
そんなことを、2日間の出張でやっておりました。
あ〜っ、疲れた×××
おまけ:青森県はリンゴの産地!リンゴの出荷が最盛期に入りつつありました!
機会があれば、読者の皆さんも青森工場へご招待したいです。
2022年09月21日
地方の時代
ここのところ物価上昇が止まらないですね。
一庶民としては食料品やガソリン代が上がり辛いところですが、私としては見方を変えると意外と悪くないのでは?と考えています。
えっ、物価が上がり困窮することが良いなんて考えてるの?と、お叱りを受けそうですが、地方の会社(縫製工場)を経営している身からすると、これが意外と悪くないのです。
というのは、確かに今年最低賃金が過去最大だった昨年よりも上がり、人件費は縫製工場全体で年間25百万円以上コスト増になるので大変ですが、円安による輸入物価の高騰は、国内の縫製工場にとってはバブル崩壊以降円高を盾に海外へ縫製業が流出していった過去30年の大きな流れがようやく逆転してきたと言えるからです。
簡単に言うと今から30年前、オーダースーツの一般的な縫製工賃は国内縫製で20,000円ぐらいでした。
当時(1990年)の為替レートは1ドル145円ぐらいでしたから今とそれほど変わりありません。
それが、1995年には1ドル100円を切り、その後100-110円台で一進一退をしていましたが、東日本震災の2011年には70円台に突入しました。
この過程で、縫製工場は販売店から海外縫製への移行を脅され、どんどん縫製加工賃は下がり、とうとう1着10,000円まで(ピーク時の半額まで下げさせられたのです。
それゆえ、多くの同業縫製工場が立ち行かなくなり淘汰されました。
が、ここにきて為替が安定して120円以上になってくると状況は一変。
同時に新型コロナでサプライチェーン問題が生じてくると、コスト・納期の両面で国内縫製が注目されてきています。上述加工賃もようやく30年前の水準が手に届くようになってきました。
ですから円安によって確かに物価は上昇していますが、企業経営環境は以前よりは改善しているのです。
でも、以上のことは実は縫製業に限ったことではありません。
(主として)地方に多かった労働集約的な製造業全般に言えるのではないでしょうか?
つまり人件費が安いからといって海外へ移転してきた製造業がこれから国内に回帰してくるのでは?ということです。
つい先日もアイリスオーヤマが50種類の製品を中国から日本へ生産拠点を移すという報道がありました。
これがまさに海外から国内への逆流を表していると思います。
あと、もう1つ、円安の地方への影響ですが、ちょっと話が飛びますが、私はどうして農協の皆さんが、輸入小麦の政府売渡し価格における政府の補助金に反対しないのか?不思議です。
確かに、都会に住んでいて近代的な生活をしている人にとっては今の円安、ウクライナ問題による小麦製品(パン、麺類)の値上げは痛い問題だと思いますし、これらに関連する業界にお勤めの方は大変だと思います。
でも、一人間として、小麦がなければ米を食べれば良いだけですし、米食が増えれば減反政策も反転して地方も潤うのでは?
だから何で地方の農協が輸入小麦への補助金について反対を述べないのか?不思議です。
こんなこと思っているのは私だけでしょうか?
いずれにしてもバブルの頃のようなキラキラした時代は終わり、これからは戦後日本が復活したように、汗水たらして地道に働かなければならない時代が来るように思います。
大切なのは苦しくても夢を持てるかどうかではないでしょうか?
ですから地方の皆さん、チャンスですよ!
2022年08月25日
交付申請終了
一昨年、新本社ビルが出来てから、私にはいわゆる社長室が与えられています。
ですから日中は他のスタッフとは別に個室で仕事をしているのですが、ここ1・2か月は引きこもり状態で仕事をしていました。
何をしていたかというと、国からの補助金申請にかかる資料作り。
ご存じの方も多いと思いますが、今、国ではコロナ禍で傷んだ経済を復活させるため、また投資を促進するため事業再構築補助金という制度を作っています。
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/
これはいくつかの枠毎に詳細は変わりますが、簡単に言うと既存の事業の殻から抜け出し、事業を再構築するような投資に対して補助金を出しましょう!という内容ですが、当社グループでは青森工場が自動倉庫等を新設するため、申請しておりました。
実は、これも5月ぐらいに受理され、いよいよ補助金の交付準備としての再度の申請が必要なんですが、購入する機械全て、購入業者のみならず相見積もりの業者からの見積もりもすべて含めて提出するため資料作りに難儀しておりました。
(なにせ、こういった作業慣れていないもので・・・)
購入する物によっては、製品的に代替が利かず相見積もりが取れないところは、その理由を記載した理由書も作成しなければならないし、、、
まぁ、慣れない仕事で大変でした。
ですが、その仕事も今日まで!(不備があると、後から出し直しですが)
ようやく本日提出いたしました!
今回購入する自動倉庫はなんと!旧型機に対して+200コンテナの1700コンテナ格納。
これに最新CAMを2台追加しますから、相当な規模です!
これを新規事業のために使うんです!
当社青森工場は基本はオーダースーツの縫製工場ですが、得意のデジタル力を生かし、自社が縫製しない他社縫製分の受注管理、在庫管理、裁断までの委託を受ける業務を来春から行う予定です。
⇒何を言っているか、分からないと思いますが、簡単に言うとBVにとってはコンペティターに当たる他の販売店(他社縫製)でも7DAYSオーダーが可能になる仕組みを提供するということです!
グループ企業であるBVに不利益になることをするの?って、不審に思う方もいらっしゃると思いますが、
当社では
【7DAYオーダーは国内縫製が復権するための切り札】
【7DAYSオーダーは海外縫製に対抗する切り札】と考え、
積極的に国内工場へ技術協力を行う予定です。
そしてこれが僅かでも自社の商売になれば!と考えております。
2022年08月17日
東北豪雨の影響
ご存じの方は多くないと思いますが、当社のグループにはスーツ・シャツの工場として、次の地域に工場立地しています。
シャツ工場:新潟県胎内市
スーツ工場:青森県南津軽郡田舎館村
上 着工場:山形県新庄市
ボトム工場:秋田県大仙市
実はこの4工場、先日来の豪雨被害の被災地にどこも非常に近く、工場、従業員に被害が及ばないか、お盆休み中ずっと心配でした。
首都圏にお住いの皆さんも今回の豪雨被害のニュースの中で例えば、新潟県村上市の土砂崩れ、秋田県北秋田市の大雨警報、
山形県の最上川の氾濫、青森県弘前市の洪水警報などを聞かれたと思いますが、これらの市町村は弊社縫製工場に隣接する市町村での
話です。
工場の方はどうかというとお盆休みだったこともあり会社にも従業員にも被害等は出ていないのですが、
一部社員の自宅が床上浸水になってしまったようで心配です。
※本稿作成時点では従業員個人の被害状況まで把握できておりません。
例年、夏の時期は南の方で台風被害を多く聞きますが今年はどうやら東北があたり場所になってしまったようで心配でなりません。
まずは命、その次に産業への影響が心配です。
2022年08月03日
今年の最低賃金引上げ
先日、中央最低賃金審議会での議論で今年の最低賃金の引き上げ額が決まりました。
地域にもよりますが、28円〜31円。

政府は早期に時給で1000円を超えるように頑張っているようですが、ここ5年以上毎年最低賃金がすごい勢いで上昇していて、企業経営者としては本当に辛いところです。(今日は縫製工場の社長の立場で書いています。)

企業には色々なタイプがあります。
その中で、一定を収益を上げるために従業員が大勢必要な業種業態もあれば、少ない人員で収益が上がる業種もあります。
少ない人員で収益を上げる業種の例でいえばIT系企業などがそれに該当すると思います。(こういう業種・産業を資本集約的産業と言います。)
一方、収益を上げるためには従業員が大勢必要な産業は、労働集約産業と言われるのですが縫製工場はその典型に該当します。
当社でいえば従業員320人で、一日スーツが300着ですから。
つまり簡単に言えば、従業員1名が毎日1着のスーツを縫っている計算です。
そうなると、、、
最低賃金が上がれば、スーツ1着の工賃も上げなければなりません。
政府は、下請け企業が発注元に価格転嫁が出来なければ、価格転嫁が出来るように支援をすると言っています。
ですが、出来る訳ありません。
力関係が違いますから。
一瞬、工賃を上げてもらっても、翌年度仕事がなくなるだけですからね。
時給が30円上がるということは
30円×8時間×25日×350人×12か月=2,500万円
2,500万円年間コストが上がります。
加えて、世の中インフレですから、もう無茶苦茶×××
さらに言うと、設備投資をしようと補助金を申請しようとしても、最近は『事業所内の最低賃金を地域最低賃金+30円以上』にして、それを『3年間維持』する誓約をしないと補助金がもらえません。(ものづくり補助金の例)
これだと、、、
500万円の補助金をもらうために毎年2,500万円のコストアップを3年する、ということになり、正直なんのこっちゃです。
自慢するつもりはありませんが、当社はこれでも黒字経営で、事業所内の最低賃金は地域の最低賃金より高めに設定できています。
だからまだ良い方に分類されると思います。
が、こうも凄い勢いで最低賃金が上がったり、補助金に制約を加えると経営体力が削がれてしまいます。
確かに、時代はITとかハイテクとかで高収益を上げる企業が時代の寵児となっていますが、仕事というのはそんな派手な仕事ばかりでなく、農林水産業ほか地味な仕事がほとんどです。
本当はそういう産業こそが、従業員数が多く、多くの雇用を生み、地域産業を支えているのだと思うんですけどね。。。
経営者として従業員の待遇を上げることは、自分の使命だと思っています。
ですが、あまりにお国から法律という形で制約を加えられると、この国は実は共産主義国家なのではないか?とさえ思ってしまうんですよね。
。。。ぶつぶつ言わず、業績が上がるよう頑張ろう。それがおいらの使命なんだ。
2022年08月01日
どんどん値段があがる×××
今年に入ってからガソリンに食品にどんどん値段が上がっています。
そうインフレ。
そしてこのインフレについては6月のブログでも取り上げましたが、ジワジワ来ますね。。。
私がつい先日実体験として感じたのは、青森の設備投資計画。
実は来年の5月、GW休みを利用して弊社青森工場では新工場に移転してまだ3年半ですが、大型設備投資をします!
何か?というと(少しずつ業界の人にも話しているのでもう隠す必要はないでしょう)
実は、新工場に設置した自動倉庫(1500反格納)をさらにもう1基、今度は1700反収納できる第2自動倉庫を設置予定です。
加えて、新規事業に備えて、CAMも2台追加とコロナで世の中が不安定な中ですが、大がかりな設備投資を予定しています。
この自動倉庫が今回最終見積もりを!と思って依頼したところ、、、
昨年暮れに見積を取った金額からなんと!!!15%もアップしているのです!
さらに言うと、自動倉庫内はプラスティックのコンテナ(箱)で収納しますが、そのコンテナも来年5月に納品だと●%アップしそうだとか、、、
もう発注を遅らせれば遅らせるほどインフレの影響が直撃する状態です。
金額までは詳細は話せませんが、アップする金額だけで新型クラウン1台買えそうです。
は〜〜〜っ、助成金申請の問題もあるし、やること山積なのに、発注だけ先行させないと投資額が10-15%アップしそうです。
でもまぁ、大変だ!大変だ!言ってても始まらないし、価格が上がる前に発注できるよう一つ一つ片付けるしかありませんね。
2022年04月06日
学生服屋さんの納期遅れ
今日NETのニュースを読んでいると東京武蔵野市の学生服販売店のムサシノ学生服が受注を受けた今春入学の生徒さんたちの学生服の納品が間に合わなかったという謝罪記者会見について書かれていました。
出典:
https://news.yahoo.co.jp/articles/e8329488e663b9ceb39273084cd6cef7c7739d4c
読者の皆さんはどうお感じになられたでしょうか?
聞けば何でも、入学式に間に合わなかったのが100着(100人)分だったそうで、私もこの学生さんには同情を禁じえませんし、自分が親御さんの立場だったら、怒りとまではいかないまでも、不快感はあると思います。
ただ、
このことを縫製業界全体で見てみたらどうでしょうか?と私は敢えて皆さんに投げかけたいと思います。
というのは幾つかのメディアでも説明していましたが、この納期遅れには幾つか原因がありました。
@そもそも学生服は入学が決まってからしか発注できないので納期がタイト
Aしかも、最近は各学校がオリジナル制服になっているので代替が利かない。
B私学の無償化で入学の判断が遅れている。
C男女の入学制限がないため、男子・女子すら予測がつかない。
などなど。
でも業界的にはまだほかにも理由があります。
それは、今年に入って2月ぐらいから顕著に表れていることですが、国内縫製工場の稼働率が非常に高まっていること。
これには理由が2つあって
@海外の不安定要素(コロナロックダウン、物流不安)によりリスクヘッジから国内工場へのシフトが起き始めている。
A国内工場はコロナで人員削減をしており、人員が戻っていない(=生産数量が以前ほど高くない)
この2つが挙げられます。
でも、個人的にはそれだけではないと考えています。
それは、どちらかというと心情的な問題ですが、これまで製造(工場)と販売(販売店)の関係でいうと、圧倒的に販売店が強かったのですが、ここに来て製造側が販売側より強くなってきていること。
これは、これまでは販売側が強かったため、販売側から『何とかいついつまでに間に合わせてよ!』とお願いされれば製造側は(後々嫌がらせをされるのが怖いので、あるいは田舎者で人が良いため)無理して頑張ってきたのですが、ここに来て積年の製造側のエゴに気付き、NOを言い始めたのだと思います。
これが大きいのではないでしょうか?
地方と都会の両方で仕事をしている私にとって、【製造-販売】の構図はニヤリーイコールで【地方-都会】の構図になると思いますが、歴史から見て思い当たる節があります。
それは第二次大戦中の出来事。
(話は飛びますが)TVの「なんでも鑑定団」で地方の名士の家からお宝がいくつも出品されているのを目にしたことがあるでしょう。
私はそれを見るたびに、これって戦争の時に都会の金持ちが食料欲しさに家宝を田舎のお百姓さんに二束三文で売った物なんだろうな?と、思います。
このことを教訓にすれば、急に困ったからと言っても、人は善人にはなれないものです。
だからこれから縫製工賃は上昇するのではないでしょうか?
日本のアパレル製品の輸入浸透率(国内販売量に対して輸入品の占める率)はなんと!!!3%にも満たない状態です。(←スーツに限らずアパレル製品全般です)
逆を言えば海外に97%依存してますから、これがほんの数%国内の戻ってきただけで国内工場はパンクしてしまいます。
出来ないものは出来ません。
しかもこれまで海外工賃と比較され安くさせられていた訳ですから、もう簡単には言うことを聞かないのです。
学生服は日常品、消耗品ですから高くは販売できないと思いますので同じなのではないでしょうか?
納期に間に合わなかった学生さんには同情いたします。
が、販売店の社長さんも必死に努力した結果なのだと思います。
どうにもならなかった問題なのではないでしょうか。
上場企業でもないのに記者会見をされたムサシノ学生服の社長さんには敬意を表します。
2022年03月16日
コロナによる工場一時休業
新型コロナも3年目に入り、首都圏ではなんというか、マンネリ感が出てきてますが皆さんの周りはどうでしょうか?
思えば2年前、最初は中国武漢の問題だったのが、年が明けてから少しずつ世界に広がり、日本では2月?3月に横浜のダイヤモンドプリンセス号でクラスターが発生して、それからが大変でしたね。
そんなコロナですがワクチン接種も2回3回とされるかたも増えたこともあり最近はあまり怖がらなくなったように感じます。
上記コメント↑、こんな考えをしているのは多分都会の人が多いのだと思いますが、地方ではまだまだ大変怖がっている人が多いのが実情です。
さて
前置きが長くなりましたが、この空気感染する新型コロナは縫製工場でクラスターが発生してしまうと、大変なことになってしまいます。
工場を知らない方でもある程度は想像できるかと思いますが、どこの縫製工場もゆったり広々なんて作りはしていません。
1つの工程が終わり次の工程で作業をする時には、僅かながらでも物が動きますが、その距離をどれだけ短くするかで効率が変わってきますから、仕事場は大変密な状態です。
都会の事務所は在宅ワークなどで出勤者を減らし、デスクを間引いて仕事することは可能かもしれませんが、縫製工場ではそんなことは出来ません。
(せいぜい昼の食堂を2交代制にして間引くぐらいです。)
そんなですから、日本でも海外でも縫製工場はどこでもコロナのクラスターを発生させるリスクを持っているのです。
で、今の状況はどうかというと、
実は、先月青森の某縫製工場ではプレスの工程でクラスターが発生しました。
そうなると、どう影響するかというと、プレスしないで納品は出来ませんから、プレスの担当者が復職するまで1〜2週間、工場はストップです。
もう、なす術がありません。
で、今日、今度はビッグヴィジョンが廉価商品の際に縫製依頼をしている中国の縫製工場でクラスターが発生し、工場全体が突如、休業状態になってしまいました。
(こういう点では中国は恐ろしい!決めたらみんな右向け右です!)
現地とは連絡もなかなか取れず、納期も分かりません。(多分2週間ぐらいかと思います。)
いずれにしても工場でコロナが出ると縫製工場自身も販売店も大変です。
そこの工場は某有名なオーダースーツチェーン店の仕事もしていますから、多分、納期遅延の連絡を受ける人も多いのではないでしょうか。。。
他人はともかく、ではビッグヴィジョンの方はどうかというと、、、
あいにく、このタイミングは決算セールでご注文が多い時期×××
多分500〜600着ぐらいは影響が出そうなのですが、ビッグヴィジョンの場合は、青森にグループ縫製工場がありますので、そちらで縫うことにしてもらい、何とか影響を最小限に食い留められそうです。
(一部、既に縫製途中に入っている物については途中から切り替えられないため納期が遅れる物も出てくるとは思いますが、、、)
それにしても、半年1年苦しむのは我慢できますが、2年3年となると本当に辛いですよね。
2022年03月11日
助成金申請資料作成中
実は、ここ1カ月連日、一人パソコンを前にごそごそ仕事しています。
しかも日中ではなく、人のいない休日や早朝・夜間です。
何をしているかと言えば、助成金申請の資料作り。
詳しいことは申せませんが簡単にいうと工場で設備投資をするにあたり、金額が非常に大きいので少しでも助成金を得られればと藁をもすがる気持ちで申請をすることにしています。
こういった助成金や補助金の申請というと中小企業診断士とかが間に入って成功報酬で申請書作りをしてくれるそうなんですが、そんなツテもない私は休日、早朝、夜間など人から声を掛けられないタイミングで一人孤独に申請書づくりをしております。
私、自慢ではないですが文章作りは得意です!
親が法律家でしたから結構文章には厳しく育てられましたし、
学校もレポート等が非常に多い環境でしたから人並み以上にはやったと思ってました。
ですが、、、社長業はダメですね。
部下の稟議書にはケチをつける癖に、自分では物を書かない(否、全く書かない訳ではありませんが)
で、書いた原稿を慣れた人に見て貰うと、ダメ出しの嵐・・・
ううむむむっっ...
昔はレポートについては自信があったんだけどな・・・
SHOPMASTERとして長く、HP用の原稿も書いていたのに・・・
どんなアスリートも練習をしなくなるとダメですね。
悔しくて悔しくて、、、
何としてでも助成金が降りるような魅力的なストーリーを作るぞ!
(ストーリーだけでもダメですが)
ということで、しばらく苦しむことになりそうです。