2016年03月30日

縫製工場の経営

今日は青森工場・秋田工場からマネージャーが東京まで出張に来ていたため、久しぶりに工場スタッフと経営面についてじっくり話が出来ました。

読者の皆さんは縫製工場ってどんなイメージがあるでしょうか?

・・・きっと想像付かないでしょうね、、、

なので、ちょっとブログで取り上げてみたいと思いますが、縫製工場の経営は至ってシンプルです。

売上は工賃×数量 これだけ。

個別のお客様の仕様(難易度)によって多少の工賃格差はありますが、基本は工賃×数量で決まります。

一方、経費はというと、、、通常の物販と比べますとまず圧倒的に家賃がかからない。(そう、田舎に立地していますからね。)
また、ある程度社歴のある工場ですと、建物付属設備やミシン類などの減価償却費もある程度こなれています

・・・ということは経費の最大の項目は >>> 人件費 なのです。

つまり、人件費が上がるとアッという間に収益環境が悪化してしまうのです。

また、縫製工場ならではの特殊要因としては生産数量は従業員の頭数で決まってしまうため、よくいう機械化によって従業員数は変わらないけど生産数量は大幅増した!なんてことが出来ない産業なのです。
(つまり、生産数量は従業員数に比例してしまうということです。)


という、前置きの中、さて、アベノミクスで年率2%で賃金が上がったらどうなるでしょうか?
1.02×1.02×1.02=1.061
そう、この3年間で6%も人件費が上昇しているのです。

では、工場経営としてはどうしなくてはいけないか?

読者の皆さんもお分かりかと思いますが、そう、工賃を上げるしか手立てがありません。(数量は劇的には増やせませんから)

ですが、実の所、田舎の下請け工場は、これまでバブル崩壊以降の失われた20-25年で元請に対して値上げを申し出るなんて事は恐れ多くて出来ませんでした。

そこで多くの工場経営者は、従業員に低賃金(いわゆる各都道府県が決める地域の最低賃金)で泣いてもらっているのが実情ですが、それがここ数年2%以上上昇しているから、もう待ったなしの状況なのです。

私は、ビッグヴィジョンの社長でもありますが、関連縫製工場の社長でもあるため、立場は微妙ですが、
最近、オーダースーツはブームになってきて、昔より良い商品が売れるようになりましたから、品質を上げてもらう代わりに、工賃を引き上げ、縫製工場(とその従業員)にもこれまでの苦労を報い、ブームの恩恵を少しでも受け取ってもらえるようにしたいと考えています。

東京周辺に住む人にとって『「最低」賃金』なんてあまり意識したことはないと思いますが、地方では、時給700円前後の最低賃金で働く工場は本当に沢山あるんですよ。

今日は、工場経営の側でお話をさせて頂きました。
読者の皆さんも、一度物作りのコストについて考えてもらえると嬉しいです。


posted by オーダースーツのヨシムラ at 10:22| Comment(0) | 仕事(縫製工場) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月28日

クールドッツパンツ

桜の花も咲き始めすっかりよい季節になりましたが皆さんお元気ですか?
花粉症の人には辛い季節ですが、ようやく暖かくなって来ましたので、私も春の虫のように、冬場に停滞していたアウトドア活動を再開しようと思っています。

そして、最近私がはまっているのが、ゴルフ

まぁ、年齢的にも適しているのでしょう。
昨年からやりはじめ、つい先日も今年初ラウンドに行ってきました。

・・・と、今日の話題は自分のゴルフ話ではありませんでした。(反省)

今日の話題は、この夏ビッグヴィジョン&ヨシムラで発売予定のカジュアル&スポーツパンツの紹介です。

オーダー屋のやるカジュアルパンツ?っていうと皆さん想像するのがコットンパンツですよね。
素材としては、コットン(綿)ならカジュアル感が出るし、綿100%はストレッチしないのでスポーツには適さないケースも有りますが、最近はポリウレタンというストレッチ性のある原料を使っていると、身体を動かしたとき、生地が伸縮して動きやすいですよね。

そう、ヨシムラでもビッグヴィジョンでもそのような生地は取り扱ってます。

でも!今年は違うんです!

実は、素材がこれまでオーダー屋で取り扱ったことのない素材。

その名も、クールドッツ素材というのですが、クール(涼しい?)ドッツ(穴?)なんだろう?と思うかも知れませんが、

実は何と生地に小さな穴が沢山開いている素材なんです!!!

えぇ〜、穴が開いている素材?
パンツだから下着が透けちゃわない???

そう思うのも無理もありません。

でも、安心してください。(ちょっと古いノリですが...)

透けないように加工してます。
どんな生地かというとこんな生地。

20160328-2.jpg

どうですか?
分かりやすくするため室内を暗くし、外からの明かりが中に入るようにして撮影しました。
穴が開いているのが分かると思います!

これが何とも涼しい素材で、素晴らしいんです!
まだ今の時期は、さすがに寒いですが、真夏の炎天下にこのパンツを履いて歩くと、蒸れることもなく汗を発散してくれますし、暑い日に逆に炎天下からクーラーの利いた部屋に入ると、冷気が穴を伝わって中に入ってきて、アッという間にCOOL DOWNします!

加えて、素材のストレッチ性が素晴らしい!
屈伸運動もなんのその!

・・・ということで早速自分用にゴルフパンツを仕立ててしまいました。

20160328.jpg

どうですか?

実はこの写真、ゴルフ場ではなく、わざわざブログ用に早朝皇居前でゴルフ道具を持って撮影してきました。(だから、背後に道路があるのです)

どうでしょう?ブラックウォッチのパンツ。

色柄は無難に無地もありますが、格子数柄のほか、迷彩柄スカル(髑髏)柄などもオリジナルで作りました。

色柄は来月早々にでも別途新着情報でご紹介しますが、どうぞ楽しみにしていて下さいね!

さて、来週はこれを履いてラウンドするか!

posted by オーダースーツのヨシムラ at 10:40| Comment(0) | 仕事(営業戦略) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月17日

アベノミクス新3本の矢

今日はちょっとアカデミックな?ブログです。

読者の皆さんはアベノミクスの新3本の矢については既にご存知ですよね?

そう、希望を生み出す強い経済」 「夢を紡ぐ子育て支援」 「安心につながる社会保障3つです。


でも、この新3本の矢はその前の3本の矢「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」と比べると、何か違和感がありませんか?

実は私も前の3本の矢と比べると、新3本の矢は唐突でしたし、昨秋の発表以降どうも何かしっくり来ないな?とずっと思っていました。

3つとも言っていることは正しいです。
経済に希望は必要ですし、希望がなければ株式相場など良くなる訳がありません。
また少子高齢化の中で次世代の子供達を育てやすくする政策は急務でしょうし、年金不安がある中では貯蓄と消費では貯蓄嗜好が高まり、消費が伸びないのもよく分かります。

でも、しっくり来ないんですよね〜

・・・と日々思っていたのですが、それが先日某日銀理事(OB)のお話を聞く機会があり、それがすっかりクリアーになりました。

それは、矢を『的と矢』で考えてみる

前の3本の矢は、デフレからの脱却という「」に対する3本の矢』でした。

それはそれで正しい『的と矢』の関係でした。

でも、今回の新3本の矢は、的が無いんです。

無いというか、むしろ、矢自体が『的』になっていないか?ということ。

つまり、目標(的)はあるけれども、矢(問題解決の方策)がないのです。

なるほど、そういわれてみれば確かにそうです。

私が持っていた漠然とした“違和感”は、解決先を示さぬまま“こうしたい!”と夢を語っていることに違和感を感じたのではないかと思います。

私が政府の政策にケチをつけるのは大変おこがましいことと思いますが、
会社でも「○○をする」という目標に対しては、
@時間軸を決めて A達成までのルート(手法)を共有する ことが大切です。

@がなければ、いつまでたっても夢みたいなことを言っているだけですし、
Aがなければ、皆で問題解決をすることが出来なくなります。

新3本の矢はAがないということで、やっつけ仕事感がぬぐえないのかも知れません。

ちょっと偉そうなことを書いてしまいました。
まずは、自分の会社の「的」とこれに対する「矢」をしっかり考えたいと思います。

季節は決算月の3月、来年度を考える今だからこそ、的と矢をしっかり考えたいと思います。

posted by オーダースーツのヨシムラ at 15:18| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月14日

晴れ舞台での日のスーツ

3月は出会い別れ季節

読者の皆さんの周りはいかがでしょうか?
ご本人のみならず家族の方を含めると、卒業式に、入学式、社会に巣立つ人もいれば、転勤の人、ひょっとすると定年を迎える人もいらっしゃるかも知れません。

いずれにしても3月4月は出会いと別れの季節です。

そんな中、私自身はと言いますと、
先日のブログで書きましたが、実は大学卒業後25年の大きな節目になり、大学からは卒業25年の大先輩ということで、現役の大学卒業式に参列することになったり、これにあわせた同窓会を行うということで、今年は晴れ舞台がありまして、1着仕立てることにしました。

でも、1着仕立てるといっても仕立て屋の社長のスーツですからね、、、

紺屋の白袴のようになってしまったらみっともないですから、今回はそれなりに気合を入れて仕立てました。

話はちょっと逸れますが、皆さんは晴れ舞台でのスーツってどんなのを想像しますか?『結婚式でもない限り普通のスーツではないの?』
『フォーマルだから、タキシードか何かの黒だろう』
『えっ?!ネクタイ締めるの?

・・・いろんな方がいらっしゃると思います。
晴れ舞台と言っても、自分が主役のケースもあれば、参列するだけのときもありますから、色んなケースがありますよね。

そこで、普通に卒入学式をイメージして書きますと、私がもし店舗スタッフでしたら次のような提案をします。

@基本は無地が良いでしょう。
>>>無地は1着あって損はないですから。
逆に、ストライプはあまりオススメしません。
というのは、晴れ舞台=非日常ですから、ストライプですと、ビジネス(仕事)感が出すぎて、「仕事のついで感」が出すぎてしまうのです。

Aできれば上質な素材を、パリッと。
>>>晴れ舞台で寂しいのは、ヨレヨレっとしたスーツ。
これでは「晴れ」てないですよね。曇ってます。
それはさておき、上質な素材(しかも無地)は白身魚のように素材の良し悪しがはっきり分かりますから、イタリア物などの光沢感のある素材がベストですね。
もちろん事前のアイロンは必須ですよ!

Bチーフ
>>>これもAの晴れ舞台=非日常性ですが、普段チーフなどつけていない人がチーフをつけると、ぱっと華やかになります。
そんなに高いものではありませんから、お勧めです。

・・・とそんなことを一般の人にはオススメするのですが、では仕立て屋の旦那としてはどうかというと・・・

20160314.jpg

いかがでしょうか?

素材は、国産ですがネイビー下地にジャカード織りでペイズリーっぽい柄をあしらったもの。
これでタキシードっていう手もあったのですが、ちょっとやりすぎかと思い、シャツをブルーヘリンボーン(伊カンクリーニ社製)のものでコーディネートしてみました。

写真には合わせるネクタイを一緒に撮影しなかったのですが、ネクタイはこちら

20160314-2.jpg

シューズはやはりストレートチップの黒
寒ければ、コートはキャメルカラーのアルスターコート

う〜ん、、、中身の方を磨かなければならなくなりそうです。

posted by オーダースーツのヨシムラ at 10:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月05日

桜咲く

今日は所用があり、久しぶりに大学に行って来ました。

大学というと、今の時期は試験も合格発表も終わり(私学ですので)、どこか閑散としているのですが、もうあと1週間もすると今度は卒業式で、華やかになります。

そういえば、いつからでしょうか?
卒業式のイメージと桜の花が重なるようになったのは?
私が子供の頃は、桜が舞い散る中、入学式に出るイメージでしたが。

それはさておき、久しぶりに大学に来てみると、
なんと!桜が咲き始めているではないですか!

20160305.JPG

きっと陽当たりが良い場所なのでしょう。綺麗に咲いていました。

あ〜っ、もう春なんですね!

お店の方も先日までアーリースプリングフェアーを行っていましたが、もうSpring has Come(春が来た!といった雰囲気です。

今年は、私は大学卒業25年で、OBとして大学の卒業式に呼ばれます。

折角の晴れ舞台にお招きされるので、お祝いに1着仕立てました

どんなスーツになったかは、後日ブログにアップしますね!

posted by オーダースーツのヨシムラ at 14:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月19日

嬉しいコメント

中小企業の当社では、社長といっても社長業のほかに担当者の仕事もこなしています。
私の場合、社長業以外の仕事というと、商品仕入(いわゆる目利き)、イベント管理などがありますが、デイリーの仕事ではメール対応を出来る限り自分で行うようにしています。

ですから日々送られてくるメールには目を通しますし、また返信も頻繁にしていますからお名前だけで大体の過去のやり取りを記憶している方も結構いらっしゃいます。
(そんな時は、社長として業務をすると相手の方も恐縮されるので、メール担当としてやっていますが、、、)

そして、今日はどんなことがあったかというと、N様という方からネクタイのご注文を頂いたのですが、お名前に見覚えがあったので履歴を検索してみたところ、、、
直近のNET限定企画で、トロフェオをご購入頂いていた方でした。

そこで、メール返信の際に、一言

> Nさん、先日はトロフェオ企画でお世話になったばかりなのに
> ありがとうございます!


・・・と一文をお入れしました。

少し脱線しますが、今の時代商用メールはどこの会社でも多いですから、基本は自動返信メールとか雛形を利用したメール作成をするのが一般的だと思いますが、当社は、数が多いので雛形は使いつつも、必ず一文だけで良いから個別のコメントを入れるようにしています。

私達の扱っている商品は、全て個別のオーダーですからね。
メールもどこかオーダーメイドでなければならないとの想いからなのですが、このように対応しています。
非効率とは思いつつ、15年近くこのこのスタイルを貫いています。


すると、翌朝、こんなメールを頂きました。

******************************************************
吉村様

いつもコメント頂いて有難うございます。
又、トロフェオのみならずトロピカルも当てて頂き有難うございます。

昨年から貴社に、お世話になっていますが貴社のスーツを着ていくと取引先や社内から評判がいいんです。
今後もお世話になります。

ネクタイも楽しみにしています。
宜しくお願いします。N

******************************************************

仕事をする以上は、お客様にはお代金以上の価値を、自分にはお金儲け以上の何かを得られるようにしたいと日々思っていますが、今日は朝からお客様にとても良い物を頂きました。
私は、生地の仕入等だけですが、きっとNさんのご注文では店舗スタッフもデザイン等々で色々頑張っているんですね!
スーツは生地だけでも決まりませんし、デザインだけでもダメですから。

朝からとても嬉しい気持ちになりました。
今日も一日頑張ります。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 08:26| Comment(0) | 仕事のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月13日

プライベートですが

今日は全くのプライベートの話ですが、バレンタインデーの週末2/13-14で新潟県苗場スキー場で、スキー男子回転・大回転ワールドカップを見に行って来ました!

あまり社用ブログで書くことはありませんが、私は見事なまでのバブル世代。
加えて、子供の頃からスキーをしていたこともあり、『私をスキーに連れてって』の舞台にもなったバブル人が憧れる苗場スキー場で、そこに慣れ親しんだスキーの世界トップ選手が来るとなると、何としてでも行きたくなります。

私は2/13(土)の男子大回転を観客席から見ていましたが、いや〜っ盛り上がりました!

20160213-2.JPG

20160213-5.JPG

観客席からだと、大回転の場合、コースが長いため実際の滑りを見れるのはゴール地点近辺しか見れませんが、会場には巨大なモニターがあり、大画面で途中の滑りも見れましたし、何といっても観客席は盛り上がりが凄いですからね。

特に、マルセル・ヒルシャーや優勝したアレクシ・パンチュローの滑りは凄かった!

残念だったのは日本人選手が活躍できなかったこと。
開催国だから皆応援していたし、大学関係の人などが必死になって応援していたけど、大回転では全員決勝に進出できず、残念。

やはり体重差、体力差が表れやすい回転・大回転では日本人には難しいのか。
皆川賢太郎の次の世代が待ち遠しいです。

20160213-4.JPG

因みに、来週2/27〜28は、当社秋田工場のある秋田県の『たざわ湖スキー場』ではW杯のモーグル競技をする予定です。

こちらも興味がありますが、、、さすがに出張という訳にはいかず、、、
残念!テレビで応援になりそうです。

posted by オーダースーツのヨシムラ at 19:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月06日

社員研修旅行に行って来ました。

2/5〜7まで、ヨシムラの方で年に一度の社員研修旅行に行って来ました。
社員旅行というと、遊びのイメージもありますが、当社(吉村株式会社)は服飾系専門学校卒のスタッフが多いせいか、社員旅行では遊びもしますが、意外と真面目に毎回工場見学などアカデミックなことも行います。

過去には、製糸工場に行ったり、ジーンズの産地児島に行ったり、青森工場にも行ったりしていました。

で、今回はどこを訪問地に選んだかというと、日本の(ジャカード織り)裏地の産地、富士吉田市に行ってきました!

富士吉田というと関東を拠点にしている我々には、河口湖のちょっと先でそんなに遠くないのですが、ここ甲州は実は古くから織物の産地で、裏地のほかネクタイなどシルク関係の織物の産地なのです。
(昨今はシルクの裏地はあまり見かけられないので裏地ではキュプラ裏地のジャカード織りの物が中心です。)

今回何故この地を選んだかというと、そう、↓↓↓で裏地の取り扱いをグッと増やしたから。

新キュプラ裏地(ビッグヴィジョン版)
http://www.big-vision.co.jp/news/2015/8c/index.html

今回はオリジナルで柄出しをした物もありましたから、その関係で裏地屋さんと結びつきが強くなり、無理を言って工場見学させて頂いたのです。

読者の皆さんにとっては、裏地といっても単に綺麗だな、サラッとしていて良いな〜、って感じだと思いますが、それを作るのはなかなか難しい。

ご存じない方も多いと思いますが、実は昨今中国製のスーツ類が溢れていますが、実はキュプラ(ベンベルグ)の裏地などは日本でしか生産されておらず、仮に中国製でキュプラ(ベンベルグ)裏地が付いていたとしても、それは裏地を単品で輸出して現地で縫っているんですよ。

技術的な話をすると紙面がなくなってしまいますから割愛しますが、キュプラというのは綿の「わた」ではなく、種の周辺についている産毛を集めて作ったもので、これには日本ならではの技術が必要なのです。

加えて、それを織る場合には、無地は比較的簡単ですが(プリント柄ではなく)凹凸のあるジャカード織りの場合、柄の型(紋紙と言います。)によって複雑に柄を作ることが出来ますし、また複雑になればなるほど手作業が多くなり、大変な仕事なんです。

例えば、この画像。
これは、当社で扱うある柄物裏地を織っているところ

IMG_2433.JPG

そう、この画像の出来上がりはこうなります!

20160205-1.jpg

でも、これだけではどうやって柄を作るか分からないでしょう?

これはこんな、丸い穴の開いた紙(これが紋紙)を織機に通すことで穴=糸が通る、穴の無い場所=糸が通らないといった形で柄を作っているのです※。
※:厳密にいうと違いますが分かりやすく表現しました。

IMG_2434.JPG

どうですか?
裏地一つも非常に興味深いですよね。

工場見学は、裏地を作る過程で分業となっている糸を作る会社、糸を染める会社、織り上げる会社、最終処理をする会社、商社と産地で裏地に関わる5〜6社を回らせて頂きました。

どちらも大変勉強になりました。

IMG_2438.JPG

富士山の麓の雄大な甲州
ぶどう狩りやワインで有名な甲州ですが、お立ち寄りの際は皆さんもジャカード織り裏地の産地であることを少しだけ思い出してあげてください。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 20:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月02日

市長さんがお越しになりました。

今日は強行軍ですが日帰りで秋田工場まで出張して来ました。

秋田・山形の工場といえば、昨年9月に立ち上げて以来、昨年の内は月に1〜2度は必ず出張していたのですが、最近はスタッフも生産数量も安定してきたため、実は今年に入って初めての工場出張でした。

で、何が目的だったかというと、なんと!タイトルの通り市長さんが工場視察にお越し下さるというのでお出迎え&ご案内係として行ってきました。

工場は、秋田県大仙市というところにあります。
大仙市といっても分からない人は、日本一の花火大会で有名な大曲がある市といえばお分かりいただけますか?
そんな市町村の市長さんです。

大曲市のHP:http://www.city.daisen.akita.jp/

大仙市の栗林市長さんとは、昨年の秋田工場進出以来何度かお会いしている内に親しくなり、暮れの会合の際、たまたま市長が隣の席でしたので、思い切って工場視察にお越し頂けませんか?とお話したのがきっかけでした。

実の所、市長に当社従業員に『何を訴えて欲しい!』という意図や下心は全くなく、私としては秋田工場の従業員の皆が、やや自信をなくしているように見受けられるので、市長の来社を通じて、自分達も社会に役立ち、注目されていることを知ってもらいたい、元気になってもらいたい、と思ってのことでした。

※ 補足 ※
秋田工場の従業員の大多数は、昨年9月以前は某縫製工場の従業員だったのですがそこの縫製工場が廃業(=会社都合退職)となったため、どこか悲壮感漠然とした将来への不安感が見え隠れしていました。(と私が感じていました。)

で、折角市長がお越しになるので、市長にもしっかりご案内を差し上げなければと思い、この辺は私からご案内差し上げました。

(秋田工場はパンツ専用工場ですが)
:パンツは簡単に言うと、右足と左足があって、それを縫い合わせて・・・
市長:ほうほう...
:縫い合わせるといってもその他にもファスナーやベルトループ、ポケットetc沢山パーツがあって、、、
市長:ほうほうほう...
:ポケットの縁取りなどは閂(かんぬき)処理といって補強したり・・・
市長:ほうほうほうほう...

などなど(スミマセン。市長のコメントは創作です。)

そして、一通り工場内をご案内した後、栗林市長から工場従業員に激励のお話をしてもらいました。
その時の写真がこれ。

20160202-4.jpg

こういった話の時は、普通は皆緊張するのですが、そこは栗林市長のお人柄なのか、スタッフの笑顔が印象的でした。

20160202-2.JPG

栗林市長、またアレンジして下さった大仙市農林商工部の皆様、雪が降りしきる中、本当にありがとうございました。
スタッフも皆、喜んでくれ、また私も勉強になりました。

20160202-3.JPG

最後の写真は、工場の駐車場。秋田は(お酒がうまい!)雪国です。


posted by オーダースーツのヨシムラ at 15:00| Comment(0) | 仕事(縫製工場) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月19日

直販だからできる! って

先週末、軽井沢の碓氷峠でバスツアーの事故がありましたね。

私には大学生の子供がおりますが、あの事故は子供を持つ親として本当に痛ましく、怒りを禁じえない事故でした。
(個人的には事故ではなく事件ではないかとすら思います。)

ではこの事故(事件)どうして引き起こされたのでしょうか?考えてみました。

このバス会社は直販だからできる! 激安&格安バスツアー!と謳ってお客を集めていました。

きっと格安だからこそお金のない学生が殺到したのだと思います。
(私が若い頃もそうでした。当時はサミー●アーというのがあり、お金がない時代でしたから良く利用しましたっけ。)

事故から数日たつと、色んな情報も出てきます。

例えば、事故を起こした下請けバス会社へは国交省が決めた最低運賃を下回る価格で引き受けさせたとか、運転手は転職したばかりで、健康診断も受けていなかったとか。

皆さんもご記憶にあろうかと思いますが、数年前関越自動車道で同様の事故(事件)があった後、バス会社の運行規定が厳しくなり長距離のワンマン運転体制を改めたり、低価格ゆえに基本的なサービスが劣化しているということで国交省が最低運賃を決めたりと色々行政も動きました。

にも拘らず、このようなことが起きて、、、
で、ツアー会社はバス運行会社が安く提示してきたから出してしまったと言い、
一方、バス運行会社は安く叩かれた。だから適切なことが出来なかったと言い訳し、、、
...かようにも悪質な業者がいるのだと思うと本当におぞましいことです。

ですが、私には1つ気になるコメントがありました。

それはタイトルにも書きました

直販だからできる! 激安&格安バスツアー! っていう言葉です。

この会社、どこが直販なのですか?

直販(直接販売)というのは、他者を通さず、全てを自社で行うことで中間マージンを省き、効率的に安く出来る会社(体制)のことを言う言葉です。

ということは、旅行企画会社とバス運行会社は同資本か少なくとも同グループでなければこのような表記は出来ないはずです。

この直販という言葉、どうでしょうか?皆さん確認してますか?

実は、スーツの業界でもこういう表記をしているところが沢山沢山あまりにも沢山あります!
スーツの業界で言えば、これはスーツ屋(販売)と縫製(物作り)が一体として初めて直販と言えますが※、しかしながらこの虚偽表示があまりに多いこと。
※:それ以外でも生地屋と販売がセットになっているのも直販かも知れません。

事故は起こしてから、文句をつけてもバスであれば人の命は取り返せませんし、不快な思いをしないに越したことはありませんから、事故は起こさないように事前に回避することが大切です。

この点、『直販だから』という言葉の信憑性を消費者としては今後考える必要があるのではないかと思ってしまいました。

皆さんはどう受け止められますか?

同様に、究極の...という言葉を多用する会社も疑って掛かるべきかも知れません。
posted by オーダースーツのヨシムラ at 11:21| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする